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アートはわかってくれない~現代美術はスフィンクスをめざす 樋口 ヒロユキ(著) - アトリエサード
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アートはわかってくれない~現代美術はスフィンクスをめざす (アートハワカッテクレナイゲンダイビジュツハスフィンクスヲメザス)

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四六判
320ページ
定価 2,500 円+税   2,750 円(税込)
ISBN
978-4-88375-550-9   COPY
ISBN 13
9784883755509   COPY
ISBN 10h
4-88375-550-9   COPY
ISBN 10
4883755509   COPY
出版者記号
88375   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年4月
書店発売日
登録日
2025年3月26日
最終更新日
2025年4月10日
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紹介

アートは信号機じゃない。「謎」だ!
いざ、美術的大冒険へ!

怪獣、関西ニューウェーブ、鬼畜、kawaii、アール・ブリュット、もの派、
森村泰昌、ヤノベケンジ、デヴィッド・リンチ、Chim↑Pom、草間彌生、
李禹煥、デュシャン、中原浩大、ウィリアム・ケントリッジ……

縦横無尽な冒険によって辿り着いた
「作品」の「正体」とは…?
=====

アートとは信号機なのか。
メッセージを素早く読み取った方が勝ちの早押しクイズなのか。
アートはむしろ、不透明さがあり、謎を含み持つからこそ成り立つのだ。

アートがもっと身近になる! 接し方が変わる!
サブカルなどにも立ち寄りつつ、
樋口ヒロユキがいざなうアートの面白さと、その正体。
スリリングで刺激的なアート論!

=====

「思った通りに作れないこと」「思ったように伝わらないこと」
「うまく読み取れない部分があること」、
つまり制作や受容の過程で生じる不透明な謎こそが
「作品」の成立する条件なのだ。

「作品」はテレパシーのように意味を送り合う信号機ではない。
逆にスフィンクスのように、永遠に謎を投げかけてくるものなのである。
~~~~~

◎目次
第1章 聖杯探究譚 失われたアート
第2章 怪獣、幻想、反芸術――60年代
第3章 関西ニューウェーブの輝き――80年代
第4章 商業画廊、ガーリー、鬼畜――90年代
第5章 具象、オタク、kawaii、日本――ゼロ年代(一)
第6章 ゴシック・ロリータの地下水脈――ゼロ年代(二)
第7章 政治と芸術、深さと遅さ――10年代(一)
第8章 増殖、ルール、アール・ブリュット――10年代(二)
第9章 「もの派」と出会って――70年代
第10章 SUNABAギャラリーの船出――2015年
第11章 作品とは何か 現代美術はスフィンクスをめざす
第12章 コンセプトとは何か(1) 西洋美術とコンセプト
第13章 コンセプトとは何か(2) 帰納的コンセプト
第14章 可能世界の中原浩大
第15章 ウィリアム・ケントリッジ《時間の抵抗》
第16章 アートの正体、そして提言

目次

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■第1章 聖杯探究譚 失われたアート
……
インディー・ジョーンズの美術論
アートはロックの反転像
アートは権力者のオモチャ?
---
■第2章 怪獣、幻想、反芸術――60年代
……
怪獣からシュルレアリスムへ
反芸術と「屍体感覚」
美学とアートの相互作用
---
■第3章 関西ニューウェーブの輝き――80年代
……
「トキオ」の時代に関西を目指す
関西の混沌、美術とサブカルチャー
関西ニューウェーブと森村泰昌
ポストモダンと90年代関西文化の混沌
---
■第4章 商業画廊、ガーリー、鬼畜――90年代
……
失われた三十年のサブカル会社員
鬼畜系、Jホラー、ゼロ年代批評
酒鬼薔薇聖斗事件とゴシック・ロリータ
---
■第5章 具象、オタク、kawaii、日本――ゼロ年代(一)
……
ヤノベケンジ、美術との再会
路上の美術制度論
国際芸術祭とアートフェア
kawaii、サブカル、日本、若冲
同時進行で進む具象の解体
---
■第6章 ゴシック・ロリータの地下水脈――ゼロ年代(二)
……
ゼロ年代の「ぼんやりした不安」
デヴィッド・リンチのゴシック感覚
呪術対美術から美術史を見る
---
■第7章 政治と芸術、深さと遅さ――10年代(一)
……
3.11とChim↑Pom
ポスト震災のバックラッシュと中野重治
炎上は速いがユーモアは遅い
亀は遅いがウサギを抜き去る
---
■第8章 増殖、ルール、アール・ブリュット――10年代(二)
……
同時多発的に発生したルール主義
草間彌生、榎忠、アール・ブリュット
美術とは遅延された時間芸術である
---
■第9章 「もの派」と出会って――70年代
……
仮想敵視していた「もの派」との再会
《位相―大地》の多重化したコンセプト
《位相―大地》と松井紫朗
李禹煥作品と安藤忠雄建築の対話
---
■第10章 SUNABAギャラリーの船出――2015年
……
人為的に「ニューウェーブ」を起こす
突然、作品が売れ始めた
出発点となった幻想美術
キャラクター絵画とポストkawaii
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■第11章 作品とは何か 現代美術はスフィンクスをめざす
……
誰もが素通りする「作品」の不思議さ
アール・ブリュットとコンセプト
わからないからこそ「作品」になる
「作品」は「間」から生まれる
---
■第12章 コンセプトとは何か(一) 西洋美術とコンセプト
……
フェノロサが日本美術に見た「アイデア」
デュシャン、クールベ、マニエリスム
言葉とイメージのピンポンゲーム
---
■第13章 コンセプトとは何か(二) 帰納的コンセプト
……
作品とコンセプト、どちらが先か
言語化できていなくてもコンセプトはある
目と手を使ってコンセプトを作る
アートは言語主導でないといけないのか
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■第14章 可能世界の中原浩大
……
中原浩大作品のパラレル性
子ども、自閉症、他者
アートの無意識を探る旅
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■第15章 ウィリアム・ケントリッジ《時間の抵抗》
……
時空分節の機械とアフリカのリズム
ケントリッジ作品の時間論
ヘイトクライムを乗り越える和解
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■第16章 アートの正体、そして提言
……
アートにおける意識と無意識の和解
中心と周縁を反転させる
内藤礼と坂東三津五郎から学んだこと
あなたはもうアートになっている

著者プロフィール

樋口 ヒロユキ  (ヒグチ ヒロユキ)  (

1967年、福岡県生まれ。SUNABAギャラリー代表、文筆家。関西学院大学文学部美学科卒。PR会社勤務を経て2000年より執筆活動開始。単著に『恐怖の美学 なぜ人はゾクゾクしたいのか』『真夜中の博物館 美と幻想のヴンダーカンマー』(以上、アトリエサード)、『ソドムの百二十冊―エロティシズムの図書館―』(青土社)、『死想の血統 ゴシック・ロリータの系譜学』(冬弓舎)。共編著多数。2015年4月、SUNABAギャラリー開業。

上記内容は本書刊行時のものです。