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宮本研エッセイ・コレクション 1(1957-1967)夏雲の記憶
- 書店発売日
- 2017年11月30日
- 登録日
- 2017年11月25日
- 最終更新日
- 2017年11月25日
書評掲載情報
2018-04-08 |
毎日新聞
朝刊 評者: 渡辺保(演劇評論家) |
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紹介
戦後を代表する劇作家・宮本研の精神の軌跡――今、わたしたちに問いかける。
宮本研の劇作・脚本等の創作作品以外で、雑誌、書籍、新聞、公演パンフレット等に発表されたほとんどの文章を初収録。収録にあたっては、初出発表年ごとに四巻に分け、さらにテーマごとに章立てをして、各章内は原則として発表年月日順に配列した。
このエッセイ・コレクションは、いわば宮本研のもう一つの作品集である。
「戯曲を書くということは、だれも使ったことのない、まったく新しいことばを発見するという仕事です。そこここにある、ありあわせのことばで人間や事件をえがいても、それだけでは作品とよべません。まったく新しいするどさやゆたかさをもったことばで現実がとらえられたときにはじめて、作品のなかの現実が日常のなかの現実を有効に破壊する力をもちます。それが作品です。みなさん、台本ではなく作品を書きましょう。(「戯曲を書く」より)」
目次
ⅰ
夏雲の記憶――O一等兵のこと/従心所欲……/作品について――『明治の柩』/明治のイメージ/西洋音楽を論じて作品の意図に及ぶ/こんな戦後/この作品の前後左右――『明治の柩』あとがきにかえて/わたしのミュージカル――『メカニズム作戦』の前後/『ザ・パイロット』の美学/夏/『僕らが歌をうたう時』あとがき
ⅱ
大阪へ行って/永遠のしろうと――麦の会は何をやりたいか/職場演劇におけるドラマの問題/この停滞をどう破るか――職場演劇の現在地点/ともしび会のこと/労働者の文化創造活動/麦の会はこうして生まれた/
ⅲ
新劇マニュファクチュア論/発想のをどう破るか――実感的ドラマ論/民話劇考/戯曲を書く/歴史と劇について/現代演劇とリアリズムの諸問題/演劇と観客/祭りすてる/粧う・装う/戯曲/存在・時間・空間・ヴェトナム
ⅳ
民話劇と現代劇とリアリズムすなわち「ぶどうの会」について/戯曲について/風雅な人たち/〝三島美学〟はどれほど有効か――『喜びの琴』上演と戦後の新劇界/福田善之についての走り書/さすらいの千禾夫さん/チェーホフとぼく
ⅴ
ロマンティシズムとの出合い――斎藤茂吉『万葉秀歌』/教育とセンス/アイスバイン
ⅵ
木下順二著『ドラマの世界』を読んで/『久保栄全集』第三巻――『火山灰地』他/『秋元松代戯曲集』/『久保栄全集』完結を機に/福田善之著『真田風雲録』/添田知道著『演歌の明治・大正史』/大島渚著『戦後映画・破壊と創造』――全映画状況への訴状/『井上光晴詩集』/中井正一著『現代芸術の空間』/
山崎正和著『世阿彌』/木下順二著『冬の時代』/木村光一訳『ウェスカー三部作』――方法の変革への刺戟/岡倉士朗著『演出者の仕事』/H・キップハルト著『オッペンハイマー事件――水爆・国家・人間』/千田是也著『演劇入門』/竹内実著『日本人にとっての中国像』/岩淵達治著『ブレヒト』/新劇の心身にあたえる影響について――東京劇信をはじめるにあたって/主に『城塞』のこと/わかる芝居 わからない芝居/文学座分裂問題の意味/異端の季節/観客へのいらだち/モスクワ、プラハからの報告/東欧でみた『オッペンハイマー事件』/大衆に対する絶望とオプチミズムの方法――今村昌平『赤い殺意』
上記内容は本書刊行時のものです。