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漢詩雑話 近藤 俊彦(著) - 海鳥社
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漢詩雑話 読む、詠ず、語る

文芸
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発行:海鳥社
A5判
290ページ
並製
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-86656-089-2   COPY
ISBN 13
9784866560892   COPY
ISBN 10h
4-86656-089-4   COPY
ISBN 10
4866560894   COPY
出版者記号
86656   COPY
 
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年12月25日
書店発売日
登録日
2020年12月1日
最終更新日
2021年1月5日
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紹介

大東文化大学元教授・全日本漢詩連盟理事 濱久雄氏推薦
自作の漢詩を軸として、漢詩作成の基本知識を始め、漢詩に関する苦心談あり、名詩の鑑賞あり、漢詩に見える時刻表の注意事項あり、井伏鱒二氏らの巧みな漢詩翻訳の成果も紹介され、実に多彩で類まれな内容である。しかも素晴らしい写真が掲載され、思わず自然に溶け込んで飽きさせない。まさに至れり尽くせりの編集である。

 自分の作った漢詩を列挙するだけでは、読んで頂く人には、ちっとも面白くないでしょう。わたしが作り濱先生の添削を受けた漢詩を中心に披露しますが、先人たちが残した素晴らしい漢詩を、中国日本を通じて選び出し共に鑑賞し、漢詩にまつわるいろいろなエピソードなども紹介したら、内容が豊富になって面白いものになるのではないかと思い、構成しました。唐代の大詩人とわたしとのアンソロジー(?)。これも畏れを知らぬ素人ゆえの暴挙とお許しください。
 素晴らしい漢詩の世界を理解して頂ける人が一人でも増えれば、わたしにとってこれ以上の幸せはありません。(「はしがき」より)

目次

●漢詩のルール
和習とは 
絶句と起承転結 
広瀬淡窓の教え 
平仄と押韻 
仄起式と平起式 
童謡を漢詩に 
律詩について 
漢詩を読み解く 

●新年を詠ず

●四季を詠ず 春・夏
梅 花 
春 遊 
春の歌 
梅 雨 
ホトトギス
初 夏 
夏の歌 

●四季を詠ず 秋・冬
中秋の明月 
秋の歌 
晩秋に思う 
冬の歌 

●故郷を詠ず
津久見を詠ず 
田染莊を訪ねて 
旅 愁 
「太郎林」を行く 

●先人に学ぶ
唐詩に倣う 
[特別寄稿]鯨背吟について 濱 久雄 
わが愛する李商隱 
西東三鬼に倣う 

●人世の情感を詠ず
喜びを詠ず 
女流漢詩人 
友 情 
悲しみを詠ず 
孤独と老い 

●忘憂を詠ず
飲 酒
旅に詠ず

●名作を詠み、名訳を読む
夏目漱石と『草枕』 
名訳を読む

映像唐詩論 杜甫と李白の世界 平岡豊

前書きなど

 最近は、漢詩が隠れたブームになっていることをご存じでしょうか。わたしは、今でも上京した時は、必ず本屋さんを覘くのですが、どこの本屋も漢詩コーナーがスペース大きくとられています。東京駅前の「丸善」丸の内本店などは、幅五メートル、床から天井までぎっしりと漢詩文の本が並べられています。また、神田の古本屋をみてまわると時間が経つのも忘れるほどです。
 「人生意気に感ず」、「国破れて山河在り、城春にして草木深し」、「春眠暁を覚えず、処々啼鳥を聞く」など、わたしたちの知っている漢詩のフレーズはたくさんあります。このように人口に膾炙した文言は枚挙に暇がありません。
 しかし、わたしの師事している濱久雄先生のお話によると、今まで、作詩法の講座を持っていた大学は、二松学舎大学と大東文化大学の二校であったが、それも遂に廃止され、その講座を持つ大学はなくなってしまったということでした。
 戦後、漢詩・漢文を軽視してきた教育のツケが、ここにはっきり示されたという気がしてなりません。特に、若い人たちで興味を持つ人が少なくなっているということは残念なことです。
 わたしたちの高校時代は、漢文の授業が週に一時間、それも一年生と二年生で打ち切り、三年生になると漢文の時間がなくなりました。漢文の授業は高校時代にわずか数十時間受けたにすぎません。しかし、わたしは漢文の簡潔で重厚な表現にすっかり魅了されました。
 大学を卒業、現在地で開業してからも、『漢詩の作り方』の本を購入、独学で漢詩を何首か作ってみましたが、どうもうまくいかない。独学ではやはり限界があるということが分かりました。
 大学卒業の直前に父親を亡くし、やむなく開業。忙しさにかまけて五十年が過ぎ、三年半前に決意も新たに東京の日本漢詩教育会に入会、本格的に漢詩の勉強を始めました。この会で、わたしを担当指導して頂くようになったのが、大東文化大学元教授の濱久雄先生でした。偶然にも、濱先生という素晴らしい先生に巡り合えたのは、わたしにとって幸運でした。濱先生の懇切丁寧しかも的確なご指導のもと、漢詩を作ること丸三年、百二十首ほどの漢詩を作ることができました。自分でも驚くほどです。
 「漢詩を自分で作る歯科医師がいるなどということは今まで聞いたことがない。まとめて本にしてみたらどうか」と、同業の友だちに勧められ、とうとうその気になってしまいました。この本は、表題を『漢詩雑話』とし、「読む、詠ず、語る」を副題としました。
 自分の作った漢詩を列挙するだけでは、読んで頂く人には、ちっとも面白くないでしょう。わたしが作り濱先生の添削を受けた漢詩を中心に披露しますが、先人たちが残した素晴らしい漢詩を、中国日本を通じて選び出し共に鑑賞し、漢詩にまつわるいろいろなエピソードなども紹介したら、内容が豊富になって面白いものになるのではないかと思い、構成しました。唐代の大詩人とわたしとのアンソロジー(?)。これも畏れを知らぬ素人ゆえの暴挙とお許しください。
 自分の漢詩は、まだまだ人さまに披露するようなレベルのものではないことは、わたし自身が十分に承知しています。しかし、わが郷土の大先達である廣瀬淡窓が、「どんな人でも経験や巧拙の差は別として、詩集は自分のものを必ず残すべきである」と説いていたということを知り、まとめてみる気持ちになりました。
 素晴らしい漢詩の世界を理解して頂ける人が一人でも増えれば、わたしにとってこれ以上の幸せはありません。
(中略)
 この度の出版に当たって平岡豊氏より「映像唐詩論」を寄稿して頂きました。詩句を映像表現として杜甫と李白を論じたもので、実に新鮮な切り口の論調です。編集の関係で巻末に掲載するようになりましたが、『漢詩雑話』の内容を、さらに充実して頂いたと感謝いたしております。【本書「はしがき」より】

