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大橋誠を求めて
「千葉大腸チフス事件」の冤罪を告発した疫学者
- 書店発売日
- 2018年9月1日
- 登録日
- 2018年8月28日
- 最終更新日
- 2018年8月28日
紹介
今から50年以上前に起きた「千葉大腸チフス事件」。チフス菌をばらまき集団感染を引き起こしたとして、当時の大学病院の勤務医が犯人として逮捕され、多くの科学的な矛盾や疑問があったにもかかわらず、最後は自白(相変わらずの密室での)を根拠に有罪が確定し、長期刑に服した。しかし、彼はまぎれもなく冤罪で、厚生省(当時)と大学とマスメディアの無責任体制のスケープゴートにされただけ。その強固なトライアングルに敢然と立ち向かった一人の公務員疫学者の姿を、本人の遺著や娘の手記、当時の資料などをもとに改めてたどり直す。
目次
はじめに…………飯田佐和子
Ⅰ 冤罪「千葉大学腸チフス事件」
藪の中…………東京都立衛生研究所元所長 大橋 誠
〈参考〉一審判決後の新聞記事から 無罪支えた細菌学コンビ―千葉大チフス事件
千葉大腸チフス事件の教えるもの…………大橋 誠
再び検察の虚構を論破する―結審の千葉大チフス菌事件…………大橋 誠
大橋誠へのインタビュー 腸チフス流行を隠す歪んだ努力の数々……[聞き手]元朝日新聞記者 大熊一夫
Ⅱ 感染症予防研究者として、人として(『広い窓』大橋誠著より)
はじめに
[随 筆]痛みについて/悪性腫瘍の疑い/迷い/広い窓/出会い/於岩稲荷/含羞庵先生喜寿祝賀会/じろ飴/抱きしめてこそ/友の訃報/青き日々/目黒の思い出/骨壺/母よ
[仕 事]庁舎改築計画と研究調整会議/見果てぬ夢/コレラの研究/腸チフスを追う
[国際交流]最後の国際活動/舞踏会の手帳/アセアンの友人たち/真紅のベコニア/サンパギータ/レマン湖有情
おわりに
Ⅲ 素のままの大橋誠(『大きな重い枕』飯田佐和子著より)
[病]病/『広い窓』/サイン/初孫/父の死/骨壺/別れ
[『広い窓』その後]『広い窓』その後/三冊の黒いノート/徳川吉宗/名前
[重い枕とからすの行水]遠い日/三つ子の魂/魔法の手/おじいちゃまの花/岐阜/尊敬する人/海外出張/身上書/釣り/お酒/重い枕とからすの行水/父の映像/石ころ/卵焼き/父ゆずり/父親似 母親似
[父への手紙]七回忌/白い朝顔/父への手紙/母へのアンソロジー
セイチャン/父の日…………一色祐嘉子
皆様に支えられて…………大橋貞子
おわりに…………飯田佐和子
大橋誠の略歴
上記内容は本書刊行時のものです。