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楽典 小鍛冶 邦隆(監修・著) - アルテスパブリッシング
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楽典 (ガクテン) 音楽の基礎から和声へ (オンガクノキソカラワセイエ)

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A5判
224ページ
ビニールカバー装
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-86559-197-2   COPY
ISBN 13
9784865591972   COPY
ISBN 10h
4-86559-197-4   COPY
ISBN 10
4865591974   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年4月20日
書店発売日
登録日
2019年2月28日
最終更新日
2021年6月16日
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重版情報

4刷 出来予定日: 2024-03-10
3刷 出来予定日: 2021-06-25
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紹介

楽譜の読み書きから基本的な和声学習までをカヴァー。
東京藝大教授陣が執筆する新時代のスタンダード!
はじめの一歩こそ本格派で──

初歩的な楽譜の読み方と理解に始まり、
現代音楽にも通用する音程の厳密な把握、
音部記号を利用した移調法の実践、
本格的な理論学習の導入となる和声の基礎、
そして歴史的な観点からの楽語や演奏記号の解説まで、
最高水準の音楽的知を結集した入門書の決定版。

東京藝術大学音楽学部および同附属音楽高等学校が採用!

これまでの楽典と、どこが違う?

◎東京藝術大学音楽楽部の音楽理論・ソルフェージュ教育に準拠し、
 同附属音楽高等学校がはじめて教科書に採用する楽典。
 2020年以降の同大学の入試問題は本書の内容にもとづいて作成されます。

◎音楽大学入試向けの暗記中心の練習問題と解答というスタイルはとらず、
 教育・演奏・創作の現場に即した、より実践的で音楽的な記述を重視しました。
 たとえば、いかにも入試用の「調判定」でなく、
 より音楽的感性を重視した「調性分析」として解説しています。

◎楽典の基本的な内容である「楽譜の読み書き」だけでなく、
 その後のソルフェージュ教育や和声教育にも連結する
 音程・音階・和音・調・和声といった教程に多くのページを割きました。
 執筆者のひとりでもある林達也氏の著作
 『新しい和声』(弊社刊)への導入という役割を果たすとともに、
 この『楽典』1冊でも基本的な和声の知識まで身につくように構成されています。

◎演奏記号・発想標語については、
 その歴史的な成立過程に着目した音楽学的な記述となっており、
 その記号・標語の根底にある意味を知ることができます。

目次

監修者のことば(小鍛冶邦隆)

第1章 五線と加線(執筆:平川加恵)

五線と加線
音部記号
音部記号のあらわす音高
声部記号と譜表
 大譜表と総譜(スコア)

第2章 音名と変化記号(執筆:平川加恵)

幹音
オクターヴ
音名と音域
変化記号
異名同音
調号
 調号の書き方
 調号の効力
臨時記号
 臨時記号の効力
 同じ小節内で同じ幹音に異なる臨時記号が2回つけられる場合
 注意喚起のための指示

第3章 音符と休符(執筆:照屋正樹)

音符の各部分の名称
音符の表記上の諸注意
音符の種類と名称
付点音符
複付点音符
フェルマータ
休符
連符
 3連符
 2連符
 4連符
 5連符・7連符
 6連符
タイとスラー

第4章 縦線と小節、拍と拍子(執筆:照屋正樹)

反復にかんする記号、指示語
拍と拍子
拍子記号
 CとC|
強起と弱起
拍子の種類
 単純拍子
 複合拍子
 混合拍子
 1拍子
 小音符
 ヘミオラ
拍子の変更
拍子とテンポ
シンコペーション
拍や拍子がわかりやすいリズム表記
例外的なリズム表記

第5章 音程(執筆:小鍛冶邦隆)

音程
 音程の数え方
 単音程と複音程
 転回音程
音程の算出のしかた
 臨時記号を含む音程(半音階的音程)
協和音程と不協和音程
第6章 音階・調(執筆:小鍛冶邦隆)
音階
 長音階
 短音階
調
 移調
 調号
 近親調
 五度圏
 転調と移調
 移調の方法
 音部記号をもちいた(入れ替えた)移調法
 その他の音階
 教会旋法

第7章 和音(執筆:林達也)

