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ワーグナーシュンポシオン 2019 日本ワーグナー協会(編) - アルテスパブリッシング
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ワーグナーシュンポシオン 2019 (ワーグナーシュンポシオン ニセンジュウク) 特集 ワーグナーとイタリア (トクシュウ ワーグナートイタリア)

芸術
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A5判
184ページ
並製
価格 2,900円+税
ISBN
978-4-86559-204-7   COPY
ISBN 13
9784865592047   COPY
ISBN 10h
4-86559-204-0   COPY
ISBN 10
4865592040   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月25日
書店発売日
登録日
2019年6月12日
最終更新日
2019年7月30日
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紹介

『ワーグナーシュンポシオン』は、わが国におけるワーグナー研究の成果やワーグナー芸術にかんする多様な情報を発信する年刊誌。
「シュンポシオン」とは、古代ギリシャで酒を酌み交わしながら行われていた議論のことで、プラトンの対話篇『饗宴』の原題でもあります。
本誌を、ワーグナーについて真摯かつ自由闊達に語り合う場にしたいとの願いが、この誌名にこめられています。

本号では、まず巻頭インタビューに、アマチュア・オケでありながら《リング》4部作全曲上演という壮挙に取り組む愛知祝祭管弦楽団から音楽監督の三澤洋史氏、団長の佐藤悦雄氏、演出を務める佐藤美晴氏が登場。
特集は「ワーグナーとイタリア」と題し、イタリアにおけるワーグナー受容、イタリアを舞台にしたワーグナーの知られざる未完の作品、ワーグナーとヴェルディのシラー受容について論ずる。
エッセイはオペラ演出家・菅尾友氏、音楽評論家・山崎浩太郎氏、作曲家・指揮者、杉山洋一氏が寄稿。
その他バイロイト音楽祭や国内の上演報告、内外の文献紹介ほか最新情報も満載。

目次

■巻頭インタビュー ワーグナー今年の顔
愛知祝祭管弦楽団──三澤洋史氏、佐藤悦雄氏、佐藤美晴氏(聞き手:鈴木伸行)

 まえがき(杉谷恭一)

■特集──ワーグナーとイタリア
イタリア・オペラにおけるワーグナーの影響─《ローエングリン》のイタリア初演をめぐって(小畑恒夫)
遙かなる時代への憧憬──ワーグナーの《サラセンの女》(小林幸子)
[連載『ワーグナースペクトラム』誌掲載論文]
ワーグナーとヴェルディ──その対極的なシラー受容(ディーター・ボルヒマイアー/杉谷恭一訳)

■エッセイ
ヴュルツブルク歌劇場《神々の黄昏》演出に向けて(準備編)(菅尾 友)
世の憂き人に伝ふべし──ローエングリンと羽衣(山崎浩太郎)
イタリアのワーグナー(杉山洋一)

■上演報告
バイロイト音楽祭 二〇一八──ユヴァル・シャロン新演出の《ローエングリン》、やむを得なかった未完成?(舩木篤也)
国内ワーグナー上演 二〇一八──びわ湖と愛知で《指環》の競演、東京では《ローエングリン》二本(山崎太郎)
カールスルーエ歌劇場《指環》チクルス後半の報告(森岡実穂)

■書評
国内ワーグナー文献 二〇一八(江口直光)
海外ワーグナー文献 二〇一八(フランク・ピオンテク/松原良輔訳)

 執筆者紹介

■海外ワーグナー上演 二〇一八(曽雌裕一)

