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ピアノ・テクニックの科学 アンスガー・ヤンケ(著) - アルテスパブリッシング
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9784865591491

ピアノ・テクニックの科学 プロフェッサー・ヤンケのピアノ・メソード

芸術
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A5判
240ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-86559-149-1   COPY
ISBN 13
9784865591491   COPY
ISBN 10h
4-86559-149-4   COPY
ISBN 10
4865591494   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073
教養 単行本 音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年9月
書店発売日
登録日
2016年8月25日
最終更新日
2017年11月6日
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重版情報

2刷 出来予定日: 2021-07-10
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紹介

「重力奏法」「動き」「身体構造」を柱として、ピアノ演奏のための合理的な動作を身につける──

ミュンヘン国立音楽大学で数多くの逸材を育てた名教授が、スポーツ医学、解剖学などの探究をもとにまとめ上げた画期的なピアノ・テクニック論、ついに公刊!

「テクニックは、テクニックそのものから解放されるためにこそ必要である」
──アンスガー・ヤンケ(1941~2005)

A.ヤンケの遺した論文の全訳(第1部)とその解説(第2部)、メソードの基礎となる楽器および解剖学の知識(第3部)で構成。

目次

はじめに
凡 例

PART I アンスガー・ヤンケの研究論文『ピアノ演奏におけるテクニックの考察』(アンスガー・ヤンケ、翻訳:アドリアン・ヤンケ/晴美・ヤンケ)

第1章 概 論──打鍵における3つの構成要素

第2章 楽器と身体構造
Ⅰ.ピアノ(ハンマークラヴィーア)とその特徴
Ⅱ.演奏者の運動器官(指、手、腕、肩、体幹)
 1)4本の長い指
 2)親指
 3)手首
 4)前腕
 5)上腕
 6)肩甲帯
 7)体幹(胴体)

第3章 打 鍵
Ⅰ.概論
Ⅱ.「打鍵」に関するアナリーゼ
Ⅲ.「打鍵」と「動き」についての所見
 1)打鍵について
 2)「動き」について
Ⅳ.指による打鍵
Ⅴ.合理的な打鍵とは?
 1)指はどのように動くか?
 2)5本の指での合理的な打鍵(5音奏)と手のフォーム
 3)5指奏における動きと運動の合理性

第4章 テクニックの実際
Ⅰ.座り方と姿勢
Ⅱ.呼吸
Ⅲ.音階と音階的パッセージ
 1)一般的な留意点
 2)【移動の動作Transportbewegung】
Ⅳ.【腕を縦に振動させる動きvertikale Schüttelung】(重音、和音、オクターヴの連打、連続したスタカート)
Ⅴ.【腕を横に振動させる動きseitliche Schüttelung】(トレモロ、トリル)

第5章 所 見
Ⅰ.響きについて
Ⅱ.姿勢と「身振りの動き」について
Ⅲ.エチュードについて
Ⅳ.ジストニアの病巣

第6章 「テクニック」について


PART II アンスガー・ヤンケの『ピアノ演奏におけるテクニックの考察』──解説と実践(晴美・ヤンケ)

