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ミステリードラマの日本語 泉子・K・メイナード(著/文) - くろしお出版
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ミステリードラマの日本語 (ミステリードラマノニホンゴ) 発話と記号の演出を探る

語学・辞事典
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A5判
448ページ
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-87424-925-3   COPY
ISBN 13
9784874249253   COPY
ISBN 10h
4-87424-925-6   COPY
ISBN 10
4874249256   COPY
出版者記号
87424   COPY
Cコード
C3081  
3:専門 0:単行本 81:日本語
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年4月1日
書店発売日
登録日
2023年2月24日
最終更新日
2023年2月24日
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紹介

談話分析の第一人者である著者が、2010年以降に放映されたミステリードラマ25作品253話分の会話を詳細に分析し、ドラマ制作者の想像的で複雑な演出のプロセスを、言語学、会話・談話分析、記号論の視点から明らかにする。

■「まえがき」より
筆者は本書で、ポピュラーカルチャーのひとつであるミステリードラマをデータに、その演出のために使われる発話と記号を分析・考察する。アニメ、マンガ、ライトノベル、ゲーム、テレビドラマ、歌謡曲、J-POPなど、日本のポピュラーカルチャーの作品は、日本語の発話と記号を駆使することで生まれる。いわゆるソフトパワーの一部として、商品化される娯楽・芸術作品群は、国内のみならず、アジア圏をはじめとして海外でも広く消費されている。多くの作品はインターネットや市販のDVDを通して、世界中どこからでもアクセスでき、日本の言語文化は、内外のポストモダン文化のうねりを生み出している。このような膨大な消費文化を形成する日本語は、その演出の過程でどのような姿を見せるのか。どのような操作を通して表現されるのか。表現者はどのような効果を狙って日本語に工夫を凝らすのか。本書では、大衆的な娯楽・芸術作品としての日本語、消費する商品としての日本語のコミュニケーションの実情を、ミステリードラマというジャンルに焦点を当てて考察していく。具体的に分析の対象とするのは、巻末のデータリストに示すように、探偵ドラマや刑事・警察ドラマなどを中心とする連続・継続ドラマシリーズで、2010年以降にテレビ放送されたドラマのDVD、25作品(253話分)とする。

目次

第1部 背景とアプローチ
第1章 ミステリードラマとメディア現象
1. テレビドラマのディスコース
2. ミステリー作品の世界
3. ミステリードラマ研究の意義

第2章 アプローチ:発話と記号の考察
1. 先行研究
2. 本研究の枠組み
3. 使用データ
4. 本書の構成

第2部 発話:逸脱性と創造性の演出
第3章 会話:ルールに違反する
1. はじめに:ルール違反の意味
2. 隣接応答ペアに違反する行為
3. 発話行為に関する違反
4. 発話の境界と交渉
5. 乗っ取り発話と共話
6. おわりに

第4章 引用:言う行為に注目する
1. はじめに:声の操作と引用の記号化
2. 直接話法の演出とキャラ発動
3. モノローグの種類とシフト
4. 心内会話
5. 言う行為の記号化
6. 決め台詞と発想・発話態度
7. おわりに

第5章 キャラクター・スピーク:バリエーションで遊ぶ
1. はじめに:キャラクター現象
2. 方言によるキャラクター設定
3. バリエーションの利用とキャラクター
4. 世代差・時代差とキャラクター・スピーク
5. 職業とキャラクター設定
6. おわりに

第6章 キャラクター・スピーク:スタイルで揺れ動く態度を示す
1. はじめに:キャラクター・スピークと感情
2. スタイルとそのシフト
3. ミステリードラマのスタイルとキャラクター
4. 特殊キャラクターの演出:『時効警察はじめました』の場合
5. おわりに

第7章 キャラクター・スピーク:アイデンティティを操作する
1. はじめに:アイデンティティから自己の多元化へ
2. キャラクターとアイデンティティの間
3. ジェンダーに関わるアイデンティティ
4. 登場人物のイメージとキャラクターの演出
5. 外国語と日本語にまつわるキャラとキャラクター
6. 偽装されるアイデンティティ
7. おわりに

第3部 記号:多様性と娯楽性の演出
第8章 人称と呼称:自分と相手の関係を操作する
1. はじめに:人称と呼称の多様性
2. 一人称表現
3. 二人称表現
4. 呼称
5. ニックネーム
6. おわりに

第9章 レトリック:笑いを誘う
1. はじめに:笑いの演出とキャラクター
2. 娯楽としてのシャレ
3. シャレの応用と演出
4. ツッコミとキャラクター
5. ジャンル:異なる世界との呼応
6. おわりに

第10章 文字テロップ:情報と情意を付け加える
1. はじめに:文字テロップの定義と演出
2. マルチモダリティ現象としての文字テロップ
3. 文字テロップ現象
4. ミステリードラマのビジュアル記号と文字テロップ
5. 文字テロップの演出:『未解決の女』の場合
6. おわりに

第4部 ミステリードラマの日本語
第11章 まとめと展望
1. ミステリードラマにおける発話と記号
2. ミステリードラマの日本語
3. 日本語教育とポピュラーカルチャー
4. おわりに

著者プロフィール

泉子・K・メイナード  (センコ ケイ メイナード)  (著/文

泉子・K・メイナード(Senko K. Maynard)

山梨県出身。AFS(アメリカン・フィールド・サービス)で米国に留学。甲府第一高等学校およびアイオワ州コーニング・ハイスクール卒業。東京外国語大学卒業後、再度渡米。1978年イリノイ大学シカゴ校より言語学修士号を、1980年ノースウェスタン大学より理論言語学博士号を取得。その後、ハワイ大学、コネチカット・カレッジ、ハーバード大学、プリンストン大学で教鞭をとる。現在、ニュージャージー州立ラトガース大学栄誉教授(Distinguished Professor of Japanese Language and Linguistics)。会話分析、談話分析、感情と言語理論、語用論、マルチジャンル分析、創造と言語論、ポピュラーカルチャー言語文化論、言語哲学、翻訳論、日本語教育などの分野において、日本語・英語による論文、著書多数。

上記内容は本書刊行時のものです。