版元から一言

 近藤俊彦さんは東京医科歯科大学出身の歯科医師であり、優秀な学問的素養を以て漢詩に興味を持たれ、日々の研鑽怠りなく、今や瞠目すべき実力を発揮されている。加齢に負けず益ますご壮健で、本書の参考文献を一覧しても明らかなように、趣味の域を越えて漢詩を研究され、私が添削を担当している日本漢詩教育会の一員として、意欲的に漢詩を寄稿されている。絶句は言うに及ばず、対句で困難な七言律詩にも挑戦され、その成果も評価し得るものが多い。実に近年、稀に見る会員として嘱目していた。旧臘突然書簡を頂き、『漢詩集』を上梓したい旨を伝えられ、私にその序文を求められた。作詩の数で少し心配したが、稿本では『漢詩雑話』とされ、自作の漢詩を軸として、漢詩に関する多彩な項目を詳述し、実にユニークな内容である。努力の成果に対し、心から敬意を表したい。

 そもそも漢詩は、作りやすい和歌や俳句と異なり、韻を踏んだり、平仄を合わせたり、基本的な規則でも二四不同二六対といった制約もあり、そのほか、五言絶句の場合は二字目、七言絶句の場合は四字目の孤平を禁止する。その他、同じ漢字が重複することを禁じたり、やかましい人は、冒韻と称して、起句・承句に同じ韻の字を使用しない規則をも要求する。従って、漢詩を好んでも、作詩を敬遠する人が多いことも納得できる。しかし、それでも漢詩を作ってみたいという人も多い。もっとも、和歌・俳句を作る人に較べれば、まさに晨星寥々たるが如き有様である。かてて加えて、漢詩を作る作詩法の講義は、大学でも見られない。また中国文学を担当する教師でさえ、漢詩を作る方は少ない。何故ならば、漢詩に巧みでも、論文の作成の数で昇進が決まる制度ゆえ、作詩の余裕もない。学生を指導する教師も、作詩は余技にとどめ、論文の作成に励めと忠告する。従って、むしろ民間に隠れた漢詩人が多いゆえんである。これらの漢詩愛好者が全国各地に集結し、全日本漢詩連盟も平成三十年、設立十五周年を迎え、石川忠久会長を中心に、困難な横断的組織を統括され、華々しい成果を挙げている。若い漢詩愛好者の輩出を期待したい。

 近藤俊彦さんが漢詩に興味を懐き、作詩に意欲を燃やされるのは、漢詩に対して、特殊な才能を持たれているのかもしれない。昔から詩は別才と云われたように、生まれながらの才能に恵まれているのであろう。本書の内容は自作の漢詩を軸として、漢詩作成の基本知識を始め、漢詩に関する苦心談あり、名詩の鑑賞あり、漢詩に見える時刻表の注意事項あり、井伏鱒二氏らの巧みな漢詩翻訳の成果も紹介され、実に多彩で類まれな内容である。しかも素晴らしい写真が掲載され、思わず自然に溶け込んで飽きさせない。まさに至れり尽くせりの編集で、『漢詩雑話』と題するゆえんである。特に著者の依頼により、私は鯨背吟に関する事項につき、『四庫全書提要』集部の記述を詳述し、従来、漢詩の解説書には見られない事項につき詳述した。この種の著述は、巷間あまり見られない。
 これを機会に漢詩の愛好者が増加することを期待し、あえて近藤俊彦さんが著した『漢詩雑話』を推薦するとともに、さらに第二集の出版を鶴首するものである。(下略)
【本書「序」(大東文化大学元教授・全日本漢詩連盟理事 濱久雄)より】

著者プロフィール

近藤 俊彦  (コンドウ トシヒコ)  (

昭和14(1939)年11月11日生まれ。昭和33年、大分上野丘高校卒。昭和41年、東京医科歯科大学歯学部卒。歯学博士。昭和41年7月、大分県津久見市に近藤歯科医院を開設。現在に至る。
臼津歯科医師会理事・副会長、大分県歯科医師会理事・専務理事・会長。大分県警察嘱託歯科医会理事・会長。日本歯科医師会代議員、日本歯科医師連盟評議員・理事を歴任。
津久見樫の実会会長。津久見樫の実少年少女合唱団を創設。津久見市文化の日表彰。大分県知事表彰。
平成13年藍綬褒章。平成25年旭日小綬章。
平成27年11月、日本漢詩教育会に入会。濱久雄先生に師事。本書の出版を機に「麟涯(りんがい)」の雅号を拝受。

上記内容は本書刊行時のものです。