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薬食同源を実装する園芸作物ビジネスの新産業化 後藤一寿(編著) - 大阪大学出版会
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薬食同源を実装する園芸作物ビジネスの新産業化 (ヤクショクドウゲンヲジッソウスルエンゲイビジネスノシンサンギョウカ) 柿、桃、シャクヤク、サフランを活用して (カキモモシャクヤクサフランヲカツヨウシテ)

社会科学
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B5判
82ページ
並製
定価 2,500 円+税   2,750 円(税込)
ISBN
978-4-87259-806-3   COPY
ISBN 13
9784872598063   COPY
ISBN 10h
4-87259-806-7   COPY
ISBN 10
4872598067   COPY
出版者記号
87259   COPY
Cコード
C1045  
1:教養 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年10月1日
書店発売日
登録日
2024年8月2日
最終更新日
2025年2月10日
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紹介

高付加価値農業を実現する新たな農資源として、薬用作物の栽培・活用に注目が集まっている。薬用作物は日本薬局方の規定に合致する必要があり、薬価も規定されているため、決して高価格で取引されている状況ではない。過去に栽培されていた薬食同源の園芸作物や未利用作物などを新たな農資源として探索し、農業利用と薬用利用の可能性を見出すことで、持続的かつ高収益型の農業生産を実現できる可能性があるが、薬用作物の研究は薬学分野が中心であり、農学分野の知見は極めて少ない。
そこで、本書では、史的研究、医薬学、農学、食品科学、農業経済学の専門家による異分野融合研究チームが、特産園芸作物の探索、生産から加工・販売を通じて消費者に至るまでのバリューチェーンに応じた研究課題について、果樹・シャクヤク・サフランなどの特産園芸作物の高付加価値化を目指した総合利用技術開発、薬用作物を活用した異分野連携アグリビジネスを提案し、薬用作物活用による新たな産業創出の可能性を提案する。

カラー口絵8頁

目次

はじめに

第1 章 植物多様性が支える産業資源植物
1.植物産業と資源植物学〔髙橋・御影〕
産業資源植物のカテゴリー(区分)/有用植物の野生採取と農業/植物素材の多様性と再生産性の維持/資源植物インベントリーと植物素材の重要性
2.薬食同源の世界〔髙橋〕
食文化と薬膳/漢方における薬と食の捉え方/食物の効用と薬膳の基本/医薬品としての生薬/総合医療における生薬製剤の意義
3.国内の生薬市場規模と国内シェア〔後藤・髙橋〕
4.全国消費者アンケートの結果〔上西・後藤〕
調査の概要/漢方利用の状況/漢方薬の利用方法に対する意識/漢方薬に関する意識/漢方生薬の利用意向/まとめ

第2 章 地域文化力と薬草栽培:特産園芸作物
1.文化的財産である生薬(生薬遺産):種苗を守り続ける〔髙橋・髙浦・後藤〕
森野旧薬園と大和芍薬のルーツ
2.サフラン:竹田式サフラン栽培の伝統〔髙橋・髙浦・後藤〕
サフラン栽培法記述の歴史検証/竹田式栽培法の利点/大分県竹田市サフラン栽培の歴史検証
3.機能性素材としての薬用植物・作物〔後藤・上西・髙橋〕
農業生産者のニーズ

第3 章 薬用作物の栽培・生産研究:生薬の国産化を志向して〔御影〕
1.漢方生薬の国産化 麻黄/威霊仙
2.能登半島の海岸沿い砂地における薬草栽培の試み
3.野生資源の利用
4.今後の展望

第4 章 篤農技術の収集とマニュアル化
1.竹田式サフランの室内栽培〔髙浦・髙橋・後藤・上西〕
伝統的栽培環境:聞き取り記録から
2.映像技術を用いた篤農技術継承への挑戦〔後藤・髙橋・髙浦・御影〕
篤農技術とは/ウェアラブルカメラの活用による知の映像化/ウェアラブルカメラによる茯苓突き
の映像化
3.生薬修治の伝統技術〔髙浦・髙橋〕
シャクヤクの修治(加工)環境の可視化

