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グラフィックデザイナーのための色の基本 宇野則彦(著/文) - 印刷学会出版部
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グラフィックデザイナーのための色の基本 (グラフィックデザイナーノタメノイロノキホン) 印刷物作成へのカラーコミュニケーション (インサツブツサクセイヘノカラーコミュニケーション)

工業・工学
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B5判
縦258mm 横184mm 厚さ11mm
重さ 420g
152ページ
定価 3,400円+税
ISBN
978-4-87085-235-8   COPY
ISBN 13
9784870852358   COPY
ISBN 10h
4-87085-235-7   COPY
ISBN 10
4870852357   COPY
出版者記号
87085   COPY
Cコード
C3072  
3:専門 0:単行本 72:写真・工芸
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年8月10日
書店発売日
登録日
2019年7月6日
最終更新日
2019年7月25日
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紹介

 色の正しい知識があれば、「モニターと印刷物で色が違う!」といったトラブルが起こりません。グラフィックデザイナーが、現場に正しく「色」を伝え、思った通りの印刷物を制作するための、色の表現、照明・環境、伝達、計測、色校正などについて解説します。

■まえがきより
 いかに美しい印刷物を作るかということに,デザイナーを含む制作サイドから製版・印刷に携わる技術者まで日々苦労している。しかしながら,制作する過程での“色”に関するトラブルは多い。その最も大きな原因は関係者間のコミュニケーション不良であると考えている。コミュニケーション不良には,コミュニケーションする「機会をもてない」という問題と,もててはいるが「認識に違いがある」という問題がある。機会をもてないという問題に関しては,担当者・部署・会社の間でそれぞれ難しい面もあるとは思うが,相互にコミュニケーションを図る努力が必要である。認識に違いがあるという問題では,何故認識に違いが生ずるかということを考えなければならない。この原因は,関係者の色についての知識が不十分であるか,若しくは事前の打合せ・合意がないからだと思う。
 色を扱うには技術的な理論がベースにあって,そこに色を見る感性が加わり,非常に奥深いものなので,基本的な知識を積み重ねないとしっかりとは理解できないと感じる。また,技術はどんどん進歩していくものなので,常に最新の情報を得るようにしておかなければならない。
 カラーコミュニケーションを円滑にするために,色に関わるさまざまなことを整理してお伝えしたいと考え『印刷雑誌』に連載を執筆した。今回その原稿に加筆修正して本書を仕上げた。できるだけ分かりやすく,深いところまで,自分自身の経験も踏まえ,普段考え感じているところを率直に書いたつもりである。今までに積み上げてきた知識・情報に基づいているが,間違いや独りよがりなところがあるかもしれないので,異なる意見などあればお寄せいただきたい。
 グラフィックデザイナーのことを念頭においているが,色に関することはすべての方に共通であるので,他の職種の方にも十分お役に立てるのではないかと思っている。本書が,色を理解しカラーコミュニケーションを円滑に行ううえで,色に携わる多くの方々のお役に立てれば幸いである。
 2019年7月
 宇野則彦

目次

第1章 グラフィックデザイナーのコミュニケーション
 1.1 グラフィックデザイナーの現状
 1.2 グラフィックデザイナーに必要なスキル
 1.3 グラフィックデザインのワークフロー
 1.4 色の伝達の事例
 1.5 コミュニケーション不良のトラブル
    まとめ

第2章 人により見えている色は異なる
 2.1 色を認識する原理
 2.2 目に起因する色認識の違い
    (a) 瞳の色
    (b) 年齢
    (c) 色覚
    (d) カラーユニバーサルデザイン
    (e) 4色型色覚
 2.3 感覚に起因する色認識の違い
    (a) 錯覚
    (b) 残像
    (c) 記憶色
    (d) 疲労
    (e) 異なって見える例
    まとめ

第3章 照明によって見える色は変わる
 3.1 照明による見え方の違い
 3.2 色温度
 3.3 演色性
    (a) 演色評価数
    (b) 色評価用光源
 3.4 照度
 3.5 蛍光灯はどうなる?
 3.6 紫外光と蛍光増白剤
 3.7 高演色LEDランプ
    (a) LEDランプの原理
    (b) ISO3664の光源スペクトル
    (c) 蛍光灯と高演色LEDランプのスペクトル
    (d) 従来ランプと高演色ランプの演色性
 3.8 高演色LEDランプと色評価用蛍光灯の違い
 3.9 周辺環境の影響
    まとめ

第4章 色を扱う仕事にありがちな失敗
 4.1 色を扱う仕事にありがちな8つの失敗
 4.2 モニタの色表示に影響する要因
 4.3 ハードウェア的要因
 4.4 設定の要因
    (a) 色温度とガンマ値
    (b) 輝度とコントラスト
 4.5 運用上の要因
    (a) 外光の影響
    (b) キャリブレーション(較正)
    (c) 輝度の安定
 4.6 モニタの色再現域
 4.7 HSBカラーミキサーについて
    まとめ

