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新版 地域分権時代の町内会・自治会
- 書店発売日
- 2017年5月17日
- 登録日
- 2017年5月24日
- 最終更新日
- 2017年5月24日
紹介
人口減少と高齢化のなかで町内会・自治会の役割は何か。活動内容の改善・充実とともに、分権時代に住民の声をすくい上げ、行政に反映する町内会の底力が求められている。政府から負担を強いられる地域の担い手として、まわりの組織やNPOとも協同する町内会の可能性を多角的に分析する。
目次
はじめに
第1章 町内会とはどういう組織か
1 町内会の五つの基本的な性格
2 基本的性格についての補足説明
世帯を単位とすることの意味/共同生活のルール/公私協働論に立って/地域の「共」をめざす発展途上の組織
第2章 町内会をどう見るか―立ち位置によって見え方が違う町内会
1 理論・理屈のレベルと実態的な評価とのかい離、混乱
2 地域のなかの個人の位置
3 個人主義の成熟と社会関係
個人と組織の課題/個人と行政の二項対立の克服
第3章 町内会における自治の二側面―住民自治の諸相
1 町内会の自治の性格と二つの側面
全世帯加入制の原則/地方自治の領域として
2 町内会の団体自治
3 町内会の住民自治
4 町内会の代表性と全世帯加入性
新たな市民像の構築
第4章 地域での共同の暮らしの組織―機能の包括性の意味
1 NHK「ご近所の底力」にみる地域活動の特徴
地域の安全性に寄与する町内会/行政とパートナーシップを組める
2 町内会が担う機能の複合性・包括性
3 町内会はどんな問題を取り上げるか
町内会と有志団体の違い
第5章 町内会と自治体行政との関係
1 町内会の形成過程と行政との関係
戦前の地域組織/戦後も消滅しなかった町内会
2 町内会が行政とともに地域生活の共同事務を担う意味
“行政末端”という性格
3 地域組織と行政との協働
第6章 地域生活の変化と住民組織の主体性
1 生活の高度化と広域化―専門処理と相互扶助
2 地域生活主体の根拠―地域共同管理の必要性
3 町内会と地域諸組織
町内会の独自性
第7章 地域課題の拡大とコミュニティづくり
1 コミュニティづくりの提起
2 コミュニティ政策の内容と結果
3 町内会を排除したコミュニティづくり
「テーマ型コミュニティ」
4 住民自治の組織は不可欠
第8章 町内会の下部組織と上部組織
1 小さな組織のメリット―町内会の下部組織を大切に
「班」レベルの近隣関係こそ地縁組織の基礎
2 地域問題の性質に応じた連携・協力の輪の拡大―「連合会」の役割を見直す
区画を同じくする地域団体との関係/行政協力委員との共同
3 外部組織との連携―オープンでフランクなつきあい
第9章 町内会とNPOの協働
1 NPOの出現と法制化
2 町内会とNPOの組織の違い―コミュニティとアソシエ―ション
併存し支えあう関係
3 町内会とNPOとの協働
“知縁”と“地縁”の協働の広がり
第10章 町内会・自治会脱退の自由の意味
1 最高裁判所判決「自治会脱退は自由」の経過と内容
支えあいをさらに弱体化させてよいのか
2 自治会の性格と共益費
共益費の使い方/地域組織の公共性をどう保障する
3 地域の共益を支える組織と個人
個人主義と地域共同の“共存”
第11章 町内会の運営の刷新
1 町内会運営の基本姿勢
地域の変容と組織管理〈マネジメント〉の刷新
2 役員人事と任期
少なくとも二年任期で
3 財政運営について
広報配布等に対する委託費をどう考える/「生活地自治体」と公共性
4 「地縁による団体」の法人化
第12章 町内会の活動の刷新
1 行事に追われる町内会―どう見直すか
2 町内会館での活動の連携と分業化
常設事務局の設置
3 活動目標と事業計画の精選・明確化
共同の目標に支えられれば、まちが人をつくり人がまちをつくる/さしあたり必要な課題は?
第13章 行政からの自立と協働
1 町内会の自立への意識改革
2 行政からの自立とはどういうことか
行政が支援をなくせば自立するのか/行政とどのように担い合うのか
3 地域課題について議論し、課題解決に協働すること
ともに能動的にかかわってこそ
第14章 地域内分権と住民代表性―地域自治区を考える
1 地域自治区の制度化
2 地域自治区の特徴
独自の制度が盛り込める
3 地域自治区の代表性の性格と限界
4 住民自治財政運営の自己責任―より分権的な財政に
目標を自覚する
第15章 地縁型住民組織の可能性
1 地縁型組織としての町内会
すべての住民が対象/共同の力で地域を管理する仕方
2 地域共同管理の組織
必要な共同性を了解し協力しあえる関係をどうつくる
3 住民が出会う場をつくろう―環境と人こそ資源
定住意識を活用しその力で地域をつくる
おわりに
索引
上記内容は本書刊行時のものです。