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もう一つの聖櫃伝‐丹生の姫物語
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年6月
- 書店発売日
- 2018年6月4日
- 登録日
- 2018年5月25日
- 最終更新日
- 2018年6月12日
紹介
【あらすじ】episode1 アカリ姫
紀元前212 年の中国咸陽では戦国時代の覇者となった秦王瀛政が始皇帝を名乗り権勢を誇っていた。そこに従者らを従えたうら若き姫(アカリ)を女主人とする謎の一行がたどり着いた。折しも咸陽では高名な方士、徐市(徐福)が始皇帝の命を受け、遠く東の果ての扶桑国に不老不死が叶うといわれる仙薬を求めて三度目の航海に出ようとしていた。なんとか大船団の乗組員に採用されたアカリ姫たち一行を乗せ、黄金の他、百工と童男女三千人、それに五穀の種を携えて、ようやくの思いで扶桑国にたどり着く。果たして、アカリ達乗組員は無事に上陸を果たすことができるのか。
そして、徐市の本当の狙いとは?
目次
まえがき 4
EPISODEΙアカリ姫
プロローグ 8
秦の都咸陽 13
出航前夜 27
旅立ち
-仙薬を求めて- 41
咸陽脱出 53
カシオペア座(錨形星) 79
再会 85
扶桑国上陸 100
うるわしの国 113
エピローグ 133
EPISODEⅡ
丹生の姫巫女香椎宮 139
天野宮 146
日高軍評定 157
EPISODEⅢ額田稚姫
小竹宮 165
丹生の盟約 170
気長足姫 177
丹生の姫神子 183
磐余若桜宮 194
額田稚姫 209
大海人皇子 218
井光の長老 232
巨勢里 244
黄金岳 251
吉野宮 257
白銀岳 268
櫃ケ岳 278
あとがき 292
前書きなど
まえがき
文化は西から東へ伝わっていくのだろうか。それとも東から来て西に伝播していく
ものなのであろうか。中国の歴史から考察すると、古代文明が栄えた経緯を見れば、
例えば西周の後に東周が興り、西漢の後に東漢が起つという風に、文明は西から東に
移って行くようにも見受けられる。
一方、西洋でみると新約聖書のマタイ伝の記述に、東方から来た三博士のエピソー
ドがある。これは東方から文明の使者が来たような記述にもとれるので、或いは先進
文化は東から西に伝わってきたとも思わされる。
さて、この『もう一つの聖櫃伝』では、文化・文明は人々の移動とともにもたらさ
れるものといったことを書いたものである。
例えば辰砂や鉄、銅の採鉱・精錬、養蚕や織物の技術のことなど、これらの技術は、
その技術を持った人々と共に日本にもたらされたものであると言える。
また文化は、必ずしも時代が古ければ古いほど程度は低かったとは決めつけられな
い。現代では残っていないが、古い時代の方がより一層高度な技術があったかも知れ
ないとも考えられるからである。
ここでは、採鉱や精錬に携わった丹生一族のルーツを、聖櫃伝説や徐福伝説に重ね
合わせて書いてみた。
事実として紀伊半島には徐福渡来の痕跡があり、その子孫と考えられる人たちの
ルーツが、秦姓のままで残っている。
西吉野には唐櫃(聖櫃)を埋めたと口伝が残る、櫃ヶ岳と呼ばれている山がある。
また、この吉野地方一帯には古代の海の残照が濃密に残っているのである。例をあげ
れば、吉野三山の山頂には、延喜式神名帳に登録された由緒がある神社が二社あって、
波比売神社、波宝神社と言い、いずれも海に所縁の「波」の字が入っている。
また同じく吉野の名神大社、大名持神社の神宮寺は大海寺であったというように、
ここにも海の字が入っている。これらも海から来た人々の名残ではないだろうか。
このように我が日本列島には、多くの人たちが渡来して来た歴史がある。
シルクロードを経由して、はるか遠くの西域から渡り来た人たちの物語を楽しんで
いただければ幸いに思う。
平成二九年十一月九日 丸谷いはほ
版元から一言
「我々丹生一族はいつの時代でもこの国のため、最もふさわしい盟主を立て、その政権を陰で支えてきた。このことは一族の役目としてこれから先も続けねばならぬ」・・・・・・
古代ヤマト、製鉄の技術を持った吉野・丹生一族は、その莫大な資金力を持って、次々に新政権を打ち立ててきた。当主だけに受け継がれる丹生一族と初代天皇家の秘密がついに明かされる壮大な歴史ロマン。
上記内容は本書刊行時のものです。