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ゲーム作家 小島秀夫論 藤田 直哉(著) - 作品社
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ゲーム作家 小島秀夫論 (ゲームサッカ コジマヒデオロン) エスピオナージ・オペラ (エスピオナージオペラ)

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発行:作品社
四六判
352ページ
並製
定価 2,700 円+税   2,970 円(税込)
ISBN
978-4-86793-099-1   COPY
ISBN 13
9784867930991   COPY
ISBN 10h
4-86793-099-7   COPY
ISBN 10
4867930997   COPY
出版者記号
86793   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2025年4月28日
最終更新日
2025年7月3日
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書評掲載情報

2025-11-13 朝雲
評者: [新刊紹介]
2025-10-24 週刊読書人  2025年10月24日号
評者: マーティン・ロート(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授・ゲームスタディーズ・日本文化研究)
2025-08-25 SFマガジン  2025年10月号
評者: [マガジン・レーダー]
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紹介

ゲームを超えた総合芸術

もはや、その作品は、詩であり、文学であり、映画であり、何よりも芸術そのものである。――ゲームクリエイターを超えた存在=小島秀夫に迫る。

 全世界で六〇〇〇万本以上の売り上げを誇る『メタルギア』シリーズや、『DEATH TRANDING』などを生み出し、ゲーム作家として史上二人目に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
 本書は、特に、監督・脚本・ゲームデザインなどを本格的に手掛けた「A KOJIMA HIDEO GAME」と呼ばれる作品群を対象に、その一貫性と全体性から、ゲームデザイナーを超えた存在=小島秀夫に迫る。

「本書は、ゲームについての研究・評論である。ゲームデザイン、システム、主題、物語などのゲーム作品についての分析と、小島秀夫という人間そのものの作家論を往還するのが、本書の方法論である。ゲーム制作は集団創作なので作家論的アプローチがどこまで可能なのか、どこまでを特定の作家に帰属させられるのかについては議論の余地があり、確立された方法論があるとは言えないが、本書は現時点でアクセス可能な資料を元に最大限の努力を試みた。」 ――本書より

●「エスピオナージ・オペラ」とは:
筆者の造語で、『007』のようなスパイ・諜報(エスピオナージ)もののエンターテインメントの形式を利用し、その背景にある冷戦や核戦争など国際政治の問題を描きつつ、それを個人の愛憎の問題と密接に結びつけるドラマの構成のことを意味する。

********
【目次】
はじめに
ACT1 ATTACHMENT
 Ⅰ 『メタルギア』――ステルスゲームの誕生
 Ⅱ 『スナッチャー』――冷戦時代の恐怖の寓話
 Ⅲ 『メタルギア2 ソリッドスネーク』――「不器用なデク」の生きる場所
 Ⅳ 『ポリスノーツ』――疑似恋愛から、精神的な愛へ
ACT2 MODERNITY
 Ⅰ 『メタルギアソリッド』――生まれの「運命」からの解放 
 Ⅱ 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』――現実の底が抜けた世界で
ACT3 GENERATIVITY 
 Ⅰ 『メタルギアソリッド3 スネークイーター』――母性と信頼
 Ⅱ 『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』――「体制と叛逆」という二項対立の解体
ACT4 PEACE
 Ⅰ 『メタルギアソリッド ピースウォーカー』――ゲームによる平和教育
 Ⅱ 『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』――9・11以後のゲーム
 Ⅲ 『メタルギアソリッドV ファントムペイン』――ゲームにおける、陰謀論と情報操作との戦い
ACT5 EXTINCTION
 Ⅰ 『DEATH STRANDING』――人類を絶滅から救うために
あとがき
引用文献・参考文献/註

目次

はじめに
 本書が論じること/本書の特徴/映画と父親/父の死と、孤独/「代理的な父」としての映画・小説・ゲーム/失われた父を求めて――「父恋」の物語/映画とゲームの差異/映画とゲームの関係/小島秀夫に影響を与えた映画たち――エンターテインメントの教育機能/SF――「哲学を論じ、現代社会を風刺する」ジャンル/エスピオナージ・オペラ――国際情勢や諜報と、親子愛や性愛を重ねる作劇/集団制作における作家性/小島秀夫の「作家性」とは何か/ビジネスと作家性、経営者と創作者の両立/集団制作をどのように行っているのか/先行研究との比較/「総合芸術」としてのゲーム

