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吉田初三郎 鉄道鳥瞰図 益田啓一郎(著/文) - 三才ブックス
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吉田初三郎 鉄道鳥瞰図 (ヨシダハツサブロウ テツドウチョウカンズ)

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B5判
144ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-86673-441-5   COPY
ISBN 13
9784866734415   COPY
ISBN 10h
4-86673-441-8   COPY
ISBN 10
4866734418   COPY
出版者記号
86673   COPY
Cコード
C0025  
0:一般 0:単行本 25:地理
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年12月13日
最終更新日
2024年12月25日
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紹介

「これは奇麗で解り易い」

大正時代に当時の皇太子(後の昭和天皇)からこのように嘉賞された
鳥瞰図絵師・吉田初三郎の鉄道沿線作品を収録した図録集。

大正時代から昭和初期にかけて人々の旅情を掻き立て、
鉄道省国際観光局の初代嘱託画家として日本の観光ブームの中心に位置した吉田初三郎。
“大正の広重”と称された不世出のグラフィック絵師が手掛ける
北海道から九州までの鉄道沿線旅行案内図を制作年代順に60点採録。

30年近く吉田初三郎のゆかりの地などを取材し続ける著者のコレクションを中心に掲載しています。

現在も親しまれている鉄道会社から、すでに廃止されてしまった路線まで、
美麗な鳥瞰図を通して大正時代から昭和20年代までの全国各地の鉄道路線と沿線風景を辿ることができます。


■吉田初三郎とは?
1884(明治17)年、京都生まれ。尋常小学校を終了後、友禅図案絵師の家に奉公し、その後は京都三越の友禅図案部に勤務。1908(明治41)年、洋画家の鹿子木孟郎に師事し、鹿子木のアドバイスにより商業美術(デザイン)の世界へ進んだ。1913(大正2)年、鳥瞰図としての処女作「京阪電車御案内」を制作し、翌年にはその作品が皇太子(後の昭和天皇)に賞賛されて注目された。大正時代から昭和初期にかけて鳥瞰図作家として作品を量産する。1937(昭和12)年に勃発した日中戦争直前から、政府の情報統制により鳥瞰図の制作が制限されたが、太平洋戦争後の1948(昭和23)年から本格的に活動を再開。1955(昭和30)年に71歳で没するまでに約2000点にのぼる名所図絵や鳥瞰図を手掛けている。

目次

【巻頭】
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・吉田初三郎の鉄道鳥瞰図
・吉田初三郎の生涯と鳥瞰図制作

【第1章】大正3年から大正15年までの作品
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初三郎の揺籃期といえる時期。初めての鳥瞰図「京阪電車御案内」を手掛けた翌年の1914(大正3)年、初三郎が写生旅行をしていると京阪電鉄から電報が届く。そこには「皇太子殿下より『これは奇麗で解り易い東京に持ち帰って学友に見せたい』の言葉を賜った」とあった。これに発奮した初三郎は以後、鳥瞰図の制作に邁進。1921(大正10)年の『鉄道旅行案内』のヒットで名声を得ると注文が集まり、多くの鳥瞰図を生み出していく。
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・京阪電車御案内
・近江鉄道沿線及院線と諸国の関係
・江ノ島電車御案内
・日光電車沿線名所図絵
・越後鉄道沿線名所図絵
・秩父鉄道名所図絵
・湯平温泉名所図絵
・青梅鉄道沿線名所図絵
・塩原電車沿線図絵
・湊鉄道沿線名所図絵
・筑波山名所図絵
・東武鉄道沿線名所図絵
・大軌電車沿線名所図絵
・萩を中心とせる付近名所図絵
・新和歌ノ浦名所図絵
・山陽第一荒瀧山名所図絵
・銚子遊覧交通名勝鳥瞰図絵
・目黒蒲田東京横浜電鉄沿線案内鳥瞰図
・木暮旅館を中心とせる伊香保榛名の名所交通図絵
・天下無二耶馬全溪の交通図絵
[コラム]ガイドブック『鉄道旅行案内』
[コラム]ポスター作品

