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想像された「北方」
象徴主義におけるベルギーの地詩学を巡って
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年2月
- 書店発売日
- 2018年3月19日
- 登録日
- 2018年3月5日
- 最終更新日
- 2018年3月5日
紹介
国土をおおよそ等分する二つの言語圏のあいだで、国家分裂の危機が常に語られる国、ベルギー。この国の文化の複雑なアイデンティティを、象徴主義、「北方」性、アンティミスムといったキーワードから探る。フランス語、オランダ語、ドイツ語の三つの語圏を視野に入れるとともに、文学(言語芸術)と絵画(視覚芸術)を分野横断的に論じ、ベルギー文化の核にせまる。
目次
序章 本書の意図と目的
第一部 世紀転換期ベルギーと象徴主義
第一章 象徴主義の誕生
第二章 ベルギーにおける象徴主義の系譜
第三章 ベルギー象徴主義絵画における「理想主義」と保守性
第二部 ベルギーにおける象徴主義と「アンティミスム」
第四章 ベルギー象徴主義絵画における「アンティミスム」─グザヴィエ・メルリの素描作品群「ものの魂」─
第五章 「アンティミスム」と風景画─ウィリアム・ドグーヴ・ド・ナンクの象徴主義的風景画の考察─
第六章 ベルギー象徴主義文学における「アンティミスム」─モーリス・マーテルランク『Intérieur』(一八九四)における「intérieur」の所在─
第三部 ベルギーにおける象徴主義と「北方性」
第七章 ジョルジュ・ローデンバックと「北方性」─『組鐘奏者』に見るゲルマンとラテンの相克と「北方神話」の両義性─
第八章 「北方」の象徴主義絵画─ヴィルヘルム・ハマスホイとグザヴィエ・メルリの比較研究─
第九章 ベルギー象徴主義における文学と美術の照応─ジョルジュ・ローデンバックとグザヴィエ・メルリの比較研究─
第四部 ベルギー・オランダ語圏における象徴主義
第十章 ベルギー・オランダ語文学における象徴主義受容─カーレル・ヴァン・デ・ウーステイネのベルギー象徴派批判を巡って─
第十一章 カーレル・ヴァン・デ・ウーステイネと「ヴラーンデレン性」─モーリス・マーテルランクの影響を手掛かりとして─
第十二章 ヴラーンデレン象徴主義絵画における同時代性─ヴァレーリユス・デ・サーデレールの象徴主義的風景画を巡って─
第五部 ワロニーにおける象徴主義
第十三章 ワロニーにおける象徴主義受容と「北方的」象徴主義美学の形成─エクトール・シェネー『ものの魂』を手掛かりとして─
第十四章 ワロニーにおける「アンティミスム」絵画─ヴェルヴィエ派と「北方的」象徴主義絵画─
結部 「北方」の想像力
第十五章 ベルギー・ドイツ語圏における象徴主義─境界の作家ポール・ジェラルディーと「ものの魂」─
終章 ベルギーにおける「現実的幻想」の系譜─文学と絵画における「ベルギー的」想像力の源泉を求めて─
上記内容は本書刊行時のものです。