ACT1 ATTACHMENT
Ⅰ 『メタルギア』――ステルスゲームの誕生
 ステルスゲームの誕生/不安型愛着スタイル的な物語とゲームデザイン/恋愛や疑似恋愛における、相手の本心を知りたいという欲望/愛着に関連する不安と懐疑/エスピオナージ・オペラとしての小島秀夫作品/『メタルギア』に影響を与えた映画たち①――『大脱走』『ゾンビ』/『メタルギア』に影響を与えた映画たち②――『ニューヨーク1997』/冷戦時代の不安の寓話として
Ⅱ 『スナッチャー』――冷戦時代の恐怖の寓話
 コントロール可能なアドベンチャーゲームという形式/サイバーパンクと冷戦と日本/冷戦時代の恐怖の寓意/日常に潜む脅威と不安/関西人・小島秀夫/親子と夫婦の懐疑と愛情/私的な愛の物語と、冷戦の分断と
Ⅲ 『メタルギア2 ソリッドスネーク』――「不器用なデク」の生きる場所
 小島秀夫最大の質的な飛躍/孤児と安全基地の喪失/自閉スペクトラム症的な傾向を持つ者の「擬態」感覚との通底/愛の対象との断絶と距離/愛が手に入らない、「不器用なデク」に生きがいを与える/ゲームの両義性
Ⅳ 『ポリスノーツ』――疑似恋愛から、精神的な愛へ
 親子と親密さという主題系の前景化/アニメーションとゲームの融合/疑似恋愛から、親子愛へ/文化に対する愛着の問題/クィアな登場人物たちと、二項対立の克服/カモフラージュするゲームと、カモフラージュを見抜くゲーム/恋愛・疑似恋愛から、精神的な愛へと昇華する装置

ACT2 MODERNITY
Ⅰ 『メタルギアソリッド』――生まれの「運命」からの解放 
 核兵器と遺伝子の物語/3Dポリゴンゲームとしての文法と視点/サイコ・マンティス――自他の境界線のない子供/スナイパー・ウルフ/依存症的・麻薬的な陶酔に生きる意味を見出す人々/遺伝子――「生まれ」の克服と自由意志/宿命と運命と革命/近代と進歩/近代、科学、再帰性、存在論的不安/グローバルなリスクとの直面/代理的な父としてのゲーム/新しい家族のあり方を巡る実験の物語
Ⅱ 『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』――現実の底が抜けた世界で
 遺伝子から、文化的遺伝子へ/主観と客観の切り替え――ヒッチコックから学んだこと/『メタルギアソリッド2』における親子と家族/愛や家族を求める気持ちと、その破綻の悲劇/雷電――グレイ・フォックスの主題系の継承/恋人にも開示できない出生歴の秘密/疑似恋愛と本当の愛と―現実感覚の崩壊/ゲームデザイナーとしての「愛国者達」/核戦略・核抑止のシミュレーション性/サイバースペースの独立か、統制か/ポストトゥルースの予言――「自由」を使いこなせるか/サイバーリバタリアニズムとサイバーアナキズム/ミームによる、子孫や家族感を求めて/信じられるものは何か

ACT3 GENERATIVITY 
Ⅰ 『メタルギアソリッド3 スネークイーター』――母性と信頼
 懐疑と不安を停止させるための愛と確信/演出と物語構造の変化/ザ・ボス――「母殺し」の物語/真に信じられる純粋な真心の抹殺/宇宙開発と軍備競争/宇宙と母性/宇宙に進出した人類の遭遇した「神」と、精神的な「進化」/エヴァ―女スパイに真の親密さや愛情はあるのか?/ダブルバインドを構造化した作劇/不信・懐疑ベースの世界か、信頼・愛情ベースの世界か/死者たち―ニューメディア時代の家族・死生観
Ⅱ 『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』――「体制と叛逆」という二項対立の解体
 戦場への潜入/「存在論的不安」から「存在論的安心」へ/家族の回復と、孤独な男/親子の和解/BB部隊とゲームシステム/戦場のシミュレーション――その残酷さと苦しさを/外に出ること/「自走性」との対決――生み出したものへの責任と贖罪/自由と叛逆のジレンマ/世代の問題/老いと死――オタクとして「大人」になるためのよりどころ

