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「講」研究の可能性Ⅳ
- 初版年月日
- 2020年5月
- 書店発売日
- 2020年5月15日
- 登録日
- 2020年4月22日
- 最終更新日
- 2020年4月24日
紹介
「『講』研究の可能性」と題するこの一連の論叢は、民俗学・宗教学・歴史学・社会学などの諸分野から「講」に関心を持つ気鋭の学徒を糾合し、「講」の学際的・総合的な追究をめざしたものである。第4輯目となる本書では、後半部で、「講」を特徴づける「つながり」の諸相を様々な切り口から論じた論考を特集している。
目次
叙文 長谷部八朗
編纂の経緯
各論攷の要旨
第一部論集篇
内藤莞爾による社会学的講研究 長谷部八朗
一 はじめに
二 内藤著「宗教講の問題」の構成と方法論」
三 「宗教講の問題」の「本論」部分における主要な論点
──講の宗教的意義と講の組織構成の両章をめぐって──
四 内藤「講」理論の依拠する「社会学的」分析視覚
五 おわりに
稲荷の祭りと稲荷講 牧野眞一
──とくに子供たちの講について──
はじめに
一 子供による稲荷講の事例
二 子供たちの稲荷講の分布と展開
三 大人と子供の講行事
四 その他の子供による民俗的な行事
五 子供の稲荷講の衰退
おわりに
秋葉講と近代神社制度 河村忠伸
序
一 秋葉敬神講
二 秋葉山の神仏判然
三 三社寺の体制
四 祠堂に関する制度
五 神社附属講社と教会講社
六 行政の対象外となった講社
七 秋葉信仰への影響
結
富士信仰諸派における講形態の諸相 大谷正幸
はじめに
中世までの富士信仰
角行系と富士山の「神」
富士信仰の講組織と運用の実際
富士信仰における講組織の類型
富士信仰の講組織が衰退した理由
おわりに
祭祀組織研究と地縁・血縁 鈴木昂太
──広島県備北地方の荒神名を再考する──
一 問題の所在
二 祭祀組織としての「ミョウ」をめぐる研究史の整理
三 荒神名の現在
四 備北地方の荒神信仰と土地所有
五 「地頭」「地主」と「名」との関係性
六 歴史資料に見る「荒神名」の動態
七 おわりに
第二部公開シンポジウム報告篇
第二回シンポジウム
「つながりを活かす人びと ──講研究の可能性──」趣旨及び総括 高木大祐
共有地を持つ講 西村敏也
──東京・群馬のオイヌサマ講を事例に
はじめに
一 「札の置場」の分類──共有地、公共性に注目して──
二 分類ごとの事例と事例から読み取れたこと
おわりに
在地の人びとをつなぐ代参講 小林奈央子
──小林奈央子
を事例に──
はじめに ──本稿の目的──
鷹羽講の概要
鷹羽講の組織
鷹羽講の活動を支えるほかの組織
まとめ
講組織縮小という選択 阿部友紀
──能代龍王講を事例に──
はじめに
能代市の変容と龍王講
現代の能代龍王講
代参と講組織
能代龍王講の変容
講組織縮小の課題
おわりに
近代における契約講の変化 岡山卓矢
──宮城県大崎耕土の事例から──
一 はじめに
二 上宿地区および六親講の概要
三 明治・大正期の六親講加入戸
四 地方改良運動と契約講
五 六親講が迎えた変化
六 おわりに
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。