書店員向け情報 HELP
第二言語習得研究の科学2 言語の指導
- 初版年月日
- 2023年3月30日
- 書店発売日
- 2023年3月24日
- 登録日
- 2023年2月24日
- 最終更新日
- 2023年3月17日
紹介
第二言語習得研究では、学習者に何らかの指導が与えられたことにより、どのような要素がなぜ身についたのか、またはなぜ身につかないのかを明らかにすることを目的する。この「なぜ」を解明するために仮説を検証していく。
■「まえがき」より
本巻は9章で構成されているが、大きく2つのパートにわけることができる。前半の第1章から第4章までは、音や語彙、構文などに含まれる特定の要素に対する暗示的・明示的な指導の効果について検証している。明示的な指導とは、文法規則や音の違いなどを直接的に教えることであり、第3章で扱っている誤りを訂正するということも明示的な指導に含まれる。一方、暗示的な指導とは、特定の言語項目について意識的に教えるのではなく、学習者が言語に触れることによりある要素が副産物的に身につくことを意味する。
後半の第5章から第9章では、様々な指導法を紹介し、その将来性について議論している。第4章までのように指導の効果について仮説検証が行われているわけではないため、提案されている指導法を使って実際に指導を行い、特定の要素に関して筆者が予想している通りの効果が得られるのか、今後の研究の進展が待たれる。
■「シリーズまえがき」(第1巻)より
本シリーズの各章は、大学で言語習得・言語指導・言語学を学ぶ学部生および大学院生を念頭に置いて書かれている。外国語を勉強中の方や教えていらっしゃる学校現場の先生方にも、これらの研究の魅力に触れていただけることを願って編集した。また各章の章末に、著者からの「外国語教育にかかわる人が知っておくべきポイント」「執筆者から読者へのメッセージ」を掲載した。こちらもぜひ参考にしていただきたい。
■編者
大瀧綾乃(静岡大学)
須田孝司(静岡県立大学)
横田秀樹(静岡文化芸術大学)
若林茂則(中央大学)
■執筆者一覧
杉浦香織(立命館大学)
田村知子(愛知教育大学)
大瀧綾乃(静岡大学)
中川右也(三重大学)
箱﨑雄子(大阪教育大学)
吉田龍弘(焼津市立大井川中学校)
白畑知彦(静岡大学)
今井隆夫(南山大学)
大山 廉(茨城大学)
澤﨑宏一(静岡県立大学)
森 千加香(ノースカロライナ大学シャーロット校)
目次
1 英語音声の暗示的学習―リズム音がもたらす効果―
杉浦香織
2 派生接辞の習得とその指導―日本語を母語とする英語学習者の場合―
田村知子
3 他動詞と自動詞の区別と明示的指導―非対格動詞の場合―
大瀧綾乃
4 不定詞・動名詞選択の明示的指導―動詞補部に焦点を当てて―
中川右也
5 小学校英語教育における音声指導―語強勢指導の重要性―
箱﨑雄子
6 英語の授業における表現欲求時指導法―中学校での明示的指導―
吉田龍弘・白畑知彦
7 日英語対象に基づく英語学習法 ―代名詞・「思う」・文化変形規則―
今井隆夫
8 学習者の情意と英語の指導法―理論から指導へ―
大山 廉
9 英語学習者と日本語学習者によるCOIL活動―日米間協働学習の効果―
澤﨑宏一・森千加香
上記内容は本書刊行時のものです。