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裁判員裁判の現在 一橋大学刑事法部門(編集) - 現代人文社
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裁判員裁判の現在 (サイバンインサイバンノゲンザイ) その10年の成果と課題 (ソノジュウネンノセイカトカダイ)

社会科学
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発行:現代人文社
A5判
160ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-87798-788-6   COPY
ISBN 13
9784877987886   COPY
ISBN 10h
4-87798-788-6   COPY
ISBN 10
4877987886   COPY
出版者記号
87798   COPY
Cコード
C2032  
2:実用 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年11月20日
書店発売日
登録日
2021年11月4日
最終更新日
2021年11月5日
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紹介

裁判員制度が施行されてから、10年以上が経過する。刑事裁判の専門性の高い判断を、一般市民である裁判員が行うことはできない、裁判員が裁判官と対等だといっても、裁判官の「いいなり」になってしまう、有罪・無罪の判断に誤りが生じやすくなる、刑の種類・重さに大きなばらつきが生じる――制度実施前には、このような否定的な意見が多数みられた。しかし、現在までのところ、制度の運用に携わる裁判官や検察官、弁護人、さらには研究者のあいだでは、裁判員裁判が刑事裁判を良い方向に変化させているという肯定的な評価が広く共有されている。
 その変化は、刑事手続の全体に及んでいる。そのことは、裁判員裁判に関与する裁判官だけでなく、検察官や弁護人の活動や意識にも、大きな変化を生じさせた。本書では、これらの変化がどのようなものであり、刑事裁判の目的・機能からみてどのように評価されるのか、裁判員裁判10年の成果を整理し、今後の課題を検討する。

目次

はじめに

第1章
裁判員制度の概要といくつかの問題………葛野尋之
1.裁判員制度創設の経緯
2.裁判員制度の概要
3.裁判員の選任手続
4.裁判員制度の目的とその波及効果
5.実施状況の概観
6.辞退率の上昇と出席率の低下
7.裁判員の守秘義務と精神的負担への対応
8.裁判員制度の可能性

第2章 
裁判員裁判の運用状況と評価――公判中心主義の観点から………緑大輔
1.はじめに
2.公判中心主義の意義――裁判員裁判導入以前の運用の確認をかねて
3.裁判員裁判による変化――公判中心主義の観点から
4.2つの裁判手続
5.新型コロナウイルス感染症の流行と対応
6.公判中心主義の観点から見た評価

第3章
裁判員裁判における事実の認定
――チョコレート缶事件最高裁判決(最判平成24・2・13)を題材に………青木孝之
1.はじめに
2.被告人の弁解
3.事実審の経過
4.最高裁の判断
5.終わりに

第4章
裁判員裁判と量刑、そして死刑………本庄武
1.裁判員はなぜ量刑判断を行うのか
2.裁判員が量刑判断に関わることになった経緯
3.裁判官による量刑
4.量刑の基本的考え方
5.裁判官のスタンス
6.裁判員制度開始前の議論
7.裁判員裁判での量刑傾向
8.量刑の公平性を重視した最高裁判決
9.裁判員裁判での死刑適用判断
10.結び

第5章 
裁判員裁判によって弁護活動に変化はあったか………贄田健二郎
1.はじめに
2.裁判員裁判と公判弁護の変化
3.裁判員裁判と公判準備の変化
4.裁判員裁判と捜査の変化

第6章
国際比較の視点からみる裁判員制度
――中国の「人民陪審員制度」を例に………王雲海
1.はじめに
2.中国と司法への市民参加
3.「人民陪審員制度」の確立と発展(1949年~1970年代末)
4.「人民陪審員制度」の後退・縮小(1980年初期~2004年ごろ)
5.「人民陪審員制度」の復活・再構築(2005年~2017年)
6.「人民陪審員制度」の現状
7.結びにかえて――論争と課題

裁判員裁判に関する主要文献リスト

著者プロフィール

葛野尋之  (クズノヒロユキ)  (編集

一橋大学法学研究科教授。博士(法学)。1961年、福井県生まれ。1990年、一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。主な著作に、『少年司法の再構築』(日本評論社、2003年)、『刑事手続と刑事拘禁』(現代人文社、2007年)、『少年司法における参加と修復』(日本評論社、2009年)、『未決拘禁法と人権』(現代人文社、2012年)、『刑事司法改革と刑事弁護』(現代人文社、2016年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。