第1章 ヤンケのメソードによるテクニックの理論と実践
Ⅰ.姿勢と呼吸
 1)姿勢
 2)呼吸
 3)腹式呼吸の練習とレッスンでのコントロール
Ⅱ.打鍵
 1)ヤンケのメソードによる「打鍵」:【安定した手のフォーム】と【指を立てる動作Stellbewegung】
 2)ヤンケのメソードによる重力奏法
Ⅲ.テクニックのベース:筋肉の収縮と弛緩
 1)手と腕の筋肉の収縮と弛緩を使い分けるための練習とレッスンでのコントロール
  a.前腕を持ち上げる練習とレッスンでのコントロール
  b.手を持ち上げる練習とレッスンでのコントロール
  c.[肩関節の外転=前腕を胴体から外側に離す動き]の練習とレッスンでのコントロール
 2)【指を固定して鍵盤に立てる動作Stellbewegung】の練習とレッスンでのコントロール
 3)【手と指の上げ下げの運動Lift-Senk-Bewegung】
  a.【手と指の上げ下げの運動Lift-Senk-Bewegung】とは?
  b.【手と指の上げ下げの運動Lift-Senk-Bewegung】の練習とレッスンでのコントロール
Ⅳ.ヤンケのメソードによる【3つのピアニスティックなテクニック】
3つのテクニック:その1【音階】
 1)【音階奏】での複合的な動き
  a.指の動き
  b.腕の動き
  c.【4本の指が親指を越える動きDaumenübersatz】と【親指が他の4指の下を潜る動きDaumenuntersatz】
  d.胴体の動き
 2)【音階奏】で手や腕が担う解剖学的機能
 3)【音階奏】に関する練習とレッスンでのコントロール
  a.【5音(5指)音階Fünffingerlage】での練習
  b.【音階Tonleiter】の練習
3つのテクニック:その2【腕を縦に振動させる動きvertikale Schüttelung】(単音、重音、和音、スタッカートの連打)
 1)【腕を縦に振動させる動きvertikale Schüttelung】とは?
 2)【手首による打鍵】との比較
 3)【腕を縦に振動させる動きvertikale Schüttelung】の練習
3つのテクニック:その3【腕を横に振動させる動きseitliche Schüttelung】
 1)【腕を横に振動させる動きseitliche Schüttelung】とは?
 2)【手首または前腕によるローリング】との比較
 3)【かき混ぜる動きRührbewegung】
 4)【腕を横に振動させる動きseitliche Schüttelung】の練習
Ⅴ.ペダル
 1)音を保持するためのペダル indirektes Pedal
 2)特別な音を強調するためのペダル direktes Pedal
 3)ソフト・ペダル Una-Corda-Pedal
 4)ソステヌート・ペダル Sostenuto-Pedal
Ⅵ.メンタル・トレーニング
 1)テクニックの学習におけるメンタル・トレーニング
 2)「動き」に関するメンタル・トレーニング
 3)ストレス状況におけるメンタル・トレーニング
 4)メンタル・トレーニングによるテクニックの練習法

第2章 練習について:ヤンケの提唱
 1)プロフェッショナルな練習とは?
 2)学習のプロセス
 3)基礎テクニックの練習のまとめ

第3章 「動き」に関して:ヤンケの見解

第4章 ヤンケのレッスンでの特徴と教育への信念
 1)運指法
 2)テクニックの応用
 3)エチュード(練習曲)について
 4)困難なパッセージの練習
 5)フォルテで練習することに対する反対意見
 6)作品の様式や音列によるテクニックの使い分けについて
 7)レッスンでのコントロールとセルフ・コントロール
 8)曲の仕上げと暗譜
 9)響きと、「見た目の錯覚」について
 10)ピアノ・テクニックの他の楽器への転用
 11)ヤンケの楽器教育への信念

第5章 ヤンケの書斎から:使用された文献と参考資料
 1)フレデリック・ショパン
 2)トニー・バントマン
 3)ルドルフ・マリア・ブライトハウプト
 4)ルートヴィッヒ・デッぺ/エリザベス・カランド
 5)ルートヴィッヒ・リーマン
 6)カール・ライマー/ワルター・ギーゼキング
 7)ゲルハルト・マンテル
 8)その他の文献

第6章 ヤンケのレッスンの回想


PART III 補 遺(晴美・ヤンケ)

第1章 楽器について
Ⅰ.ピアノの前身
Ⅱ.手と鍵盤に関する問題点
Ⅲ.現代ピアノの特徴と演奏の際の留意点
 1)打鍵に要する鍵盤の重さとエスケープメント・アクション
 2)強弱や音色を決定するもの