第5 章 未利用部位を含めた多角的利用技術の開発
1.吃逆治療薬・柿蒂の国産化とブランド性の強化〔髙浦・髙橋〕
柿蒂とは/柿蒂の基原と形態/国産柿蒂での検討:品種選定/がく片存在の意義:蒂座とがく片の成分比較/柿蒂研究の現況/柿蒂研究の将来展望
2.桃仁の潜在的資源探査:育種シーズの可能性〔髙橋・髙浦〕
畿内在来種及び食用栽培品種の特性/本草・歴史考証に基づく生薬桃仁/性状規格の通説「食用品種の種子は扁平で薬用不適」に挑む/品質管理(安全性/均一性/有用性)とブランド性の強化
3.香気成分分析の最前線・サフラン〔妙田・髙浦・髙橋〕
サフランの香り/香りを分析するには?/サフランの香り?/サフラン花弁の香り?/香気分析の今とこれから

第6 章 薬用作物栽培における園芸療法利用と生産支援
1.国産生薬原料の生産・流通の課題〔後藤・井形〕
2.障がい者の支援と生薬原料生産:農業生産法人ポニーの里ファームの事例〔井形・髙橋〕
奈良における生薬生産/ポニーの里ファーム/ 薬用作物への取り組み/事例からみえる成功要因と課題
3.オランダのケアファームの実態と薬用作物栽培への応用の可能性〔後藤・井形〕
欧州で広がるケアファーミングという考え方/ケアファーム発展の歴史/ケアファームのコアバリュー
と活動概要/ケアファームの種類/ケアファームの事例/ケアファームの日本への応用

第7 章 特産農産物のアグリビジネス開発〔後藤〕
1.園芸作物アグリビジネスの課題と基本的な考え方
2.園芸作物ビジネスモデルの作成手順
3.新規特産園芸作物に取り組む際の検討事項
4.園芸作物の多角的利用技術
5.園芸作物栽培がもたらす地域効果
6.共創的連携コンソーシアムの展開
7.総括

付録 家庭で簡単にできるサフラン料理〔大久保〕
サフランクラムチャウダー/サフラン豚しゃぶポトフ/サフランエスカベッシュ(南蛮漬け風)/
鶏モモ肉のサフランクリーム煮/シーフードのソテーとサフランライス、酸味を加えたサフランソース/サフランマドレーヌ/かぼすサフランゼリー

参考文献 ・おわりに・執筆者紹介

著者プロフィール

後藤一寿  (ゴトウカズヒサ)  (編著

1976年大分県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科農業経済学専攻博士後期課程修了。博士(農業経済学)。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)に採用され、オランダワーヘニンゲン大学客員研究員、欧州拠点研究管理役などを経て、現在は本部NARO 開発戦略センター副センター長、北海道文教大学客員教授、東京農業大学客員教授。専門は農業経済学・マーケティングサイエンス。新品種や薬用作物の産業化、国際共同研究の立案などを進めている。代表作として『新品種で拓く地域農業の未来』(2014年刊行 農林統計出版)など。

髙橋京子  (タカハシキョウコ)  (編著

1955 年香川県生まれ、1977 年富山大学薬学部卒業。薬剤師、薬学博士。
大阪大学医学部附属病院薬剤部、神戸学院大学薬学部、USAカンサス大学薬学部、富山大学和漢医薬学総合研究所、大阪大学総合学術博物館資料基礎研究系(兼)同大学院薬学研究科准教授を経て、2020年定年退職。現在、大阪大学総合学術博物館・適塾記念センター招へい教授、国史跡森野旧薬園顧問相談役、日本漢方生薬ソムリエ協会理事を兼担。専門は漢方薬学、薬用資源学、文化財科学。近著に『緒方洪庵の薬箱研究:マテリアルサイエンスで見る東西融合医療』(2020 年刊行、大阪大学出版会)他、原著論文・著書多数。

