版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
ブルクミュラーで指揮法入門 山本 訓久(著) - アルテスパブリッシング
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:
注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
JRC     ト・日・他     書店
直接取引:あり
返品の考え方: すべての商品の返品を無期限で承ります(了解者=鈴木)

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

ブルクミュラーで指揮法入門 (ブルクミュラーデシキホウニュウモン)

芸術
このエントリーをはてなブックマークに追加
A5判
256ページ
ビニールカバー装
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-86559-194-1   COPY
ISBN 13
9784865591941   COPY
ISBN 10h
4-86559-194-X   COPY
ISBN 10
486559194X   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年12月20日
書店発売日
登録日
2018年12月30日
最終更新日
2018年12月30日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

ピアノ初心者向けのピアノ教本の超定番、ブルクミュラー《25の練習曲》。
誰もが知っているこのピアノ教本を使った、まったく新しい指揮法教本が生まれました。

指揮法の学習において、もっとも苦労するのは、オーケストラや合唱団など、
自分の指揮に合わせて演奏してくれる人たちを確保するのがむずかしいこと。
そして、指揮の練習にいたる前の譜読みや楽曲分析に時間がかかることです。

しかし、ピアノを勉強した人なら一度は練習したことのあるブルクミュラー《25の練習曲》なら、
ピアニストがひとりいれば、指揮の練習が成り立ちます。
楽曲の構造がシンプルで、わかりやすいタイトルも付いているので、音楽をイメージしやすく、
指揮者の基礎訓練として必要なアナリーゼの勉強にもなります。

そして、この《25の練習曲》を子ども向けのピアノ教本とあなどってはいけません!
ベートーヴェンやシューマン、ショパンなどから受け継いだ西洋のピアノ音楽の精髄を、
これから音楽を学ぶ子どもたちに伝えようと、ブルクミュラーが苦心して編み上げた一級の芸術作品なのです。
この25曲をていねいにひもとくことで、音楽史や音楽理論などの教養も、いつのまにか身についているにちがいありません。

序文は『バイエルの謎』(新潮文庫)、『唱歌と十字架』(音楽之友社)の著者として知られる音楽学者・安田寛さん。

指揮を教える先生や学ぶ人たちだけでなく、ピアノの先生や学習者にもおすすめのユニークな指揮法教本の誕生です。

目次

はじめに

序(安田寛)
はじめに
本編に入るまえに

ブルクミュラー《25の練習曲》op.100
楽曲分析と指揮の実践

1.純真さ(素直な心) La candeur
2.アラベスク L’arabesque
3.パストラーレ La pastorale
4.小さな集い(子どもの集会) La petite réunion
5.無邪気 Innocence
6.進歩 Progrès
7.澄みきった流れ(清い流れ) Le courant limpide
8.優雅な人(優美) La gracieuse
9.狩り La chasse
10.やさしい花 Tendre fleur
11.せきれい La bergeronette
12.告別(別れ) L’adieu
13.なぐさめ(コンソレーション) Consolation
14.シュタイアーの舞曲(シュタイアーの踊り) La Styrienne
15.バラード Ballade
16.ひそかな嘆き(小さな嘆き) Douce plainte
17.おしゃべりな人(おしゃべり) La babillarde
18.気がかり(心配) Inquiétude
19.アヴェ・マリア Ave Maria
20.タランテラ La tarentelle
21.天使の音楽 L’harmonie des anges
22.バルカローレ Barcarolle
23.帰還(再会) Le retour
24.つばめ L’hirondelle
25.乗馬 La chevaleresque

