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現代日本語疑問文の研究
- 初版年月日
- 2020年2月27日
- 書店発売日
- 2020年3月12日
- 登録日
- 2020年2月15日
- 最終更新日
- 2020年2月21日
紹介
本書は、日本語疑問文の典型的な姿である質問文を対象に、いくつかの文型の文法的な構造を明らかにし、文法構造がどのように疑問文の内容面と言語行為面をむすびつけているかを論じることを目的とする。また、本書の記述や分析を通して、統語的な観点で規定することのできない現代日本語の疑問文をどのように規定すべきかという問題について、日本語の実態に即した提案を行うことを目指す。その際、これまで現代日本語の文法論であまり意識されることのなかった「文の意味とも機能とも言いがたい、一種のニュアンスのような話し手の物腰」と「現代より古い時代の疑問文の様相を確認する史的観点」の2点について、必要に応じて言及しつつ進める。
目次
序章
1. 文の種類としての疑問文
2. 疑問表現研究の限界
3. 本書の立場
4. 本書の目的
5. 本書の構成
6. 本書の特徴
第1章 疑問文・疑問表現研究史
1. 本章の目的・構成
2. 原理的研究
3. 構成要素研究
4. 文型の研究
5. 今後の課題
第2章 疑問文の分類
1. 相手に答えを求める表現
2. 先行研究
3. 本章の目的・方法・構成
4. 言語的反応の観点による疑問文の分類
5. 各タイプの疑問文の文型
6. 言語的反応を期待する非疑問文
7. 疑問文規定の二段階性
第3章 ノ有り疑問文の構造
1. 解答要求疑問文における「ノ」の有無
2. 本章の目的・対象・構成
3. Yes/Noノ有り疑問文の表現の色合い
4. Yes/Noノ有り疑問文の一般構造
5. Yes/Noノ有り疑問文の運用
6. 平叙ノダ文との関係
7. 承認抑止述法
8. 連体形終止と疑問文の「ノ」
第4章 ノ無し疑問文と代弁的質問
1. ノ有り疑問文とノ無し疑問文の使い分け
2. 先行研究
3. 本章の目的・構成・調査対象
4. 調査結果
5. ノ無し疑問文が好んで用いられる質問
6. ノ無し疑問文による代弁性の維持
7. 本章の見方の有効性
第5章 Wh疑問文における「ノ」の有無
1. Wh疑問文と「ノ」の有無
2. 本章の目的・方法・構成
3. 調査結果
4. (α)ノ有り疑問文の方が安定するケース
5. (β)ノ無し疑問文の方が自然なケース
6. (γ)どちらも使えるが意味が異なるケース
7. 解答要求疑問文の構造
第6章 シヨウカ疑問文の異質性
1. 疑問文の文末「カ」
2. 本章の目的・構成
3. 非疑問の文末「カ」の文
4. シヨウカ疑問文の異質性
5. シヨウカ疑問文の運用
6. 疑いと問いの関係
第7章 シヨウカ疑問文の近代語性
1. 応諾反応要求疑問文の文型
2. 本章の目的・構成
3. 中古語の意志形述語疑問文
4. 中世末期の意志形述語疑問文
5. シヨウカ疑問文の近代語性
終章
1. 本書の内容
2. 現代日本語の疑問文規定
3. 展望と課題
附章 疑問文と終助詞
1. 疑問文に付加する終助詞
2. 本章の目的・方法・構成
3. 終助詞付加の可否
4. 終助詞付加による表現機能の変化
5. 終助詞付加に見る疑問文の異質性
6. まとめ
初 出
あとがき
出典・調査資料
参考文献
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。