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「させていただく」大研究 椎名 美智(編集) - くろしお出版
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「させていただく」大研究 (サセテイタダクダイケンキュウ)

語学・辞事典
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A5判
332ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-87424-924-6   COPY
ISBN 13
9784874249246   COPY
ISBN 10h
4-87424-924-8   COPY
ISBN 10
4874249248   COPY
出版者記号
87424   COPY
Cコード
C3081  
3:専門 0:単行本 81:日本語
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年12月24日
書店発売日
登録日
2022年11月29日
最終更新日
2022年11月29日
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紹介

なぜ皆、こんなにも「させていただいて」いるのか? 敬意不足が気になってつい使ってしまう現代人に贈る論文集。時空を旅し、辞書から漫才、食べログ、歌詞など探索し、「一人勝ち」の原動力を考えながらその正体に迫る。

■「はじめに」より
授受動詞には「やる・あげる・さしあげる」「もらう・いただく」「くれる・くださる」という3系列7動詞があり、本動詞としてだけでなく、他の動詞の後ろにつく補助動詞としても使われている。本書は、補助動詞として使われている授受動詞、特に「させていただく」に焦点を当てて、さまざまな分野の言語学者が各自の専門の視点から分析した論考を集めた論文集である。
(中略)
本書の特徴は、普段なら同じプラットホームで議論を交わすことのない異なる専門領域の言語学者たちが集結し、もっぱらモラウ系ベネファクティブ「させていただく」について論じた点にある。これほどバラエティに富んだ専門分野の研究者が一堂に会し、同一テーマを論じたことがこれまであっただろうか。執筆者の方々には、「させていただく」研究の決定版を目指した『「させていただく」大研究(仮)』への執筆を依頼した。今、その(仮)を取って、本書のタイトルとして掲げたい。(ただし、「させていただく」があまり使われていない時代や分野の分析を専門とする方には、「ていただく」を論じてもらっている。)

■編者・執筆者
編者
椎名 美智(しいな みち)
お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学、ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph.D)、放送大学大学院博士課程修了(博士(学術)) 
現在、法政大学文学部教授
専門は歴史語用論、コミュニケーション論

滝浦 真人(たきうら まさと)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、博士(文学)(北海道大学)
現在、放送大学教授
専門は言語学、語用論、イン/ポライトネス論

執筆者
飯間 浩明(いいま ひろあき) 国語辞典編纂者、『三省堂国語辞典』編集委員
井上 史雄(いのうえ ふみお) 東京外国語大学・明海大学 名誉教授
荻野 千砂子(おぎの ちさこ) 福岡教育大学教育学部 准教授
日高 水穂(ひだか みずほ) 関西大学文学部 教授 
塩田 雄大(しおだ たけひろ) NHK放送文化研究所 主任研究員
山田 敏弘(やまだ としひろ) 岐阜大学教育学部 教授

目次

はじめに―「させていただく」を多角的に眺めてわかったこと―
椎名美智

第I部
特別寄稿:「させていただく」は敬語体系の欠陥を補う
飯間浩明

幻の講演を再現:敬語の歴史社会言語学―関西起源のテイタダク―
コラム 標準語の鍾乳洞モデルとテイタダク
井上史雄

第II部
第1章 敬意漸減―すり減って止まない敬意が引き起こすこと―
コラム 心優しい日本人?
滝浦真人

第2章 テモラウの依頼用法―テイタダク成立への契機―
コラム 琉球語には「~ていただく」形式がない!?
荻野千砂子

第3章 漫才談話の結末句の機能と変遷―「やめさしてもらうわ」をめぐって―
コラム 「これをあなたにもらってもらいましょう」─「あげましょう」にあたる申し出表現─
日高水穂 

第4章 「させていただく」の地域差は、どういう地域差なのか―世論調査と「食べログ」調査にみる―
コラム 似てるからって油断するなよ─日本語「差し上げる」と韓国語「トゥリダ」─
塩田雄大

第5章 参与者追跡の観点から見た「させてもらう」の機能
コラム うっせぇ うっせぇ うっせぇわ 書かれているよりも健全です!
山田敏弘

第6章 「させていただく」はなぜ一人勝ちしたか?─ベネファクティブの変遷に見る敬意漸減プロセス─
付録 『「させていただく」大研究』までの足跡
滝浦真人・椎名美智
コラム 「させていただく」のこれから─「美化語」を目指す敬語たち─
コラム 「みなさまが~ていただく」? 「みなさまに~ていただく」?─助詞のシフトで、何が変わるのか?─
椎名美智

執筆者紹介
あとがき

著者プロフィール

椎名 美智  (シイナ ミチ)  (編集

椎名 美智(しいな みち)
お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学、ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph.D)、放送大学大学院博士課程修了(博士(学術)) 
現在、法政大学文学部教授
専門は歴史語用論、コミュニケーション論
主な著書:
『歴史語用論入門―過去のコミュニケーションを復元する―』(共編著)大修館書店、2011年
『「させていただく」の語用論―人はなぜ使いたくなるのか―』ひつじ書房、2021年
『「させていただく」の使い方―日本語と敬語のゆくえ―』角川新書、2022年
など

滝浦 真人  (タキウラ マサト)  (編集

滝浦 真人(たきうら まさと)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、博士(文学)(北海道大学)
現在、放送大学教授
専門は言語学、語用論、イン/ポライトネス論
主な著書:
『日本の敬語論―ポライトネス理論からの再検討―』大修館書店、2005年
『ポライトネス入門』研究社、2008年
『日本語は親しさを伝えられるか』岩波書店、2013年
など

上記内容は本書刊行時のものです。