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おもしろい 石と人の物語 大平悠麻(著/文) - 総合科学出版
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おもしろい 石と人の物語 (オモシロイ イシトヒトノモノガタリ)

自然科学
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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ15mm
重さ 290g
272ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-88181-881-7   COPY
ISBN 13
9784881818817   COPY
ISBN 10h
4-88181-881-3   COPY
ISBN 10
4881818813   COPY
出版者記号
88181   COPY
Cコード
C1040  
1:教養 0:単行本 40:自然科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年5月
書店発売日
登録日
2021年4月12日
最終更新日
2021年4月12日
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紹介

──現役の高校理科教師が綴った、高校生にも、そして大人にも面白い鉱物にまつわる様々な話──
私たちは鉱物に取り囲まれています。朝起きたときの歯磨きから、ペットのトイレ、スマホから車まで、鉱物によって私たちの生活は支えられています。そして、その研究開発によってさらに生活は安全で豊かになっていきます。
それなのに、人々は鉱物についてまったくと言っていいほど無関心です。私(著者)は現役の高校理科教師ですが、生徒たちのほとんども、地学ことに鉱物の授業になると注意力が散漫になります。
なぜでしょうかと問うまでもなく、それは「つまらないから」に尽きるでしょう。
ですから、ここに知れば知るほどおもしろくなる鉱物の話をまとめてみました。
幸不幸はともかく、人類は鉱物を利用して現代のような科学文明を築き上げることができました。数学も物理も化学も、鉱物の理解を深めようとしたところに起源があります。
一方で、鉱物がどこにどれくらいあるのかが、人類の歴史をつくってもきました。
石炭や石油が採れるところ、ダイヤが採れるところ、ヒスイ輝石が採れるところ、レアメタルが採れるところ、金や銅が採れるところ、ラピスラズリが採れるところ……。
それは民を統べる支配者にとって何よりも魅力的な土地です。ですから、それを巡って幾多の戦争が起きました。人類の歴史は資源を巡る戦争の歴史です。人類は土地が欲しいのではなく、鉱物という資源の採れる土地が欲しかったのです。
それほどまでに重要な鉱物と人類との関わりを様々なテーマから綴って読み物としてみました。

目次

第一部 世界史は鉱物でできている
………鉱物によって紡がれたヒトの歴史と科学の物語
第一項 鉱物って何?
石を使うのはヒトだけ?
鉱物が集まって、岩石になる
第二項 鉱物資源の争奪戦こそが歴史そのもの
大陸移動説でつながった南米とアフリカ
余談の余談:資源への思惑
ドイツとフランスに翻弄された地域
孔雀石のあるところには……
貴重な鉱床が集中している国
映画のシナリオにもなった「血のダイヤ」
第三項 人類が最初に魅了された石
破局噴火がもたらしたもの
貴重な貴重な青い石
エジプト王も愛したラピスラズリ
夜空に輝く星を求めて
余談の余談:女王
第四項 ガラスの始まり
火山の賜物──ペレーの涙と黒曜石
半分くらい導体
青い陶磁器
そして人工ガラスへ
第五項 シルクロードの本当の目的は?
文明の“縦と横”
二つの漢字はなぜ似ているのか?
シルクロードはミネラルロード
第二部 鉱物に魅せられた“賢者”たち
………なぜ天才たちは鉱物に興味を抱いたのか?
第一項 大理石に神を彫る
虹色の化石
あられ石と方解石
ミケランジェロが聴いた大理石の声
大理石文化が育たなかった日本の理由
方解石と生き物
第二項 石の都の物語
ピョートルの都
余談の余談:琥珀と強制収容所
第三項 鉱石をも愛した知の巨人
ヒトの世を支え続ける「ゲーテ鉱」
ウェスウィウス火山
第四項 石工の集い
モーツァルト石
『魔笛』にまつわる物語
歌劇の台本
余談の余談:石は石でも
第五項 鉄に目覚めた日本人
とある藩主
製鉄
第六項 青銅器が文明の中心であった時代
どうして青銅器時代が鉄器時代より前なのか?
余談の余談:微生物という“賢者”
第七項 土と水のジレンマ
鉱物を含む土、鉱物を流す水
灌漑農業と焼畑農業
メソポタミア文明とエジプト文明の違い
灌漑農業についてまわる、土壌の塩類化
焼畑農業についてまわる、土壌の酸性化
第八項 水晶の砂を手に
日本の稲作
石っこ賢さん
余談の余談:悲しき石
第九項 賢者の石
ファンタジーのような石は見出せるのか
賢者の石は本当に必要なの?

第三部 鉱物資源とこれから
……ヒトが鉱物に作用し、鉱物もまたヒトに作用する
第一項 健康を支える鉱物
薬の成分表を見てみたくなる──水亜鉛土
どこにでもある鉱物が歯や骨に──燐灰石
食塩は「つくる」のではなく「削り出す」──岩塩
“飲む〟ばかりではなくお世話になっている──重晶石
役どころ満載──チタン
第二項 宇宙、軍事、原発をつなぐ鉱物
ゼオライト──資源大国ニッポン!?
原発汚染水ろ過の切り札──事故の後始末
宇宙でもゼオライト──二酸化炭素も除去
地球温暖化を食い止める鉱物
ジルコニウム──中性子を吸収しにくい金属
水素爆発はジルコニウムの仕業だった
ウラン──残りカスであった劣化ウランは?
第三項 災害を知る鉱物
「忘れた頃に」とならないために──防災の日
地震予知の救世主となるか──石英
「もっと石を!」──鉱物学の発展と地域振興
余談の余談:鎖国なんて、なかりせば
第四項 日本と鉱物

著者プロフィール

大平悠麻  (オオヒラユウマ)  (著/文

1985年生まれ。埼玉大学教育学部理科専修卒業。埼玉県教育委員会入職後、大宮南高等学校、伊奈学園高等
学校で理科教諭として勤務。

上記内容は本書刊行時のものです。