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「健康で文化的な生活」をすべての人に
憲法25条の探究
- 初版年月日
- 2022年3月31日
- 書店発売日
- 2022年4月12日
- 登録日
- 2022年3月16日
- 最終更新日
- 2022年3月16日
紹介
格差と貧困が拡大する今、私たちは「健康で文化的な生活」を送れているのでしょうか。
全国生活と健康を守る会連合会と全日本民主医療機関連合会による大規模アンケート調査から庶民の肉声を掬い上げました。そこには、さまざまな生活を送る人びとの日常があります。このデータの多角的な分析と、第2次調査としての面談による取材によって、日本の庶民の現実が見えてきます。
また、「健康で文化的な生活」とは何を、憲法25条の文言の成立からたずね、フランスとの比較も通して、「人間らしい生活」を求めて、
社会保障・社会福祉の低位性を乗り越える方策を追究します。
目次
はじめに 河合克義
――「健康で文化的な生活」調査の概要と本書の目的・構成
第1部 調査からみえてきた「健康で文化的な生活」の現実
第1章 全国生活と健康を守る会連合会会員の
生活実態と文化的な生活……………………………板倉香子
はじめに
1 「全国生活と健康を守る会連合会」調査回答者の特徴
2 社会活動への参加と生活の充実
3 高齢期の生活と社会参加
おわりに――文化活動の経験と文化的な生活
第2章 全日本民主医療機関連合会調査から
判明した一般的諸事実………………………………菅野道生
はじめに
1 民連調査の実施概要
2 調査対象の属性の特徴
――回答者はどのような社会層か
3 民医連調査のデータから見える
「健康で文化的な生活」の実態
4 調査全体を通じてみえたこと
第3章 経済的な理由による「切り詰め」・
「滞り」の経験の特徴………………………………菅野道生
1 「切り詰め」・「滞り」の経験を問う意味とその背景
2 分析対象とするデータの特性と質問項目
3 経済的理由による「切り詰め」・「滞り」の経験
――2つの調査の比較から
4 属性別にみた「経験」の特徴
――全生連調査のデータから
まとめ――「切り詰め」・「滞り」経験の分析からみえたこと
第4章 調査の自由回答にみる生活の現実
Ⅰ 健康で文化的な生活を構成する要素と
その阻害要因……………………………………………中野航綺
――調査の自由回答の分析から
1 「健康で文化的な生活」を捉える視座
2 データの概要
3 「健康で文化的な生活」とは
――回答の特徴と内容
4 いま、何に困っているのか
まとめにかえて
Ⅱ 全国生活と健康を守る会連合会調査から
見えてきたもの……………………………………………小川栄二
──1次調査自由回答と2次調査から
1 生活の困り事に関する自由回答から
2 「健康で文化的な生活」(問31)の自由記載から
3 「健康で文化的な生活」自由記載の具体的内容
4 2次面接調査
5 調査から見えてきたもの
第5章 人生の軌跡と今…………………………………………河合克義
―生活の現実と意識―
はじめに
1 類型化と典型例の抽出
2 事例と日記
3 人生の軌跡と今
第2部 「健康で文化的な生活」実現の条件
6章 「文化」と「生活」……………………………………中村美帆
―憲法25条の「文化」とは―
1 「文化的な最低限度の生活」の権利
2 生存権の思想史と「文化」
3 「文化的な生活」の意味
――鈴木義男の思想を中心に
4 憲法25条「文化」の可能性と課題
第7章 いのちのとりで裁判と健康で文化的な
最低限度の生活………………………………………吉永 純
―裁判所の貧困観と「健康で文化的な生活」調査が明らか にした市民生活の貧困―
はじめに
1 大阪地裁判決の意義と内容
2 裁判所の貧困観
3 「健康で文化的な生活」調査等で明らかとなった
市民生活の貧困
4 今後の課題
――絶対的貧困観からの脱却は急務
第8章 日本の社会保障政策と
最低生活保障の現状…………………………………唐鎌直義
はじめに
1 日本の社会保障の実像に迫る
2 「現勤労者VS元勤労者」で描かれる日本政府の社会保障像
3 社会保障の後進性から脱却する道
――EU諸国並み社会保障の実現に必要な追加費用
4 「健康で文化的な最低限度の生活」について
――「健康で文化的な生活」調査の2次調査の経験から
まとめにかえて
第9章 フランスにおける子ども家庭福祉と
文化政策…………………………………………………安發明子
1 すべての子どもを対象とした福祉は
「親をすることへの支援」から
2 文化についての考え方
3 子どもの成長過程においての文化
4 フランスの社会政策としての文化
まとめ
第10章 「健康で文化的な生活」を問うことの
今日的意味…………………………………………浜岡政好
はじめに
1 「健康で文化的な生活」をめぐる今日の社会状況
2 「健康で文化的な生活」とは何か
3 「最低限度」をめぐる今日的社会状況
おわりに
おわりに 河合克義
――「健康で文化的な生活」をすべての人に〈地域・自治体からの活動・運動の組織化を〉
上記内容は本書刊行時のものです。