自然倍音と和音
和音の表示法
 和音度数による表示法(三和音)
和音の機能
通奏低音(数字)による表示
三和音、四和音、五和音
三和音
 長三和音
 短三和音
 増三和音
 減三和音
減三和音の和音数字について
 属和音(7度和音)としての減三和音(主和音に解決する場合)
 2度和音としての減三和音(短調において属和音へ進行する場合)
四和音(7の和音)
 長7和音
 短7和音
 属7和音
 減5短7和音
 減7和音
五和音(9の和音)
 属長9和音
 属短9和音
その他の四和音(7の和音)
 増5長7和音
 短3長7和音
 変化和音
カデンツ(終止形)
 半終止
 全終止
 変格終止(またはプラガル終止)
 偽終止
 中断終止
 その他の終止形

第8章 非和声音、転調、調性分析(執筆:林達也)

非和声音(和音外音)
 経過音
 刺繍音
 掛留音
 倚音(アポッジャトゥーラ)
 逸音
 先取音
 非和声音が複合的に生じる場合
 半音階的経過音
 経過的倚音
転調
 転調について
調性分析
調性分析の方法
 調性分析の要点

第9章 演奏記号(執筆:大角欣矢)

速度記号
 遅めのテンポ
 中程度のテンポ
 速めのテンポ
速度標語にたいしてよく使われる付加語・接尾辞
 付加語
 接尾辞
速度標語に転用された発想標語
速度標語と発想標語の組み合わせ
特殊なテンポ表示
 Tempo giusto
 楽曲のタイプ名によるテンポ表示
 自由なテンポの表示
 テンポを2倍にする場合
 途中で別のテンポに移ったあとで、もとのテンポに戻る表示
 前のテンポを引き続き維持する場合
速度の局所的な変化
Tempo Iとa tempoの違い
よくもちいられる独仏語による速度標語
強弱記号
 強弱をあらわす基本的な記号
 強さの変化
発想標語
アーティキュレーション記号
 音を滑らかにつなげる(レガート)
 一音一音を切り離して演奏する(スタッカート)
 一音一音をやや切りぎみに奏する(ノン・レガート)
一般的な奏法上の指示
 アルペッジョ(arpeggio)
 グリッサンド(glissando)、ポルタメント(portamento)、スライド(slide)
 トレモロ(tremolo, trem.)
 弱音器の使用
 attacca:間を置かず、すぐ次へ続けて
 フェルマータ(fermata)
おもな楽器特有の奏法表示
 ピアノ
 ヴァイオリン属
 管楽器
 打楽器
 声楽
合奏における奏法上の指示
略記法
 同音反復
 同一音型の反復
 simile
 sempre
 オクターヴ高く、または低く
 オクターヴの重複
装飾音・装飾記号
 前打音と後打音
 トリルとターン

あとがき(照屋正樹)

