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米騒動・大戦後デモクラシー百周年論集Ⅳ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年6月17日
- 登録日
- 2022年6月4日
- 最終更新日
- 2022年8月28日
紹介
米騒動と関連諸事件の、間違われ見落とされ隠されて来た問題・悲劇・陰謀が指摘され論じられる。米騒動はなぜ富山から始まったと間違われたか、映画「大コメ騒動」の誤り、米騒動資料蒐集者細川嘉六の横浜事件、震災時の朝鮮人大虐殺や日本の膨張史に見る「朝鮮観」批判の一方、イギリスの食糧騒擾論争も紹介される。
目次
■はじめに
■映画『大コメ騒動』の間違い[井本三夫]
■「米騒動」はなぜ、富山から始まったと間違われたか[井本三夫]
■イギリスの一八世紀食糧騒擾研究と“モーラル・エコノミー”論争[コリン・スロス]
■横浜事件とNPO「細川嘉六ふるさと研究会」の“新解釈”[村上邦夫]
■明治政府の対外膨張戦略の批判的検討:司馬遼太郎氏らの「朝鮮観」を手がかりに[村上邦夫]
■姜徳相論文の紹介:震災時の朝鮮人大虐殺は権力が意図して政策的に仕組んだもの[井本三夫]
■四方町(富山県)の大海食・神通川東遷による悲劇[井本三夫]
■「米騒動」を“土下座・哀願”にかえる『富山県女性史』の警察史観[井本三夫]
■論集第Ⅰ・Ⅱ巻の諸論稿についての所感[井本三夫]
■執筆者略歴
前書きなど
本書は、『米騒動・大戦後デモクラシー百周年論集』の第四集になるが、幸いそれに相応しいテーマを揃えることができた。類別して以下の四種である。
第一種:総括的・要約的なテーマ。この日本近代最大の民衆蜂起がどのように誤解されてきたかを指摘することである。「米騒動はなぜ富山県から始まった米騒動と間違われたのか」という、この百周年期に明らかにされた基本問題は、二、三の拙でも説明されているが、そのまとめにイギリスでの騒擾観を加えた。
第二種:日本近代の他の重要問題との関係。「米騒動」の資料蒐集者である細川嘉六の「ふるさと研究会」と称する者が横浜事件との関係を誤っていることの指摘、政府の(朝鮮などへの)対外膨張政策の批判や、震災時の朝鮮人大虐殺の問題である。
第三種:富山湾東半の北前船についても上してきたが、そこで書き落としていた大海食・神通川東遷による四方町の悲劇。筆者の父祖の地なので自伝の前言的性格を持つ稿である。
第四種:本論集掲載の諸論文についての所感。
本巻が、米騒動・大戦後デモクラシーの研究に役立つよう、願ってやまない。
上記内容は本書刊行時のものです。