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細谷卓爾の軌跡 水俣から琵琶湖へ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年2月1日
- 書店発売日
- 2021年2月10日
- 登録日
- 2020年12月22日
- 最終更新日
- 2021年1月29日
紹介
チッソ守山工場に着任した当時の細谷はチッソが抱える問題、水俣病の事を知らなかった。そのことに大きなショックを受け、各地の公害問題や労働災害の支援に動く。
「水俣病の問題は僕にとってはずっと教師のような存在です。水俣の問題がなければ僕は琵琶湖の問題にそれほど取り組まなかったかもしれない」といい、やがて「社会の福祉化、福祉の社会化が必要」と、生協運動に取り組む。
保守地盤が強い滋賀県で、労働団体が共闘して革新知事、武村正義誕生を実現させた、環境滋賀の立役者でもある。武村正義に「野の人です。政治の友である」といわせる細谷卓爾の足跡を克明に詳述し、その思想の淵源を探る。
目次
第一章 琵琶湖を抱きしめる
第二章 戦前から戦後へ
第三章 チッソと闘う
第四章 労働運動の道
第五章 県政の大転換
第六章 よみがえれ琵琶湖
第七章 協同組合が社会を変える
第八章 海を越えて
解説 関西大学准教授・大門信也氏
前書きなど
まえがきより
2002年10月10日早朝、私は脳梗塞で倒れた。あれから18年以上の時が流れ、少しずつ日常を取り戻す中で、私自身の記憶も随分よみがえってきた。自分が社会に何ができるのかを考えたとき、これまでの私の歩んだ道筋を振り返り、まとめることは、生協運動をはじめとする活動を考えていく礎になるのではないか。今ならばそれも可能になったのではないかと考え、今、本書を著すことにした。
気がつけば本当にいろいろなことをしてきたものだと思う。労働運動を始めたころ、滋賀地評で事務局長をしていたころ、滋賀県政にかかり始めたころ、湖南生協をはじめ生協運動に取り組んだころ、日中交流やモンゴル交流にのめり込んだときもあった。そして、私はその時々に、本当に多くのすばらしい先輩や仲間、後輩に恵まれた。今回、自分の人生を振り返る本書をまとめるために、過去を振り返り、語りながら、そのことにあらためて気づくことができた。本書をまとめることは、時には大いに議論をし、語り、泣き、笑いながら過ごしていただいた方の存在のおかげで、今の自分がいることにあらためて気づくことができた時間でもあった。本書は、私自身の振り返りであるとともに、私と出会ってくださった皆様への感謝の手紙でもある。
上記内容は本書刊行時のものです。