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琵琶湖のまわりの昆虫 八尋 克郎(著) - サンライズ出版
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琵琶湖のまわりの昆虫 (ビワコノマワリノコンチュウ) 地域の人びとと探る (チイキノヒトビトトサグル)

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A5判
128ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-88325-673-0   COPY
ISBN 13
9784883256730   COPY
ISBN 10h
4-88325-673-1   COPY
ISBN 10
4883256731   COPY
出版者記号
88325   COPY
Cコード
C0345  
0:一般 3:全集・双書 45:生物学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年1月15日
書店発売日
登録日
2019年12月16日
最終更新日
2020年1月14日
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紹介

滋賀県ではギフチョウが減り、ナガサキアゲハが増えている。近畿地方のオオセンチコガネは色によって分布域が異なる。夏に比良山地の頂上付近に移動するアキアカネ(赤トンボの一種)は雌の方が多い──。種数が多い昆虫の研究には、地域の人たちといっしょに調べることが欠かせない。琵琶湖博物館の開館以来、昆虫担当学芸員として滋賀県を主なフィールドとして研究してきた著者が、トンボ、チョウ、オサムシなどさまざまな昆虫の分布や生態に関わる興味深い話題とともに虫好き人間の活動を紹介。

目次

第1章 昆虫を調べる
1 琵琶湖地域に昆虫は何種いるのか?
2 新種の昆虫
3 40年以上見つかっていないカワムラナベブタムシ探索物語
4 近江はトンボの宝庫
5 地域の人たちとの共同研究 滋賀県のオサムシの分布調査
6 近畿地方のオオオサムシ亜属の系統進化
7 カワウの巣の昆虫たち
8 琵琶湖、滋賀県の地名が和名についた昆虫
9 ミイデラゴミムシの名前の由来

第2章 昆虫の移り変わり
10 減ったチョウ、増えたチョウ
11 トンボの宝庫が危ない 滋賀県のトンボの分布の移り変わり
12 姿を消したミノムシ
13 近年、絶滅した昆虫たち
14 180万年前に生息していた昆虫と古環境
15 鮮新世後期に日本から絶滅した昆虫
16 過去の滋賀県のチョウ相が分かる布藤コレクション
 コラム 博物館のまわりの気になる昆虫
  初雪を告げるユキムシ/やっかいもの? ビワコムシ/シナノキに見られる奇妙な形の昆虫

第3章 昆虫の分布と暮らし
17 長距離移動するアサギマダラ
18 避暑のため山に登るアキアカネ
19 湖岸砂浜をすみかにする昆虫たち
20  ヨシ原の昆虫
21 滋賀県は昆虫の分布の境界となる地域
22 近畿地方のオオセンチコガネのカラーバリエーション

第4章 昆虫と人
23 昆虫好きの人たち1 滋賀むしの会
24 昆虫好きの人たち2 はしかけ「虫架け」
25 酒の肴に昆虫を食べる人たち
26 近江の養蚕文化
27 近江の蜂の巣とり名人
28 企業連携で希少トンボの保全

前書きなど

小さい頃から、昆虫が好きで近くの雑木林にカブトムシやクワガタムシをとりに行っていた。昆虫図鑑に掲載されているアトラスオオカブトやバイオリンムシの写真に胸躍らせて、いつかはこの昆虫を自分の手で採集したいと思っていた。これが昆虫の研究者になろうと思ったきっかけである。
琵琶湖博物館に就職したのが、1996年。開館の年である。20数年になるが、琵琶湖とそのまわりの昆虫に関してどれだけ明らかにできたのであろうか。昆虫は種数が多いため、琵琶湖とそのまわり、滋賀県という広い地域における昆虫の分布や生態などを解明するためには、地域で長年研究してきた人たちと一緒になって調べていくことが必要となる。「地域の人たちと一緒になって調べる」ことを常に頭に置いて活動してきた。
この本は、私が地域の人たちや他の研究者と一緒になって行った琵琶湖とそのまわりの昆虫に関する研究や、おもしろいと思っている話題をトピック形式で紹介しようという思いで書き進めた。
琵琶湖とそのまわりの昆虫に関する話題をあげていくと、実におもしろい話題が多くあることが分かる。しかも、それらのことについて、私自身伝えきれていないのではないかという思いがあった。また、琵琶湖とそのまわりに関する昆虫を総括的に扱った本があまりないことも書く動機になった。一話読みきりで、どこから読んでもいいようになっている。琵琶湖とそのまわりの昆虫に関して知っているようで、知らない話題を一般の人にも分かりやすく紹介できればと思っている。この本の執筆にあたっては、先人たちの研究業績の上にたっていることを忘れてはいけない。
大学時代に、昆虫に関するおもしろい話題を集めた『虫のはなし』(梅谷献二編著)を読んだ。この本は非常に面白く、食い入るように読んだ記憶がある。『虫のはなし』の琵琶湖版を目指したが、どこまで実現できたかは読者の判断に委ねたいと思う。
この本が、琵琶湖とそのまわりの昆虫の関心を呼び起こし、さらに今後の琵琶湖とそのまわりの昆虫に関する研究の進展につながれば、この本を出版した意味があると思う。

著者プロフィール

八尋 克郎  (ヤヒロ カツロウ)  (

1963年生まれ。専門は昆虫分類学。オサムシ科を中心に琵琶湖とそのまわりの昆虫の分布やその変遷を地域の人たちと一緒に調べている。主な著書として『日本動物大百科昆虫Ⅲ(平凡社)』(分担執筆)、『オサムシ─飛ぶことを忘れた虫の魅惑─(八坂書房)』(分担執筆)、『生命の湖 琵琶湖をさぐる(文一総合出版)』(分担執筆)、『博物館でまなぶ─利用と保存の資料論(東海大学出版会)』(分担執筆)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。