 日本ワーグナー協会二〇一八年度活動記録

前書きなど

まえがき

 『ワーグナーシュンポシオン』二〇一九年号をお届けします。
 巻頭の「ワーグナー今年の顔」として、愛知祝祭管弦楽団音楽監督の三澤洋史、団長の佐藤悦雄、そして演出担当の佐藤美晴の三氏へのインタビューを掲載しました。ご存じのように、同楽団は、今年八月の《神々の黄昏》上演をもって《ニーベルングの指環》全曲上演という、わが国のアマチュア・オーケストラ史上空前の壮挙を達成予定ですが、ここに至るまでの経緯を軸にしつつ、興味深くかつ含蓄に富むお話が展開されます。聞き手は当協会理事長の鈴木伸行(本誌編集委員)です。
 さて、本号は「ワーグナーとイタリア」という特集を組み、ワーグナーとイタリアの関わりに考察の目を向けた三編の論文を掲載しました。冒頭に置いたのは、小畑恒夫氏(音楽学)による「イタリア・オペラにおけるワーグナーの影響──《ローエングリン》のイタリア初演をめぐって」です。本稿は、一八七一年にボローニャで行われた《ローエングリン》公演という、イタリア初の本格的なワーグナー体験を軸に、作曲家ヴェルディ、同公演を担当した指揮者・音楽監督マリアーニ、そして作曲家・オペラ台本作家ボーイトを中心に、当時のイタリア・オペラ界がいかにワーグナー芸術と向き合ったかを立体的に描き出すもので、同時代のイタリアにおけるワーグナー受容の様態を具体的に論じた貴重な論考です。次に掲載した、小林幸子氏(音楽学)の「遙かなる時代への憧憬──ワーグナーの《サラセンの女》」は、これまでほとんど顧みられてこなかったオペラ台本散文草稿《サラセンの女》(一八五三)を正面から取り上げた論考です。小林氏は、中世シチリア王国を舞台としたこの五幕のドラマについて、草稿に先立つ二編のスケッチの消息、劇展開、ドラマの歴史的背景、創作の放棄と再開の経緯などを考察し、「ワーグナーの知られざる一面」に光を当てることによって、ワーグナー理解に奥行きを加えています。特集論文の第三編は、『ワーグナースペクトラム』誌二〇一七年号第二冊に掲載されたディーター・ボルヒマイアー氏(ドイツ文学・演劇学)の「ワーグナーとヴェルディ──その対極的なシラー受容」(杉谷恭一訳)です。概要については「訳者まえがき」をお読みください。
 続くエッセイ三編はいずれも読者の関心を喚起してやまない内容に満ちています。まず、オペラ演出家、菅尾友氏の「ヴュルツブルク歌劇場《神々の黄昏》演出に向けて(準備編)」は、今年ヴュルツブルク歌劇場で上演された《神々の黄昏》(五月二六日プレミア)の演出を担当するに至った経緯やヨーロッパにおける演出歴に、才気に富む作品解釈や演出構想を織り込んで、菅尾氏の今後の活躍への期待をそそる一編です。次に配したのは、音楽ジャーナリストの山崎浩太郎氏による「世の憂き人に伝ふべし──ローエングリンと羽衣」です。博覧強記に裏打ちされた山崎氏の連想は、能の『羽衣』と《ローエングリン》をめぐって、ボードレールの『高翔』、チャップリンの『独裁者』、三島由紀夫の『弱法師』とその蜷川演出にまで自在に飛翔し、読み手を知的愉悦の高みへといざないます。エッセイの最後に、特集テーマにふさわしい一編として、作曲家・指揮者、杉山洋一氏による「イタリアのワーグナー」を配しました。杉山氏は、現代イタリアの作曲家であるマンゾーニとドナトーニのワーグナーとの関わりに言及したのち、第一次大戦期、一九世紀末へと時代をさかのぼりつつ、歴史への知見を背景に、いわば知られざる「イタリア・ワグネリズム」にまつわる興味深い事実を記しています。
 上演報告の先頭に置いた舩木篤也氏の「バイロイト音楽祭報告二〇一八」は、対象を二〇一八年の新プロダクション、すなわちバイロイト初のアメリカ人演出家ユヴァル・シャロンによる《ローエングリン》に限定して論評しています。舩木氏は各幕の流れを、演出上の特色を含めて素描したのち、そこで呈示されたさまざまな意匠が未消化のまま併存していることを示し、さらに、レーニンの電化政策から得たという着想とエルザの二度の解放がかみ合うことなく終わっていると指摘しています。さらに個々の出演者と指揮者ティーレマンについての興味深い論評がなされます。続く山崎太郎氏「国内ワーグナー上演二〇一八」は、《ローエングリン》(東京二期会)、《ヴァルキューレ》(びわ湖ホール)、《ローエングリン》(東京・春・音楽祭)、《ジークフリート》(愛知祝祭管弦楽団)という、演奏会形式を含む四公演について、上演の全般に耳と目の行き届いた明快な報告を行っています。上演報告の最後は、森岡実穂氏による「カールスルーエ歌劇場《指環》チクルス後半の報告」です。前号の続きとして四人の演出家による《指環》の後半、《ジークフリート》と《神々の黄昏》(ただし《ジークフリート》については、日程の都合で実演を観ることができなかったため、プログラムのインタビュー、写真集、批評記事等を参考にしてまとめたとのこと)の創意に富む演出が、的確な洞察によって解きほぐされていきます。
 「国内ワーグナー文献二〇一八」では、江口直光氏により、ワーグナーの著作『ベートーヴェン』を中心に論文数編を収めた訳書のほか、紀要等に掲載された論文六点が取り上げられています。前者が待望久しい出版であることはいうまでもありませんが、後者も、国内の大学においてワーグナー研究が着実に続けられていることを示すものです。続くフランク・ピオンテク氏(松原良輔氏訳)による「海外ワーグナー文献二〇一八」では、ワーグナーと仏教に関する著作、法学者による《ニーベルングの指環》における不法行為を論じた著作、一八三一~八三年にライプツィヒの新聞に掲載されたワーグナーに関する記事を集めた、ワーグナー受容に関する興味深い一冊、そして、森岡実穂氏による報告が本誌に掲載された、四人の演出家によるカールスルーエの《ニーベルングの指環》について、当の劇場が編集した一冊が紹介されています。
 そして例年どおり、巻末に会員の曽雌裕一氏による上演データ「海外ワーグナー上演二〇一八」を掲載しました。
 さて、本誌も本号をもって八冊めとなりました。編集委員一同は、日本におけるワーグナー受容に資するべく有意義な誌面作りに腐心しておりますが、会員の皆様からも忌憚のないご意見・ご要望をお寄せいただければありがたく存じます。