付録 演奏用語一覧
索引

前書きなど

監修者のことば

東京藝術大学音楽楽部作曲科教授
小鍛冶邦隆

 本書は、東京藝術大学音楽学部および同附属音楽高等学校でのソルフェージュ、和声などの理論科目の授業や大学入学試験問題の水準に対応し、上記授業を担当する教員が共同執筆し、小鍛冶が全体の監修をおこなったものです。各章の執筆者名は目次および各章のタイトルページに記しました。
 「楽典」はほんらい、ソルフェージュや和声の学習にともなう音楽的知識や音楽用語を学ぶためのものであり、とうぜんながら演奏技術習得のうえでも必要なものです。
 パリ国立高等音楽・舞踊学校(パリ国立高等音楽院)は、ヨーロッパ最初の音楽教育機関として1795年に設立されましたが、同校では、ソルフェージュと和声の教本に次いで、同校教授で和声教本でも知られるA.サヴァールが1861年に出版した『音楽の原理(Principes de la Musique)』が、「楽典」(eorie de la musique=音楽理論)を教えるものとして指定教科書となりました。
 このように、音楽教育があるていどの歴史性と水準に到達した時点ではじめて、本格的な楽典の教科書が書かれるともいえます。
 日本でも明治時代の音楽取調掛以降、戦前・戦後から現在にいたるまで、多くの楽典が出版されてきましたが、その嚆矢となったのは、1883年(明治16)に刊行されたユーシー(Jousse)著『音楽問答』、メーソン(Mason)著『音楽指南』、そしてカルコット(Callcot)著『楽典』という一連の翻訳書でした。それから136年の歳月を重ねたいま、本書『楽典─音楽の基礎から和声へ』の刊行は、東京藝術大学の現時点の教育水準と教育目標を設定するにとどまらず、日本におけるヨーロッパ音楽修得の重要な段階を画するものといえるでしょう。
 本書は、初歩的な段階からの楽譜の読み方と理解に始まり(第1~4章)、第5章「音程」、第6章「音階・調性」では、歴史的視点の理解とともに、現代音楽の演奏にも必要な知識としての音程の厳密な把握やその作り方、そして音楽家にとって伝統的に必須の技術とされてきた、音部記号を利用した移調法を実践的に解説し(前記サヴァールの著作でも、副題でもある「移調の方法」に、かなりのページ数を割いています)、古典的調性と演奏とを結びつけて使いこなせるように構成されています。
 さらに第7章「和音」、第8章「非和声音、転調、調性分析」では、従来の楽典にくらべ、より実践的な和声の基礎知識を学びます。東京藝大音楽学部および同附属音楽高校で使用されている和声教科書である林達也(本書第7・8章を執筆)著『新しい和声』への導入的学習としての目的も重視されています。多くの音楽大学や音楽高校において、学生たちがしばしば困難に直面する和声授業への予備として、問題点を常時整理・解決することのできるように構成されています。またここでは、いかにも入試に対応するような「調判定」という考え方ではなく、演奏にも応用できる調構造=音楽形式の理解のために「調性分析」も重視されています。
 第9章「演奏記号」は、歴史的な観点から楽語の理解がはかられ、たんなる知識(用語集)でなく、「音楽」を歴史的・様式的に理解する意図を反映したものとなっています。
 東京藝術大学音楽楽部作曲科における理論関係の授業やソルフェージュ教育の基準となるべく編纂された本書を、ぜひ多くの音楽大学、音楽高校で利用していただきたいと思います。

著者プロフィール

小鍛冶 邦隆  (コカジ クニタカ)  (監修・著

東京藝術大学音楽楽部作曲科教授
東京藝術大学大学院をへて、パリ国立高等音楽院作曲科、ピアノ伴奏科、およびウィーン国立音楽大学指揮科に学ぶ
クセナキス作曲コンクール(パリ)第1位
著書に『作曲の技法』(音楽之友社)、『作曲の思想』(アルテスパブリッシング)、
訳書に『ケルビーニ 対位法とフーガ講座』(アルテスパブリッシング)など

大角 欣矢  (オオスミ キンヤ)  (

東京藝術大学音楽学部楽理科教授
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了、同博士課程単位取得退学
専門は西洋音楽史。とくに16–18世紀ドイツの宗教音楽に重点をおいて研究

照屋 正樹  (テルヤ マサキ)  (

東京藝術大学大学院音楽研究科ソルフェージュ研究室教授
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学大学院修了
第47回日本音楽コンクール作曲部門入選
洗足学園前田奨学金を得てパリに留学(フォルマシオン・ミュジカル、ピアノ、楽曲分析を研究)

林 達也  (ハヤシ タツヤ)  (

東京藝術大学音楽学部作曲科准教授
フランス政府給費留学生として渡仏
パリ国立高等音楽院、パリ・エコール・ノルマル音楽院およびルエイユ・マルメゾン音楽院などで研鑽を積む
卒業後はピアニストとして数多くの演奏会に出演
著書に『新しい和声』(アルテスパブリッシング)、『バッハ様式によるコラ―ル技法』(共著、音楽之友社)など

平川 加恵  (ヒラカワ カエ)  (

東京藝術大学音楽楽部附属音楽高等学校教諭
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学大学院修士課程修了
第81回日本音楽コンクール作曲部門第1位、岩谷賞(聴衆賞)、明治安田賞受賞。第29回現音作曲新人賞において富樫賞、聴衆賞受賞

上記内容は本書刊行時のものです。