第2章 ピアニストのための解剖学
Ⅰ.ピアノを弾く指、手、腕、肩の筋肉と骨格
 1)手と指
  a.手の骨と関節
  b.指の骨と関節
  c.指を動かす筋肉
  d.手首(手関節)
 2)前腕
  a.前腕の骨
  b.回旋:[回内]と[回外]
  c.前腕の筋肉
 3)上腕
  a.上腕の骨と関節
  b.上腕の筋肉
 4)肩
  a.肩の骨と肩関節
 5)体幹(胴体)
  a.体幹の骨
  b.背中と胸の筋肉
Ⅱ.筋肉の収縮と弛緩、筋肉収縮の種類
Ⅲ.関節の可動を表す解剖学用語の解説(まとめ)
Ⅳ.運動を指令する脳と情報を伝える神経システム
 1)運動の伝達 脳と神経システム
 2)大脳皮質
 3)パチニ小体
 4)小脳と脳幹

PART II、PART IIIに関する参考文献(五十音順)

おわりに

前書きなど

はじめに︎

 本書は、1960代後半から2005年に現職で没するまで、ミュンヘン国立音楽大学でピアノ教育に生涯を捧げたエルンスト・アンスガ-・ヤンケ(Prof. Ernst Ansgar Janke, 1941–2005)のピアノ演奏法に関する論文(草案)を翻訳し、解説を加えて初めて日本で公開するものである。
 「ピアノ・テクニック」とは、作品に秘められた芸術性を演奏によって表現するための手段である。テクニックの不手際は作品を損ない、芸術的な全体像を壊す。テクニックを学ぶことの真の目的を述べたヤンケの次の言葉を冒頭に掲げたい。
 テクニックがすべてではない。この言葉はもちろん正しい。表現したいと思うものを何も持たない人は、最良のテクニックをもっても伝えることはできない。しかしながら同時にこうも言える。演奏者が感じ、イメージした響きのニュアンスが、目的に適った動きとなって楽器演奏に実現される瞬間では、テクニックがすべてである。「動き」に変換させないのであれば感性も思考も響きとなっては表れず、演奏はごく個人的な領域に留まって、聴衆に本物の感動を呼び起こすことはない。
 「テクニックは、テクニックそのものから解放されるためにこそ必要である」という立場に徹して展開されたヤンケの論文は、演奏法に関する多くの書物に例を見るように、「芸術論」と「奏法」が混合して書かれたものではない。ヤンケは「無理のない自然なテクニックとは、演奏に直接関わる身体の構造や機能に即して考え抜かれたものでなければならない」という観点から人体の基本に立ち返り、ここに原点を置いて奏法を究めた。この当たり前とも言える道理を徹底的に追究したピアノ・テクニック論は多くはないが、ヤンケは解剖学、スポーツ医学など多くの文献を研究して、身体構造に密着した独自のメソードを編み出した。
 彼のメソードのもうひとつの特徴は、ショパンやリストに端を発し、デッペ(L. Deppe, 1828–1890)やブライトハウプト(R. M. Breithaupt, 1873–1945)などによって普及した重力奏法にその根を置きながらも、さらに動きに注目していることである。身体に負担をかけずに、いかに合理的、複合的かつ効果的に指、手、腕を使うかというヤンケの奏法研究では、演奏に関わる「身体構造」「重力」「動き」という3点が重要な柱になっている。
 本書は3部に分けて構成し、PART Iではヤンケの論文草案(未完)の翻訳を掲載する。PART IIでは、論文形体のPART Iの内容をより具体的に解説し、加えてヤンケの原文では多くが未稿になっている「テクニックの具体的な実践方法」や「ヤンケの所見」を補填した。PART IIIでは、「楽器」に関する補遺に加えて、ヤンケが常用した医学用語と、ピアニストとして知っておくべき初歩的な「演奏に関わる身体の解剖学」を解説する。ヤンケのメソードは人体解剖学を基盤としたものであり、彼の論旨を正確に理解するためには、少なくとも演奏に関係したわれわれ自身の身体構造にしっかりとイメージを持ってから、PART IとPART IIの内容に向き合うことが望ましい。しかし音楽家にとって「解剖学」はその理解に多くの忍耐を要する分野でもあるので、これに取り組むことははなはだ煩わずらわしいと思われる読者は、詳細を抜きにしても、イラストをボディ・マップとして活用していただきたい。読者の目的や興味に従って、どのPARTから読書を開始されても支障がないように構成した。