全25曲のまとめ

おわりに
参考文献表

前書きなど

はじめに

 本書はフリードリヒ・ブルクミュラー(Friedrich Burgmüller, 1806–1874)の《25の練習曲(25 Etudes faciles et progressives, conposées et doigtées expressément pour l'étendue des petites mains)》op.100(1851)を指揮法のテキストとしてもちい、楽曲分析、楽曲の背景および指揮法のテクニックとポイントについて解説したものである。
 「ブルクミュラー」。日本でピアノを学んだことのある人ならば、その名前をおそらく一度は聞いたことがあるだろう。その知名度とピアノ教育のなかでの楽曲の浸透度はきわめて高い。初版の刊行いらい160年余をへてなお、彼の《25の練習曲》がもちいられる理由は多々あるが、まずはその標題音楽的なタイトルとそれにフィットした音楽の内容が大きいだろう。そしてなによりも美しい旋律線と沸き立つリズム、平易で簡潔な和声や形式など、とにかく音楽の内容がわかりやすく親しみやすい。
 「なぜブルクミュラーで指揮法か?」と不思議に思われる方も多いだろう。じつはブルクミュラーは、以前から指揮法の教材としてしばしばもちいられてきた。そういう私自身も指揮を学びはじめた最初のころ、ブルクミュラーの楽曲でレッスンを受けた記憶がある。
 自分が教える立場になった現在、このブルクミュラーの曲集を、私は機会あるごとに取り上げている。現職の先生方のための講習や大学での授業、レッスン、指揮法ゼミなど、その回数は年を追うごとに増えている。実際にテキストとして使ってみた感想をいえば、25曲を通して何度繰り返してレッスンしても、音楽の内容がヴァラエティに富んでいてとにかく飽きるということがない。受講者からも「イメージをつかみやすい」「音楽がわかりやすい」と好評だ。それをなんらかのかたちでまとめておこうとメモを取りはじめたのが、本書執筆のきっかけである。
 指揮の学習においてとくに重要なのは、まず楽曲の様式やフレーズの構造などの基本を学ぶことであるが、ブルクミュラーの楽曲はそれらが平易かつ簡潔、しかも明快であり、楽曲分析の入門用テキストとしてもひじょうにすぐれている。とくに、指揮の初学者にとっては和音の連結や借用和音について理解することがなかなかむずかしいのだが、この曲集では、ピアノを学ぶ子どもたちを意識して書かれているためか、ハ長調やト長調、ヘ長調など、おもにシャープやフラットの少ない調が選択されているので、和声の理解へのサポートがたやすく、独習にも適している。
 さらに、ある曲を指揮で実際に表現するさいには、楽曲にたいして自分なりのイメージをもち、それをもとにアンサンブルを整え、指揮のかたちに具現していかねばならない。そこでのイメージの裏付けとなるのが分析力である。イメージの裏付けが明確だと、演奏家にたいする説明にも説得力が出る。そのためのお手伝いをするのが本書である。人前でなにやら図形を描くことだけが指揮ではないのである。
 さて、前置きはこれくらいにしておこう。そろそろみなさんと一緒に、いつものレッスンとはひと味違った「ブルクミュラーの小ミクロコスモス宇宙」をひもといていこうではないか。

著者プロフィール

山本 訓久  (ヤマモト ノリヒサ)  (

愛知県蒲郡市に生まれる。
国立音楽大学卒業、東京藝術大学大学院音楽研究科修了(器楽:ユーフォニアム専攻)。
ウィーン音楽大学指揮科に学ぶ。指揮をU.ライオヴィッツ、山岡重信、高階正光、和声を新実徳英、古楽奏法についてスヴェン・ベリエル、ユーフォニアムを三浦徹、大石清、トロンボーンをカール・ヤイトラー(ウィーン・フィル)の各氏に学ぶ。
2002年に新しいコンセプトによる金管楽器のグループ「アンサンブル・ペガサス・トウキョウ」を結成し、これまでに国内での演奏会のほかにチェコ、ドイツ、オーストリア、ノルウェー、スウェーデンで数多くの音楽祭等に招かれ、公演をおこなっている。またヨーテボリ大学とオスロ音楽院では「古楽奏法」にかんする公開セミナーもおこなった。
2016年、新実徳英の《神はどこに?》A.E.59の吹奏楽版編曲をおこない、東京ウインド・シンフォニカ第5回演奏会にて初演。その編曲版を2018年に東京ハッスルコピーより出版。
著書に『新版学ぼう指揮法Step by Step』(アルテスパブリッシング)、CDに『A Flourish of Brass ブラスの花束』(山本訓久指揮、アンサンブル・ペガサス・トウキョウ、Musica Residiva, Sweden)、『ホルスト:組曲第1番(原典版)ほか』(山本訓久指揮、東京ウインド・シンフォニカ、Cryston)などがある。
東京学芸大学教授、国立音楽大学講師、放送大学講師。東京ウインド・シンフォニカ音楽監督。

上記内容は本書刊行時のものです。