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楽しい造形表現
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年12月25日
- 書店発売日
- 2018年12月25日
- 登録日
- 2019年12月3日
- 最終更新日
- 2023年3月15日
紹介
領域「表現」を主軸に、造形の特質を踏まえながら、子どもの造形的な表現をひきだす力を養います。オールカラー。
目次
第1章 子どもと造形
I 芸術と文化
1 西洋の美術
2 日本の美術
3 描く表現の起源
II 子どもの造形
1 子どもの言葉をきく
2 つくりたいからつくる、描きたいから描く
3 感じること、あらわすこと
4 あそびから生まれる造形
5 「いま」を生きている証
6 子どもの造形と芸術家の造形
III 造形教育の歴史
1 明治時代のはじめ
2 明治時代の中ごろ
3 明治時代のおわり
4 大正時代
5 昭和時代のはじめ
6 第二次世界大戦後
7 平成時代
IV 造形教育の動向
1 プロジェクト活動
2 ドキュメンテーション
3 海外の造形教育
第2章 幼児期の造形表現
I 造形表現の意義や目的
1 表現する意欲
2 豊かな感性と表現
3 イメージの形象化
4 自己表現の場
II 子どもの発達と造形表現
1 発達の個人差
2 発達の理解
3 乳幼児の育ちと表現
III 描く表現の発達
1 ヴィクター・ローウェンフェルドの美術教育
2 発達過程にそった描く表現
IV つくる表現の発達
1 ジャン・ピアジェの思考の発達段階
2 発達過程にそったつくる表現
V 保育者の役割
1 用具や素材について
2 作品について
3 描かない、つくらない
4 のびのび描く、のびのびつくる
第3章 新しい保育内容
I 三つの法令の成立
II 三つの法令
1 幼稚園教育要領
2 保育所保育指針
3 幼保連携型認定こども園教育・保育要領
III 保育内容と領域「表現」
1 保育内容
2 領域「表現」
3 3歳未満児の保育の充実
IV 小学校教育への接続
第4章 造形表現の指導と援助
I 環境が育む表現
1 子どもの主体的な活動
2 造形表現における環境
3 体験の充実
4 保育者による環境構成
II 指導計画の作成
1 指導計画の分類
2 子どもの主体性と指導・援助の計画性
3 子どもの発達を理解する
4 「幼児教育において育みたい資質・能力」を見据えた指導計画
5 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と領域「表現」をふまえた指導計画
6 ねらい
7 内容
8 内容の取扱い
9 環境構成
10 保育者の指導・援助の留意点
11 指導計画の実際
III 評価と指導計画の改善
1 評価の考え方
2 PDCA サイクル
3 保育者の資質の向上
第5章 あそびと造形表現
I 技法あそび
1 フィンガーペインティング
2 スタンピング
3 ドリッピング
4 バチック
5 デカルコマニー
6 糸ひき絵
7 スパッタリング
8 ステンシル
9 フロッタージュ
10 スクラッチ
11 にじみ絵
12 マーブリング
13 紙版画
14 コラージュ
II 素材あそび
1 えのぐ(絵の具)
2 ねんど(粘土)
3 かみ(紙)
4 自然の素材
5 身近な素材
第6章 実践-表現を育む造形活動
I 五感を働かせる活動
1 みる
2 きく
3 におう
4 さわる
5 あじわう
II 自然の中での活動
1 土とあそぶ
2 水とあそぶ
3 光とあそぶ
4 風とあそぶ
III 絵本から広がる活動
IV 季節や行事に関わる活動
V 共同制作における活動
第7章 保育の教材と活用法
I 「ことば」を楽しむ
II 「え」を楽しむ
III 「うごき」を楽しむ
第8章 保育者の知識
I 色彩の効果
1 色の三要素
2 色の三原色と光の三原色
3 色の対比
4 色と絵本
II 材料と用具
1 描画材
2 紙
3 用具
III 作品の展示
1 日ごろの作品展示
2 そのほかの作品展示
3 新しい作品展示
IV 情報機器の活用
1 保育現場の現状
2 情報機器を活用した教材
3 情報機器の活用に対する留意点
V 博物館・美術館の利用
1 美術館
2 博物館の役割
前書きなど
子どもの生活はあそびであると同時に、様々な「表現」で満ちあふれています。そして、子どもは、あそびの中でみたり、きいたり、におったり、さわったり、あじわったりしながら五感を磨いていきます。また、様々な素材にふれながら描いたり、つくったりすることを楽しみます。
子どもの造形表現は、「幼稚園教育要領」、「保育所保育指針」、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」にある保育内容5領域「健康・人間関係・環境・言葉・表現」のひとつで、領域「表現」を主軸に保育の中で展開されます。
平成 29 年3月 31 日に「幼稚園教育要領」、「保育所保育指針」、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」が同時改訂・告示され、平成 30 年4月1日に施行されました。この改訂の特徴は、三つの施設における幼児教育の共通性が明確になったことです。このことにより、3歳以上の子どもは、どの施設へ通おうと同じ幼児教育を学ぶことになりました。
改訂された幼稚園教育要領の領域「表現」の「内容の取扱い」には、「(1)- 中略 -、その際、風の音や雨の音、身近にある草や花の形や色など自然の中にある音、形、色などに気付くようにすること。」、「(3)- 中略 -、様々な素材や表現の仕方に親しんだり、
- 後略 -。」という言葉が加えられました。
子どもの感性は、周りの環境の中で美しいもの、優れたもの、心動かす出来ごとに出会い、そこから得た感動体験を表現することによって育まれます。そして、保育者は子どもの表現したいという気持ちを受け止め、あそびを通して総合的な援助・指導を行います。また、子どもを取り巻く社会の変化により、保育者には高い専門性が求められています。
これから始まる授業を通して保育者を目指す皆さんには、保育者の役割や子どもへの援助・指導についてしっかり学んでいただきたいと思っています。そして、造形の特質をふまえながら、子どもの造形的な表現を引きだす力を養っていただきたいと思っています。また、保育現場や教育現場で活躍されている皆さんには、ぜひ目を通していただき、現場で活用され、お役に立てれば幸甚です。
尚、本書では、幼稚園教育要領に使われている「教師」、保育所保育指針に使われている「保育士等」、幼保連携型認定こども園教育・保育要領で使われている「保育教諭等」という言葉を、「免許」や「資格」の名称として用いるのではなく、総称として「保育者」と表記しています。
本書を作成するにあたり、公立・私立の幼稚園・保育所 6 園にご協力いただきました。
上記内容は本書刊行時のものです。