ACT4 PEACE
Ⅰ 『メタルギアソリッド ピースウォーカー』――ゲームによる平和教育
 『PW』以降の大きな作風の変化/平和を主題にした『メタルギア』/ケータイゲーム機のメディアを活かしたアイデアと思想の体現/ザ・ボスへの喪の作業/平和憲法――コスタリカと日本/相互確証破壊/善から悪への反転がシームレスであることを体感させる/マザーベース――安全基地の発展/孤児たちの居場所――戦友たちとの繫がり/「理解しあえる相手がいない」孤独―孤児は癒され得るか/孤独な潜入者としてのパス
Ⅱ 『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』――9・11以後のゲーム
 9・11以後のメタルギアソリッド/身体と暴力の生々しさ――トーチャー・ポルノと9・11/内なる敵と、冤罪の物語
Ⅲ 『メタルギアソリッドV ファントムペイン』――ゲームにおける、陰謀論と情報操作との戦い
 目覚め/報復/行き場をなくす報復心/鬼(父)になる/沈黙と信頼――クワイエットの場合/饒舌と懐疑――ヒューイの場合/言葉は人を殺す――言語、物語、イメージによる戦争/世界を売った男の真実/二重人格と解離性同一性障害――ゲーム自身の自己言及/報復心への感染と、その克服/核廃絶の困難を体感させるゲーム/核の小型化/「未完成」説を検証する/社会関与型の芸術としての『V』/ヴェノム・スネークの男性性/ケアと叛乱――親の心、子知らず/善意による「悲劇」の連鎖としての歴史/怒りとは酸である――核兵器と原子力発電所/東日本大震災後における『一九八四年』的状況/震災後と『一九八四年』/「国家」のアイデンティティの分裂と二重化/ダブルバインド状況下の「隠喩」としての戦後日本サブカルチャー/総合的な震災後文学としての『Ⅴ』/人類史への絶望とシニシズムをどう超えるか

ACT5 EXTINCTION
Ⅰ 『DEATH STRANDING』――人類を絶滅から救うために
 鯨たちの座礁/分断と対立と憎悪の時代に/小島秀夫作品のゲームデザインと「男らしさ」/棒的な思考から、縄的な思考へ/「接触恐怖症」を克服する心理的ドラマとして/恐怖と不安の対象の意味の反転/「修復すること」――人類の滅びの予感の中で/トラウマを負い、それを吐露する人物たち/終わらない戦場――クリフとは誰なのか/ゲームの視点と「過去」の物語の複数性/トラウマと癒しの物語/安全保障の論理と、ケアの倫理/甘美なる母の胎内に戻りたいか否か/人類とゲームの問題を解決するためのゲーム/生命の連続性に対する信頼の回復/自分自身の経験として/物語を通じて世界を変えるということ

あとがき
引用文献・参考文献

著者プロフィール

藤田 直哉  (フジタ ナオヤ)  (

ふじた・なおや
批評家、日本映画大学准教授。一九八三年、札幌生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻修了。博士(学術)。著書に『虚構内存在』『シン・ゴジラ論』『新海誠論』『現代ネット政治゠文化論』『攻殻機動隊論 新版_2025』(作品社)、『新世紀ゾンビ論』(筑摩書房)、『娯楽としての炎上』(南雲堂)、『シン・エヴァンゲリオン論』(河出書房新社)、『ゲームが教える世界の論点』(集英社)、共編著に『3・11の未来――日本・SF・創造力』(作品社)、『地域アート――美学/制度/日本』(堀之内出版)、『東日本大震災後文学論』(南雲堂)などがある。朝日新聞にて「ネット方面見聞録」連載中。

上記内容は本書刊行時のものです。