第5章 色校正
 5.1 プロファイルの指定(Photoshop)
    (a) Photoshopのカラー設定
    (b) Photoshopの校正設定
    (c) ファイルを開くオプション
 5.2 モニタとプリンタのカラーマッチング
 5.3 プロの色校正
    (a) カラープルーフの種類と動向
    (b) 各プルーフの位置づけ
 5.4 網点プルーフ
 5.5 インクジェットプルーフ
    (a) インクジェット専用紙
    (b) 色材
    (c) 動向
 5.6 印刷用紙とドライダウン
    (a) 用紙による色の違い
    (b) ドライダウン
    まとめ

第6章 色の表現方法
 6.1 表色系の分類
 6.2 色名系
 6.3 色票系
    (a) マンセル表色系
    (b) オストワルト表色系
    (c) PCCS表色系
 6.4 混色系
    (a) XYZ表色系とYxy表色系
    (b) L*a*b*表色系
    (c) L*c*h表色系
 6.5 RGB表現とCMYK表現
    (a) RGB表現
    (b) CMYK表現
    (c) 黒の表現
    (d) デバイスに依存する色表現
    (e) 画像編集時のRGB/CMYKモード
    (f) モニタとプリンタの色域
    まとめ

第7章 色を測定器で測る
 7.1 濃度値の測定
    (a) 濃度計の原理
    (b) フィルタの種類
    (c) 白色基準
    (d) 偏光フィルタ
 7.2 色彩値の測定
    (a) 分光光度計の原理
    (b) ステータス
    (c) 色彩計算
    (d) 積分球式分光光度計
 7.3 バッキング
 7.4 カラーチャート
    (a) 標準的なカラーチャート
    (b) 自動測色器
 7.5 色の差をどう表すか?
    (a) 色差
    (b) マクアダム楕円
    まとめ

第8章 色の基準
 8.1 規格と基準
 8.2 現在運用されている色の規格
    (a) ISO12647
    (b) デジタル印刷の規格
 8.3 色の基準
    (a) 色の基準の決め方
    (b) 世界の色基準
 8.4 日本の色基準
    (a) 雑誌広告
    (b) 新聞広告
 8.5 世界の色の認証制度
    (a) Fogra
    (b) IDEAlliance
    (c) デジタル印刷関連認証制度
 8.6 日本の色の認証制度
    (a) 印刷認証
    (b) プルーフ認証
    (c) デジタル印刷認証
    (d) デザイナーとしての注意点
    (e) プルーフ運用認証の取得
    (f) JapanColor認証の取得件数
    (g) その他の認証制度
    まとめ

第9章 ICCプロファイルとは?
 9.1 ICCプロファイルの働き
 9.2 ICCプロファイルの仕組み
 9.3 ICCプロファイルの仕様
 9.4 ICCプロファイルの作成
    (a) プロファイラーの役目
    (b) プロファイルの中身
    (b) プロファイルの品質
 9.5 デバイスリンクプロファイル
 9.6 レンダリングインテント
    (a) ガマット
    (b) レンダリングインテントの種類
 9.7 ICCプロファイルの利用
    まとめ

第10章 オフセット印刷
 10.1 オフセット印刷の動向
    (a) 印刷機械方式別の生産金額
    (b) 印刷物の方式別生産金額
 10.2 オフセット印刷の基礎
    (a) アナログの印刷方式
    (b) オフセット印刷の原理
    (c) 一般的に「オフセット印刷」といったときは?
    (d) 印刷品質の変動要因
 10.3 オフセット印刷の要素
    (a) 網点
    (b) 線数
    (c) 網角度
 10.4 オフセット印刷の管理項目
    (a) 濃度
    (b) 網点面積率
    (c) ドットゲイン
    (d) トラッピング
    (e) 相対コントラスト
    (f) 色彩値
    (g) カラーバー
 10.5 オフセット印刷物の評価の仕方
    (a) 明度と彩度
    (b) 調子再現
    (c) グラデーション
    (d) シャープネス
    (e) モアレ
    (f) シズル感
    (g) 肌色とグレイ
    まとめ

第11章 デジタル印刷
 11.1 デジタル印刷機の動向と種類
    (a) 動向
    (b) 種類
 11.2 電子写真方式
    (a) 乾式トナー
    (b) 液体トナー
 11.3 インクジェット方式
    (a) ドロップオンデマンド方式
    (b) コンティニュアス方式
    (c) インクの定着
    (d) ナノグラフィー
 11.4 デジタル印刷の印刷品質
 11.5 オフセット印刷との比較
    (a) メリット
    (b) デメリット
    (c) 性能比較
    (d) デジタル印刷機の製造メーカー
 11.6 デジタル印刷に顧客が望むこと
    まとめ

第12章 カラーマネジメント
 12.1 カラーマネジメントの目的
    (a) 効果
    (b) カラーマネジメントを行わないと
    (c) 各工程での様子
 12.2 カラーマネジメントシステム構築の手順
 12.3 カラーマネジメントの要素
 12.4 カラーマッチング
    (a) マッチング作業の前に
    (b) マッチングソフトによる色調整
    (c) より良いカラーマッチングのために
    (d) マッチング結果の評価
 12.5 色の調整
    (a) 目視調整方法
    (b) CMYK濃度とL*a*b*値の関係
    まとめ

著者プロフィール

宇野則彦  (ウノノリヒコ)  (著/文

合同会社カラードック 代表

上記内容は本書刊行時のものです。