編集委員を代表して 杉谷恭一

著者プロフィール

日本ワーグナー協会  (ニホンワーグナーキョウカイ)  (

1980年4月11日に産声をあげた日本ワーグナー協会は、19世紀ヨーロッパの精神文化を代表するリヒャルト・ワーグナーの芸術を探求し、広く紹介すること、それによって日本の芸術文化に貢献することを目的としています。東京で開催される月例会、関西・名古屋等の定例会を活動の中心に、テーマ別に専門家を講師に招き、講演会、レクチャーコンサート、DVD鑑賞会、パネルディスカッションなどを開催し、ワーグナーの芸術を正しく紹介するよう努めています。また、来日中の外国の著名な演奏家、演出家、研究者らを招いた公開インタビューや、彼らを囲むパーティー等さまざまなプログラムも企画しています。出版活動では、多彩な執筆陣による年1回の総合研究誌『ワーグナーシュンポシオン』刊行のほか、年4回協会機関紙『リング』を発行。さらに研究成果の集大成ともいえるワーグナー作品の音楽註・訳註つき対訳本は、23年の歳月をかけ、2013年全作品の対訳が完結いたしました。また、バイロイト祝祭劇場をはじめとする欧米音楽界と密接な情報交換や人的交流を行うなど、民間レベルでの文化交流の架け橋として国際親善にも少なからず寄与しています。
日本ワーグナー協会 公式ホームページ:http://wagner-jp.org/

上記内容は本書刊行時のものです。