井形雅代  (イガタマサヨ)  (

1964年北海道生まれ。東京農業大学農学部農業経済学科卒業。
東京農業大学農学部農業経済学科に採用され、2004~2005年オランダワーヘニンゲン大学客
員研究員、現在は国際食料情報学部アグリビジネス学科准教授。専門は農業経営学。主な著作は農業・食品産業のトップランナーとして活躍する東京農業大学の卒業生を取り上げた『バイオビジネス』シリーズなど。

上西良廣  (ウエニシヨシヒロ)  (

1989年大阪府生まれ。博士(農学)(京都大学)。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)研究員を経て、現在は九州大学大学院農学研究院助教。専門は農業経営学、農業経済学。単著に『持続可能な農業に向けた農法普及― 「生きものブランド米」の技術と導入行動― 』(農林統計出版、2022)。

大久保智尚  (オオクボトモナリ)  (

1977年大分県生まれ。
福岡県福岡市中村調理専門学校卒業後、福岡ソラリア西鉄ホテル・東京、溜池山王 フランス料理「ビストロ・ボンファム」勤務ののち渡仏。フランス、パリ、ブルターニュ、リモージュ星付きレストランやビストロ勤務。東京 銀座「Le 6 eme Sens」フランス ブルゴーニュ、サンス レストラン「MIYABI」レストラン「La Madeleine」グルノーブル「Le Fantin Latour」サンジュリアンデソワ「Les Bon Enfants」を経て現在Tomo Clover
大久保食堂オーナーシェフ。竹田サフランの魅力を引き出し、フレンチの世界で世界に発信するサフランの伝道師的存在。サフランやカボスなど地域食材の創作メニューを多数考案。https://www.tomoclover.com/

髙浦佳代子  (タカウラカヨコ)  (

1985年大阪府生まれ。大阪大学大学院薬学研究科応用医療薬科学専攻博士後期課程修了。博士(薬学)。
大阪大学総合学術博物館(兼)大学院薬学研究科特任助教を経て、現在は近畿大学薬学部講師。専門は生薬学、伝統医薬学、薬史学。主な著作は緒方洪庵全集『第五巻 書状(その二) その他文書(附)適塾姓名録』(大阪大学出版会、2022年)、同『第三巻(上) 和歌 書 著作(その二)』(大阪大学出版会、2023 年)(いずれも分担執筆)など。"

御影雅幸  (ミカゲマサユキ)  (

1948年大阪府生まれ。近畿大学薬学部卒、富山大学大学院薬学研究科修了。薬剤師。薬学博士(富山医科薬科大学)。
富山医科薬科大学和漢薬研究所助手、金沢大学薬学部助教授、同教授、同大学院自然科学研究科教授(平成26 年定年退職)、東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授、同生物資源開発学科教授(2022年退職)を歴任。金沢大学名誉教授。専門は生薬学、薬用植物学。国内外で野外調査を行な
い、近年は生薬の国産化に尽力。学術論文・教科書等著書多数。和漢医薬学会賞(平成26年)。現在、薬用植物栽培研究会会長、日本漢方生薬ソムリエ協会理事長、国産生薬生産普及協会会長、高知県立牧野植物園評議員、富山県中央植物園友の会会長。

妙田貴生  (ミョウダタカオ)  (

1974年広島県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科農学専攻博士後期課程修了。博士(農学)。
東京農業大学生物産業学部食品科学科に採用され、ドイツ食品化学研究センター客員研究員を経て、現在は東京農業大学生物産業学物食香粧化学科学科長、教授。専門は香料化学。精油化学や食品のフレーバーに関する論文多数。

上記内容は本書刊行時のものです。