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旅する作曲家たち コリンヌ・シュネデール(著) - アルテスパブリッシング
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旅する作曲家たち
原書: LA MUSIQUE DES VOYAGES

B6変型判
328ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-86559-201-6
Cコード
C1073
教養 単行本 音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月30日
書店発売日
登録日
2019年3月26日
最終更新日
2019年5月5日
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書評掲載情報

2019-04-28 読売新聞  朝刊

紹介

作曲家は音楽を手に携えて旅をする──
《ラ・フォル・ジュルネ音楽祭》日仏共通オフィシャルブック!
「行け! 外へ出て、遠方をめざせ!
 世界こそ、芸術家が挑むべき舞台!」
 ──C.M.v.ヴェーバー

修行のため400kmを徒歩で旅した大バッハ、
ヨーロッパ中を狂乱させたパガニーニの楽旅、
バルトークの民族音楽研究旅行、
豪華客船や鉄道に熱狂したタンスマンやオネゲル、
山をこよなく愛したマーラー、
転地療法に望みをかけたショパン……
旅はいかに作曲家たちの想像力を刺激したのか──

本書は、今年もゴールデン・ウィーク(5月3~5日)に開催される
《ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019》の日仏共通オフィシャルブックです。

目次

 日本語版に寄せて(ルネ・マルタン)

 はじめに 旅へのいざない

第1章 旅立つ音楽家たち(1)

研鑽・留学
就職
 起業・教授活動
新作受注
演奏旅行
 ピアニストの旅──タールベルクとリストの場合
 ヴァイオリニストの旅──パガニーニとヴュータンの場合
 指揮者の旅──ベルリオーズの場合
 二〇世紀の世界ツアー──タンスマンの場合

第2章 旅立つ音楽家たち(2)

音楽祭
 音楽祭の誕生
 ニーダーライン音楽祭
 ベートーヴェン音楽祭
 ヴァグネリアンたちの「バイロイト詣で」
万国博覧会
 民族音楽がいざなう擬似旅行
 万博から生まれた音楽作品

第3章 旅立つ音楽家たち(3)

民族音楽学者たちの調査旅行
 民族音楽学の誕生
 ヴォーン・ウィリアムズ、コミタス、イーデルゾーン、ブラィロイユの旅
 バルトークの旅
 フロレンツの旅
 民族音楽学が「旅をしない作曲家たち」に与えた影響
フィールド・レコーディング
余暇
 山に魅せられた作曲家たち
 ショパンの転地療養
 温泉地へ旅立った作曲家たち
「観光」の誕生

第4章 作曲家と移動手段

徒歩か列車か
飛行機
馬車

豪華客船と世界周航
船旅と海の脅威
川船

汽車
現代性の象徴としての鉄道
 鉄道を表現した作曲家たち
列車の記憶

【コラム】旅する楽器たち

第5章 音楽と航海

海に魅せられた作曲家たち
 ロパルツ、ベルリオーズ、シャブリエ
 メンデルスゾーンが音で描いた航海
 ドビュッシーと「流動する物質」としての海
 イベールの《海の交響曲》
船乗りだった作曲家たち
 アルベール・ルーセル
 アントワーヌ・マリオット
 ニコライ・リムスキー゠コルサコフ
 ジャン・クラ──音楽界のピエール・ロティ

第6章 八十曲と世界一周

ヨーロッパへの旅
 フランス
 スコットランド
 エストニア
 フィンランド
 ロシア
 コーカサス地方
 ポーランド
 ハンガリー
 ルーマニア
 スイス
 イタリア
 スペイン
中東・アフリカへの旅
 中東
 サハラ砂漠
 アルジェリア
 エジプト
 ギニア
 アルジェリア
 ガーナ
 ケニア
 イラン
インドへの旅
インドネシアへの旅
極東への旅
 中国
 日本
 中国
 日本
 中国
アメリカ大陸への旅
 カリブ海地域
 ブラジル
 キューバ
 メキシコ
 アメリカ合衆国

おわりに オデュッセウスの帰還

 訳者あとがき

 原注

 参考文献
 人名索引

前書きなど

日本語版に寄せて

 昨年の「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭では、「亡命」をテーマに掲げ、主に政治的な理由で旅立たざるをえなかった作曲家たちに光を当てました。このテーマにかかわる楽曲をできるかぎり把握し、選曲を進めていく中で、作曲家たちは旅を強いられただけでなく、すすんで旅に出ることもあったという明白な事実を再確認しました。そして、この種のポジティヴな旅から生まれた楽曲の質と量に圧倒されました。今年の音楽祭は「旅」をテーマに催されますが、それは「移動」を通じて他者や異文化と出会った作曲家たちに、「亡命」とは全く異なる角度から光を当てることを意味します。
 本書で音楽と旅の関係にさまざまな角度から光を当ててくれたのは、私の古くからの友人で、音楽史に幅広く精通した音楽学者、コリンヌ・シュネデール氏です。氏には、音楽祭のテーマと、私がプログラミングした曲目を事前にお伝えしたうえで、聴衆の知的好奇心をそそるような本を自由に書いてほしいとお願いしました。結果として氏は、ルネサンス期から21世紀まで、音楽史上をかろやかな足取りで行き来しながら、旅をした作曲家たちが「何を」「どんなふうに」創作したのかを掘り下げてくれました。フランスにはこれまで、旅を切り口に西洋音楽史を解き明かす本は存在しませんでした。作曲家たちの移動手段の考察にも十分な紙幅を割いたシュネデール氏の着眼点は、本書にさらなる独自性を与えています。
 最終章では、フランスの小説家ジュール・ヴェルヌ──彼はラ・フォル・ジュルネと同じくナントの生まれです──の代表作『80日間世界一周』さながらに、旅にまつわる80曲の解説を読み進めながら世界中をまわることができます。皆さまにとっては、各地から送られてくる色とりどりの絵葉書を次々と眺めるような、楽しい読書体験となるはずです。
 この書が読者の方々の音楽鑑賞を刺激し、さらには旅への渇望をかきたてることを、願ってやみません。

2019年2月 東京にて

「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭 アーティスティック・ディレクター
ルネ・マルタン

著者プロフィール

コリンヌ・シュネデール  (コリンヌ シュネデール)  (

1969年、フランス生まれ。音楽学者(専門は19世紀~現代)、執筆家、教師、放送作家。パリ国立高等音楽院で音楽史、美学、理論などを学ぶ。パリ第4大学(ソルボンヌ)メトリーズ課程でリスト研究家セルジュ・グートに師事。2002年、トゥール・フランソワ゠ラブレー大学に、第2帝政期フランスにおけるドイツ歌劇の受容にかんする博士論文を提出。博士(音楽学)。著書に『ヴェーバー』(Gisserot, 1998)、『シューベルトの影』(Fayard, 2007)などがある。

西 久美子  (ニシ クミコ)  (

日仏英翻訳者。2005年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。2008年、リヨン第2大学修士課程修了。訳書にJ.‐J.エーゲルディンゲル『ショパンの響き(小坂裕子監訳、音楽之友社)、E.レベル『ナチュール 自然と音楽』、C.パオラッチ『ダンスと音楽』、E.バリリエ『「亡命」の音楽文化誌』(以上アルテスパブリッシング)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。