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マレーシアに学ぶ経済発展戦略
「中所得国の罠」を克服するヒント
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年11月
- 書店発売日
- 2023年11月1日
- 登録日
- 2023年8月23日
- 最終更新日
- 2024年6月26日
書評掲載情報
2025-01-31 |
東南アジア研究
2025年1月号 評者: 後藤健太(関西大学経済学部) |
2024-07-15 |
世界経済評論
2024年7・8月号 評者: 朽木昭文(国際貿易投資研究所客員研究員) |
2024-01-22 |
週刊ダイヤモンド
2024年1月27日号 評者: 佐藤優(作家・元外務省主任分析官)「知を磨く読書」 |
2024-01-15 |
週刊エコノミスト
2024年1月23・30日合併号 評者: 近藤伸二(ジャーナリスト) |
2024-01-12 |
週刊読書人
評者: 嶋津洋樹(しまづ・ひろき=MCPアセット・マネジメント・チーフストラテジスト) |
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紹介
★第40回大平正芳記念賞受賞
安定した経済成長、高所得国入り目前。
いったい何が、それを可能にしたのか?
特別な好条件に恵まれていないこの「普通の国」は、年率5%程度の成長を続け、さらに近年、グローバルサウス、東南アジアの中核国として急速に存在感を高めている。本書で紹介される、成長戦略、経済政策、政治の詳細な分析は、「失われた30年」の日本にも示唆を与える。
マレーシアは「中所得国の罠」に陥った国に分類されることも多く、二桁の経済成長率を連発するような経済成長の「エリート国」ではないにもかかわらず、じわじわと経済成長を続け、ついには高所得国入り目前までたどり着いた不思議な国であるといえる。マレーシアはこのままいけば、日本・韓国・台湾といった「エリート国」やシンガポールや香港などの「都市国家」を除けば、欧州以外の国で工業化を通じて高所得国入りを果たすはじめての国になる可能性が高い。(本書序章より)
「中所得の罠」とは?
中進国となった国々が、賃金の安さでは後発国に勝てず、技術開発力では先進国に及ばないため経済成長が停滞し、長期間にわたって先進国入りできないという状況を指し、2010年代に入って精力的に原因の解明が進められてる。
目次
はじめに
序章 「中所得国の罠」の理論とマレーシア
【コラム1】国王・スルタンとブミプトラの「特別な地位」
第1章 低所得期の課題とその克服 新経済政策の効果(1960年代から1980年代)
1 1960年代から1970年代のマレーシア経済
2 新経済製作による都市化・工業化支援
3 農村の余剰の金融システムへの取り込み
4 1970年代の経済成長が生み出した問題
5 農村偏重の政治的背景
【コラム2】西回りのイスラーム、東回りのイスラーム
第2章 労働力の量的・質的拡充 都市化・格差・教育(1970年代から1990年代)
1 高度成長を支えたマレー人労働者
2 外国人労働者問題
3 経済格差の推移
4 教育制度の発展
5 経済成長重視路線が定着するまでの政治過程
【コラム3】ラテかテタレか、それが問題だ――マレーシアの新たな不平等
第3章 経済発展の担い手 地場民間企業・外資系企業・政府系企業(1980年代から2000年代)
1 マレーシアにおける経済発展の担い手の変化
2 新経済政策と政府系企業、GLC改革
3 外資系企業のプレゼンス
4 バブルの発生と「資源の呪い」
5 首相交代がもたらした政府系企業改革
【コラム4】謎の高収益企業、ペトロナスの実力
第4章 産業高度化の実態と課題 生産性主導型経済成長への苦闘(1990年代から2020年代へ)
1 マレーシア経済の高度化
2 産業高度化に向けた課題
3 政治制度の産業高度化への影響
4 野党躍進がもたらした開発政策の転換
【コラム5】マレーシアのアジア通貨危機への対応は「邪道」だったのか
第5章 外需から内需へ 民間消費が経済を牽引(2000年代から2010年代)
1 経済発展のドライバーは輸出から内需へ
2 外需を拡大するための政策
3 内需拡大のための政策
4 切り下がるマレーシア・リンギの為替レート
5 二大政党連合制下の再分配政策再編
【コラム6】消費税廃止はいかにして実現されたか
終章 「中所得国の罠」脱出のヒントと課題
【コラム7】キーワードで振り返るマハティール元首相の足跡
【コラム8】マレーシアは「親日国」か「親中国」か
あとがき/注記/参考文献一覧/マレーシア政治経済関連略年表/略語一覧/索引
上記内容は本書刊行時のものです。