2016年8月 晴美・ヤンケ

著者プロフィール

アンスガー・ヤンケ  (アンスガー ヤンケ)  (

1941年ライプツィッヒ(Leipzig)に生まれ、14才でマンハイム市立音楽大学に入学。ピアノをF. ヴューラー(Prof. Friedrich Wührer, 1900–1975)、指揮をR. ラウグス(Prof. Richard Laugs, 1907–1978)に師事し、1959年に最優秀で同校卒業。その後ドイツ国民・研究機関財団の奨学金を受け、師ヴューラーのミュンヘン国立音楽大学への転勤に伴って同大学に再入学、ピアノを引き続きヴューラーに、室内楽をH. シュトイラー(Prof. Hugo Steurer, 1914–2004)に師事。ピアノ・ソリスト科の演奏家ディプロマ取得の後、1967年ミュンヘン国立音楽大学大学院演奏家ディプロマを最優秀で取得。1964年在学中にミュンヘン国際コンクールのピアノ・デュオ部門でデュオ・パートナーのG. シーバー(Gernot Sieber)と共に入賞、1965年西ドイツ音楽大学コンクール、ピアノ・ソロ部門でも入賞を果たした後、ウィーン放送交響楽団との共演をはじめ、ヨーロッパ各地でソロ、デュオ、また室内楽奏者として演奏活動を展開。
教育者としては1967年からレーゲンスブルグ少年合唱団付属音楽高校においてピアノ教師を勤めた後、1968年から2005年に病を得て他界するまで、母校ミュンヘン国立音楽大学ピアノ科教授として後進の指導に従事。ヤンケ自身が受けたピアノ・テクニックの教育に満足を覚えず、大学院在学中から関係資料を研究、自身の演奏で実験を試みながら独自のピアノ・テクニック・メソードを確立させた。

晴美・ヤンケ  (ハルミ ヤンケ)  (

神戸女学院大学音楽学部ピアノ科卒業後、ミュンヘン国立音楽大学でピアノと作曲を専攻。同校ピアノ科ソリスト・コースを卒業して演奏家資格ディプロマを取得。ピアノをアンスガー・ヤンケ他、作曲をハラルド・ゲンツマー他の教授に師事。ミュンヘン近郊のギルヒング市立音楽学校、フリュシュテンフェルトブルック市立音楽学校におけるピアノ科講師を経て、現在はドイツと日本でアンスガー・ヤンケのピアノ・メソードを広めるピアノ教育に従事。ヤンケ・ピアノメソード・インスティテュート代表者。

アドリアン・ヤンケ  (アドリアン ヤンケ)  (論文翻訳

チェリスト。ミュンヘン国立音楽大学、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学、アウクスブルク音楽大学に学び、ディプロマを取得。ドイツ青少年音楽コンクール優勝、ドツァウアー国際チェロ・コンクール第3位など、多くの入賞歴を持つ。現在ドイツ・ザールラント州立管弦楽団団員。

酒井 直隆  (サカイ ナオタカ)  (医学監修

医学博士・工学博士。ピアノを児玉邦夫に師事。米国メイヨー・クリニック、ハーバード大学医学部留学後、横浜市立大学医学部講師、同客員教授、宇都宮大学大学院教授を経て2010年にわが国最初の音楽家専門外来を東京女子医大附属青山病院に設立。2012年国際手外科学会音楽家の手委員会議長に就任、2015年練馬区に日本演奏家医学研究所および「さかい整形外科」クリニックを設立。洗足学園音楽大学客員教授。

上記内容は本書刊行時のものです。