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源氏物語の戦略 高橋 早苗(著) - 文学通信
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源氏物語の戦略 (ゲンジモノガタリノセンリャク) 引用と反復 (インヨウトハンプク)

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発行:文学通信
A5判
328ページ
上製
価格 5,500円+税
ISBN
978-4-86766-046-1   COPY
ISBN 13
9784867660461   COPY
ISBN 10h
4-86766-046-9   COPY
ISBN 10
4867660469   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年5月25日
書店発売日
登録日
2024年5月8日
最終更新日
2024年6月17日
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紹介

『源氏物語』の〈戦略〉、それは読者を惹きつけ楽しませるためのものである――。
その〈戦略〉の実態を多数の例をもとに論証していく書。
先行作品をいかに取り込むか。〈反復〉という文学的技法で何を効果的に伝えようとしたのか。
そしてそれに読者は気づくだろうか。多岐にわたる試みを丁寧に解き明かす。
「同時代の様々な読者層を幾重にも惹きつけ、楽しませるものとしてあった文学的〈戦略〉は、その後、時を経てなお、多くの読者に響き続け」る。

【〈引用〉と〈反復〉という『源氏物語』に仕掛けられた文学的技法は、多様な読者の知識・素養のレベルに応じて作用する場合と、レベルに関わらない場合とをあわせもつ、極めて戦略的なものであった。気づかなくとも十分楽しめるが、気づけばもっと面白い─。このようにして同時代の様々な読者層を幾重にも惹きつけ、楽しませるものとしてあった文学的〈戦略〉は、その後、時を経てなお、多くの読者に響き続ける。本書は、そうした『源氏物語』の〈戦略〉の実態を多数の例をもとに論証するものである。】……「序章 『源氏物語』の戦略と読者」より

目次

凡 例

序 章 『源氏物語』の戦略と読者
一、〈引用〉と読者
二、〈反復〉と読者
三、本書の構成と概要─〈引用〉と〈反復〉の効果

第一部 〈引用〉という戦略─隠されたメッセージ

第一章 紅の衣装と涙の和歌─末摘花の姫君の失敗
一、「末摘花」とは
二、末摘花巻の姫君の和歌と装束
三、姫君と「紅の涙」
四、「紅の涙」と「末摘花」
五、光源氏の対応
《付・「紅の涙」の用例 ─ 勅撰集と私家集における─》

第二章 「梅」を「かざし」た和歌─御仏名の系譜と光源氏の〈老い〉
一、幻巻の光源氏
二、御仏名と「梅」
三「梅」を「かざす」
四、光源氏の〈老い〉
五、普遍的な姿

第三章 藤壺とかぐや姫─『竹取物語』と朝顔巻の出現の意義
一、亡き藤壺の出現
二、「月」「かかやく日の宮」とかぐや姫
三、朝顔巻の冬景色と『竹取物語』
四、「罪」「この世の濁り」とかぐや姫
五、人間へのまなざし 

第四章 「枯れゆく」宇治の大君─『白氏文集』「婦人苦」と最期の問いかけ
一、宇治の大君の求婚拒否
二、総角巻の死の描写
三、平安朝における「枯る」の様相 
四、「ものの枯れゆくやうにて」と「枯死猶抱レ節」
五、最期の問いかけ

第五章 「日」と「露」の情景─『観普賢経』と紫の上の死の形容・光源氏の生
一、御法巻の八月一五日の情景
二、紫の上死後の「日」と「露」の情景
三、『観普賢経』と紫の上の死の形容表現
四、『観普賢経』と光源氏の生
五、さらなる地点へ

第二部 〈引用〉という戦略─物語のその後

第一章 琴を奏でる男、賞賛する女─司馬相如伝と若紫巻での出会い
一、若紫巻と漢籍
二、琴を奏でる光源氏
三、平安朝の物語における琴弾奏
四、『史記』『漢書』司馬相如伝における琴弾奏
五、二人の行く末

第二章 「家鳩」のいる邸─『法華経』「譬喩品」と夕顔巻の光源氏
一、光源氏の回想
二、夕顔巻の「家鳩」
三、「鳩」の文学史
四、『法華経』「譬喩品」と夕顔巻
五、「光る源氏」のもう一つの姿

第三章 継母との養親子関係─『史記』「呂不韋列伝」と明石の姫君の立后
一、『源氏物語』と史書・漢籍
二、明石の姫君の「后」への階梯
三、物語と史実における養子
四、『史記』「呂不韋列伝」における養子
五、特異な栄華の物語

第三部 〈反復〉という戦略─浮かび上がる差異

第一章 若紫巻の嵐の夜の「うたて」─「教へ」いそぐ光源氏
一、問題の所在
二、「教へ」る光源氏
三、嵐の夜の「うたて」
四、繰り返される「教へ」

第二章 『源氏物語』の「たぐひなし」─紫のゆかりの女君たち
一、桐壺巻の「たぐひなし」
二、「たぐひなき」人─藤壺
三、「たぐひなき」人─紫の上
四、「たぐひなき」人─女三の宮
五、続篇の「たぐひなき」人
六、意図的な形容表現

第三章 繰り返される二人妻説話─若菜上・下巻における紫の上の苦しみ
一、問題の所在
二、二人妻説話との類似
三、二人妻説話の変容
四、病に倒れる紫の上
五、物語展開の方法

終 章 『白露』の試みと読者─昔の物語に怯える男君と女君
一、『白露』について
二、継子いじめと兄妹懸想
三、男君の「心」
四、「吹まよふ風の心」の和歌
五、「嫁女」が読む物語

附 誰の「あはれ」か─『白露』「思ひ知れ」歌の解釈をめぐって
一、問題の所在
二、「思ひ知れ」が指し示すもの
三、「露のあはれ」の解釈
四、物語展開との関わり
五、男君の和歌

初出一覧
あとがき
索引(人名・書名)

著者プロフィール

高橋 早苗  (タカハシ サナエ)  (

1978年、宮城県生まれ。山口県で育つ。
東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
東北大学文学部助教を経て、現在、新潟大学人文学部准教授。第16回中古文学会賞受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。