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韓国という鏡 緒方 義広(著/文) - 高文研
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韓国という鏡 (カンコクトイウカガミ)

社会一般
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発行:高文研
四六判
縦188mm 横130mm 厚さ17mm
重さ 255g
272ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-87498-835-0   COPY
ISBN 13
9784874988350   COPY
ISBN 10h
4-87498-835-0   COPY
ISBN 10
4874988350   COPY
出版者記号
87498   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年2月10日
書店発売日
登録日
2022年12月16日
最終更新日
2023年1月24日
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紹介

日本と韓国の関係は、1965年の「国交正常化」以降、最悪と言われている。
その葛藤・摩擦の背景にあるものはなにか?
著者は約19年間、韓国で暮らし、日韓関係・異文化理解を専門とする研究者である。
著者が最も危機感を覚えているのは、「韓国は反日国家である」といったような、いまの日本社会に蔓延している偏見・先入観である。
その日本社会の偏見・先入観について、著者は次のように述べている。

《日本では、「韓国は反日国家である」といった決めつけや、韓国は「無責任」だの「感情的」だといった、それこそ無責任で感情的な「韓国論」もどきのヘイトスピーチが書籍になっている。書籍だけでなくテレビには、日本の社会通念では理解しづらい韓国社会の様子を「反日」の一言で明瞭に解説したかのような顔をする「専門家」が登場しているのをよく見かける。日本を基準にすれば、外国である韓国の文化に違和感を覚えることがあるのは当然のことだ。しかし、それらをすべて「反日」の一言で片づけてしまうのは正しい理解とは言えない。少なくとも韓国社会を一括りにして「反日」と捉えてしまうことは、単なる異文化理解の放棄ではないだろうか。いまの日本社会には、「嫌韓」ではないという体面を保ちながらも、韓国社会の問題点を「反日」と決めつけ批判し蔑むような言説が氾濫し容認されている。そもそも韓国社会が「反日」に支配されているという問題意識自体が、偏った情報に基づく間違った解釈である》

《近年では韓国でも「嫌韓」という表現が随分と知れ渡っている。日本における「嫌韓ブーム」の異様さを韓国メディアが伝えるようになったからだ。韓国には「嫌日本」も「反日本」もほぼ見当たらない。日本を侮辱するような本が売れるような社会的風潮は、少なくともいまは市民権をほぼ失ったと言える。むしろ「『反日』は間違っている」と主張する『反日種族主義』(李栄薫ほか、2019年)などという本がベストセラーになるほどだ。この本は歴史学の専門家たちから歴史認識に大きな問題があるとされ、韓国社会では「問題の書」として話題になった。……日本に寛容な態度を示すことがむしろ広く受け入れられるような土壌もあるということが分かる》

著者は自らの韓国体験をベースに、韓国の人々の政治・経済に対する考え方、若い世代の価値観などを紹介しながら、日本社会の韓国理解の限界を超えるために本書を執筆した。

目次

韓国へのまなざし
 私にとっての韓国
 韓国留学
 日本における韓国理解への疑問
 韓国社会を知るために

Ⅰ 韓国という国の日常

 韓国社会にとっての日本
 排除と寛容の社会
 新しい価値観をめぐる葛藤


Ⅱ 韓国における歴史認識問題

 そもそも歴史認識問題とは
 「過去事清算」とは
 日本軍「慰安婦」の問題をめぐって
 六五年体制をめぐる葛藤


Ⅲ 苦悩する韓国社会

 国家への期待と失望
 経済発展した伝統社会のひずみ
 スペック競争社会の歪み


Ⅳ 韓国という国のかたち

 声を上げる社会
 デモという意思表示の方法
 民主主義のかたち
 国民の声は法に勝るのか
キャンドル・デモ以降の新たな葛藤


新しい日韓関係

著者プロフィール

緒方 義広  (オガタヨシヒロ)  (著/文

福岡大学人文学部東アジア地域言語学科准教授。1976年、神奈川県川崎市生まれ。明治学院大卒。政治学博士(延世大)。専門は日韓関係、現代韓国社会、在日朝鮮人をめぐる問題など。2022年まで約19年間韓国に居住、在韓日本大使館や弘益大、梨花女子大などに勤務。韓国KBS World Radio日本語放送「とっておき韓国ノート」に出演中。
主な論考に『韓国学ハンマダン』(共編著、岩波書店、2022年)、「6・25戦争と在日同胞参戦義勇兵──李承晩政府の認識と対応を中心に」(韓国語、『亜細亜研究』179号、2020年)など。韓国の日刊紙『亞洲経済』にはコラム「オガタの韓・日風景」を連載中。

上記内容は本書刊行時のものです。