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シュロスセラピー
最新のシュロス法による側弯症の保存療法(運動療法・装具療法)
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年4月17日
- 書店発売日
- 2020年4月17日
- 登録日
- 2020年2月20日
- 最終更新日
- 2020年5月9日
紹介
日本では手術以外に改善する方法はないと言われている側弯症であるが、海外では装具治療の有効性、運動療法の可能性が認められている。
手術療法には長期的な合併症の問題が報告されており、これを念頭に考えると、特有の副作用やリスクがない保存療法(装具療法と運動療法)に挑戦することは大きな意味があると言える。
ドイツには世界で最も有名なシュロス法という有効な運動療法がある。
1920年代にクリスタ・レーナルト・シュロスによって始められたこのシュロス法は90年以上の歴史があり、側弯症の改善においてこれまでも高い実績をあげている。シュロスファミリーの3代目であるDr. ハンス・ルドルフ・ワイスはこの運動療法を、より効果的に、かつシンプルなプログラム、Schroth Best Practice® (シュロスベストプラクティス®)へと進化させた。本書はそのシュロスベストプラクティス®の原理と運動療法の取り組み方を具体的に、詳細に示している。
シュロスベストプラクティス®は、1.Physiologic, 2.Activity of Daily Living, 3.3D made easy,4.Power Schroth, 5.Walking で構成される。その特徴は側弯を3D(矢状面、前額面、水平面)で矯正することである。特に、1.Physiologicは、第2腰椎の高さで腰椎の前弯を正しく作ることで脊柱の側弯やねじれを最小限に抑制する矯正動作であり、治療結果を劇的に改善した注目の治療法である。2.Activity of Daily Livingでは日常生活において側弯を改善する動作を、3.3D made easyでは呼吸法を取り入れて簡単な3次元の運動を習得する。全て個々のカーブに特化した運動療法である。
目次
日本語版監修者序文
序文 Foreword
1. 序論
2. 歴史
2.1 カタリナ・シュロスの側弯症治療メソッド
シュロス法とその進化
最初の研究─最初の科学的エビデンス
シュロスベストプラクティス®の世界への普及
最近の進化
3. 側弯症に特化したリハビリテーション(運動療法)文献レビュー
シュロスの方法論とベストプラクティス®
モビライゼーション/脊柱のマニピュレーション
エビデンスのないメソッド/禁忌
4. 診断評価 000
4.1. レントゲン検査所見
4.1.1 Cobb角によるカーブの角度
4.1.2 脊柱の回旋の計測
4.1.3 骨成熟度の評価
4.2 臨床における計測法
4.2.1 スコリオメーターTM=側弯計
4.2.2 その他の臨床的な計測法
4.3 体表計測による体幹の客観的形態分析
5. 保存療法の適応
定義 Definition
病因 Etiology
疫学 Epidemiology
分類 Classification
保存的な管理の目的
コブ角および骨成熟に基づくリハビリテーションと装具治療の適用
Ⅰ.小児(成熟の兆候なし、年齢6-10歳)
Ⅱ.小児と思春期の子供 Risser 0-3、成熟の兆候あり
(成熟時の身長の98%未満)
Ⅲ.思春期の子供、Risser 4(成熟時の身長の98% 以上)
Ⅳ. Risser 4-5 での初診(成熟時の身長の99.5% 以上)
Ⅴ. 成人 コブ角>30°
Ⅵ. 慢性疼痛を有する思春期の子供と成人(コブ角にかかわらず)
予測される治療効果
6. 理学療法的知見
6.1 レーナルト・シュロス分類の拡張
6.1.1 3CHパターンの典型的特徴(Fig.6.8)
6.1.2 3CTLパターンの典型的特徴(Fig.6.12)
6.1.3 3CNパターンの典型的特徴(Fig.6.13)
6.1.4 3CLパターンの典型的特徴(Fig.6.14)
6.1.5 4Cパターンの典型的特徴(Fig.6.15, Fig.6.16)
6.1.6 4CLパターンの典型的特徴(Fig.6.17, Fig.6.18)
6.1.7 4CTLパターンの典型的特徴(Fig.6.19)
6.1.8 構築的な胸椎ダブルカーブの側弯症の典型的特徴(Fig.6.21)
7. シュロスベストプラクティス®プログラム
7.1 フィジオロジック®プログラム
7.1.1 フィジオロジック®エクササイズプログラム
7.2 日常生活の動作(ADL) の指導
7.3 3Dメイドイージープログラム
7.3.1 機能的3カーブ(3C)パターン治療のための3Dメイドイージー(3CLを除く)
7.3.2 機能的4カーブ(4C)パターン治療のための3Dメイドイージー(3CLを含む)
7.4 " パワーシュロス" カタリナ・シュロスのメソッドによる3 次元側弯症治療の更なる進化
7.4.1 マッスルシリンダー
7.4.2 50回エクササイズ
7.4.3 ドアハンドルエクササイズ
7.4.4 フロッグアットザポンド=池のカエル
7.4.5 レイジングザぺルビス=骨盤を上げる
7.4.6 矯正強化法
7.4.7 機能的4カーブにおける矯正メカニズムの特殊性
7.5 ウォーキングリハビリテーション
7.6 短期間のリハビリテーション
短期側弯症リハビリテーションプログラム
7.7 子供のための理学療法的側弯症治療
7.7.1 PEPエクササイズの基本原理
7.7.2 エクササイズの説明
7.8 コブ角70°以上の非代償性胸椎カーブに対する治療( シュロス原法)
7.8.1 シュロス原法における一般的な矯正原理
7.8.2 シュロス原法における特別な矯正原理
7.9 デテザリングエクササイズ
脊柱変形治療のための神経を動かすテクニック=デテザリング
8. 側弯症治療のための理学療法的バイオフィードバック
9. 装具治療
9.1.1 側弯症治療における体幹装具の多様性
9.1.2 装具の矯正効果
9.1.3 レントゲン上/美容的(外観の)矯正
9.1.4 装具治療に関連する心理的問題
9.1.5 装具着用のための学び
9.1.6 治療期間と装具治療の終了
9.2 よくある質問(FAQ)- 患者は装具治療に何を期待できるか?
1. 装具は痛いですか?
2. どの程度の矯正効果が期待できますか?
3. 20°以下のカーブでも装具治療を行う必要がありますか?
4. 装具治療の成功の定義とは何ですか?
5. 装具はどのくらいの間着用するのですか?
6. 装具治療中、継続的にリハビリテーション(運動療法)を行う必要がありますか?
9.3 装具治療 今後の展望
9.4 非特発性の側弯症に対する装具治療
索引
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。