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幻島はるかなり
推理・幻想文学の七十年
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年1月
- 書店発売日
- 2015年2月6日
- 登録日
- 2014年12月25日
- 最終更新日
- 2015年2月24日
書評掲載情報
2015-12-11 |
週刊読書人
評者: 権田萬治=評論家 |
2015-04-01 |
新潮45
評者: 佐久間文子 |
2015-03-01 |
毎日新聞
評者: 川本三郎(評論家) |
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紹介
めずらかなる書物とともに――
戦中戦後の欠乏の時代、必死に本の形をしたものを求め続けた少年の前に、稀(まれ)ものたちの棲まうもう一つの世界が、その姿を現す――
戦後日本ミステリの隆盛に併走し、幻想怪奇文学の発掘と紹介に心血を注いだ著者による、七十余年のクロニクル。
目次
Ⅰ 奥深い闇を手探る
戸棚の中の骸骨 / 戦中派のみそっかすとして / 戦争は時間を加速する /
「商人の息子に学問はいらん」 / 芥川龍之介の『魔術』に感銘 /
昭和初期の遅い青春 / 性格の一変した父親 / 息苦しさを逃れる読書 /
探偵小説の幻想怪奇性 / 読書狂と集団疎開 / かくて神風は吹かず
Ⅱ 日の光、雲間を遁れ出て
父の死と戦後の混乱 / 焼跡に甦る書店 / 「宝石」の創刊号 /
空白期を埋めた海外名作 / 新仮名遣いの困惑 / 小さなテイクオフ /
あなた好みの話 / 新しいミステリの地平 / 純文学派が出会った『Yの悲劇』 /
もう一体の骸骨 / 雑学に見る時代精神 / 「ポケット・ミステリ」の登場 /
映画字幕と戦後 / 雑念に妨げられない年齢 / 天恵の自由が、すでに重荷に
Ⅲ げに春の最中であった
新しいキャンパスとミステリ熱 / 十八歳のベストテン / 軽蔑されていたミステリ /
推理小説同好会の出現 / 大伴昌司との出会い / ミス研第一号、生みの苦しみ /
三大作家の講演会 / 多彩な同好会の人々 / 豊年満作のミステリ出版 /
知名度の低い「推理小説」 / 四年間は矢の如く過ぎて / 社会人一年生と清張作品 /
ファンクラブに新たな展開を求めて / 「ためになる本を読みたまえ」 /
会社員生活の現実 / 推理小説の「鬼」との一期一会
Ⅳ 山麓に人あり
大伴昌司との因縁 / 黒いジャンパーにサングラス / 開花寸前のサブカルチャー /
週刊誌の話題に / 「EQMM」の影響 / 初期宝石社の思い出 /
最初の恐怖小説論考 / 駆け出しのコラムニスト / 『嫌疑』と転換期の戦後ミステリ
Ⅴ 忘れ川の流れを見出す
隠栖中の平井呈一尋訪 / 『オトラント城綺譚』への執念 / 原書収集の苦心 /
アーカムハウスからの便り / 足が頼りの古書店めぐり / デザイン学校に通う /
招かれた客 / たかがコラム、されどコラム / 文筆生活の基礎となった第二作 /
ひらめいた第三作 / 古書展での資料集め / 畏友大伴昌司の真実 /
覆水盆に返らず / 荒俣宏との出会い / 新しい可能性へ向けて
Ⅵ われらいま種蒔く人
『オトラント城綺譚』初訳が実現 / 専門誌が実現する / 雑誌「幻想と怪奇」の思い出 /
二年後に十二冊で打ち止め / 粘った甲斐ありの大企画 /
『世界幻想文学大系』企画の詳細(1) / 『世界幻想文学大系』企画の詳細(2) /
いまだに陽の目を見ない作品
Ⅶ 夢より夢を往来して
古書ミステリ執筆の経緯 / 大衆児童文学の集大成 / 『海野十三全集』を編む /
文化の発信は地方から / 幻想文学の積極的意義 / 「大乱歩展」における講演 /
江戸川乱歩の隠された意図 / 平井呈一の遺品収集 / 幻想怪奇文学の先駆として /
円環を閉じる
推理小説、幻想文学の世界 思い出の人々
木々高太郎(林髞) / 吉田ふみ / 西侃一郎 / 双葉十三郎 /
中島河太郎 / 八木福次郎 / 佐野英 / 鮎川哲也 / 星新一 /
山下武 / 都筑道夫 / 厚木淳 / 岡松和夫 / 間羊太郎 /
草森紳一 / 竹内博
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。