【第2章】昭和2年から昭和4年までの作品
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初三郎の興隆期といえる時期。昭和に入ると初三郎の鳥瞰図は広く認知され、類似作品や無断複製品も現れるほどだった。観光ブームによって各地の鉄道会社や汽船、ホテル、遊
覧地、新聞社などからの依頼が殺到し、実地踏査に東奔西走する。この時期の初三郎は愛知県犬山町(現犬山市)に蘇江画室を構え、「小田原急行鉄道沿線名所図会」や「日本ラインを中心とせる名古屋鉄道沿線名所図絵」といった傑作を量産している。
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・小田原急行鉄道沿線名所図絵
・松山道後を中心とする名所交通図絵
・北九州鉄道沿線名所遊覧図絵
・高野山電車沿線名所図絵
・京王電車沿線名所図絵
・富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図
・養老電鉄沿線名所図絵
・水浜電車沿線名所案内
・赤穂鉄道沿線名所遊覧交通鳥瞰図
・土佐電気沿線名所大図絵
・宮島廣島名所交通図絵
・鞍馬電鉄沿線名所交通鳥瞰図
・奈良電車沿線を中心とせる鳥瞰図絵
・北九州の仙境小倉鉄道沿線名所図絵
・神戸有馬電鉄沿線名所交通図
・日本ラインを中心とせる名古屋鉄道沿線名所図絵
・肥前鹿島祐徳稲荷神社参拝交通名所図絵
[コラム]災害復興のシンボルとなった鳥瞰図

【第3章】昭和5年から昭和12年までの作品
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初三郎の爛熟期といえる時期。1930(昭和5)年、鉄道省国際観光局から欧米に「観光国日本」をPRするためのポスター制作を依頼される。そのポスターに描かれた「富士山・桜・芸者」は、日本の観光イメージとして欧米に定着した。その翌年には、代表作のひとつである「大井川鉄道沿線名所図絵」を制作。一方で自身の経営する会社から旅行や観光に関する機関誌や雑誌を次々に発行し、総合観光アドバイザーとしての立場を確立した。
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・旭川市を中心とせる名所交通鳥瞰図
・湘南電鉄沿線名所図絵
・長野電鉄沿線温泉名所交通鳥瞰図
・井笠沿線を中心とせる備南名所交通図絵
・梅小路駅を中心とせる京都近郊鳥瞰図絵
・神戸市名所交通図絵
・参宮急行電鉄沿線名所図絵
・九軌沿線御案内北九州図絵
・大井川鉄道沿線名所図絵
・定山渓電鉄沿線名所図絵
・下関及び長府を中心とせる鳥瞰図
・琴平急行沿線名所鳥瞰図
・福武電鉄及南越鉄道沿線名所図絵
・淡路鉄道沿線名所鳥瞰図
・名岐鉄道全線名勝鳥瞰図
・三呉線沿線鳥瞰図
・博多湾鉄道沿線名勝図絵
[コラム]都市鳥瞰図の中の鉄道関連施設

【第4章】昭和28年から昭和30年までの作品
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初三郎の晩節。1937(昭和12)年に勃発した日中戦争の前後から、精密に描かれる鳥瞰図は厳しい検閲を受け、初三郎は描くことを禁じられた。一方で、海軍従軍画家として中国に渡っている。戦中は依頼が激減して活動は絵葉書を刊行する程度にとどまったうえ、多くの弟子が戦死するなど苦難の時代を過ごした。戦後は1948(昭和23)年頃から自治体の依頼で再び鳥瞰図を描き始めるも、体調を崩し弟子の力を借りて完成させることが多かった。
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・日本国有鉄道仙台鉄道管理局管内鳥瞰図
・島原鉄道バス景勝鳥瞰図
・みちのくの旅
・庄内交通路線景勝鳥瞰図
・新潟鉄道管理局管内温泉鳥瞰図
・国鉄奥羽本線青森福島間沿線景勝産業鳥瞰図
[コラム]絵葉書・記念乗車券・栞

著者プロフィール

益田啓一郎  (マスダケイイチロウ)  (著/文

1966(昭和41)年、大分県宇佐市生まれ。地図情報を提供するゼンリンの子会社を経て、2000(平成12)年に独立。『西日本鉄道創立110周年史「まちとともに、新たな時代へ」』の「第1部 天神発展史」の執筆や、『西日本新聞me』での連載「天神の過去と今をつなぐ」をはじめ、社史・地域史の執筆や編集に携わりながら、10万点余の古写真・資料を収集し、町の歴史・文化の記録や逸話を取材している。近年はNHK「ブラタモリ」や、FBS福岡放送「めんたいワイド」の「ひと駅ノスタルジー」のコーナーといった、テレビ・ラジオ・映画などの監修・企画協力も行う。『美しき九州「大正広重」吉田初三郎の世界』『伝説の西鉄ライオンズ』『古写真・資料でみる松永安左エ門と福岡の近現代史』(いずれも海鳥社)など、著書多数。運営サイト:WEB地図の資料館 http://www.asocie.jp

上記内容は本書刊行時のものです。