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アイヌ語千歳方言辞典
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 1995年6月
- 書店発売日
- 1995年6月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
ながらくの渇をようやくにして癒してくれる辞典が刊行された。アイヌ語は少数民族言語としては、これを話す人の数の割には研究者はけっして少なくない言語であって、方言比較、地名、民俗分類などの優れた特殊辞典は存在するのに、この言語の習得を志す者に必須の一般的な辞書は皆無だったからである。
この辞典は、アイヌ言語学の碩学中川裕さんの手になるだけに安心して裨益にあずかることができる。具体的に紹介する余裕はないが、表記から文法・語義説明にいたるまで利用上の周到な配慮が施されている。とくに少数民族の危機にさらされた言語に遅ればせながら関心が寄せられはじめた今日、本辞典刊行の意義は大きい。中川さんとこれに協力してこられた話し手の方々の長年のご努力に感謝しなければならない。これに継いで、アイヌ語関係者たちの総力と蒐集データを結集したアイヌ語大辞典の、時機を逸しない完成が俟たれる。
(宮岡伯人)
1995年8月号 月刊言語
目次
本邦初の本格的アイヌ語辞書。口承文芸ユカル ・ ウエペケレなどを解読するうえの必備の基本辞典。
【特色】仮名引き見出し・カナとローマ字併用の表記・豊富な用例・詳しい文法的情報・類義語を解説。
前書きなど
世界最初の使えるアイヌ語辞典
この本は、今、澎湃と興っているアイヌ語再生の運動への絶好のプレゼントである。著者の中川裕さんは、そもそもの始めからこのアイヌ語再生の歴史的な動きの中心的な推進力であったし、今もそうである。その彼だからこそこの辞典を産み出し得たのであって、またそうやって作られた辞典であるからこそ、運動を推し進めるための強力な武器になる。だが本格的なアイヌ語再生の運動がそれに関心を持っている人々の目にはっきりと見えるようになったのは、そう昔のことではない。象徴的な出来事は、1987年末の「第一回アイヌ語弁論大会」であったろうか。それまではほとんど誰もがアイヌ語はもうダメだと思っていた。中川さんも僕も例外ではなかった。だから「弁論大会」が終わったとき、僕たちは涙を流して「ひょっとしてアイヌ語は本当に再生できるかもしれないぞ」と興奮して語りあったものである。
そのころ僕はアイヌ語の再生を母語の断続的継承の問題として捉えていたのであるが、ある日中川さんからこんな話を開いた。昭和生まれの大多数は、親がアイヌ語を教えようとしなかった世代に属する。しかし、意外に多くのこの世代の人たちがおじいさん、おばあさんたちのアイヌ語を聞き覚えて、それを澱のように心の奥底に溜め込んでいた。そしてその人たちが今になって、アイヌ語を話し始めたというのである。(後略)金子 亨
1995年6月9日号 週刊金曜日
上記内容は本書刊行時のものです。
