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すごいジャズには理由がある
音楽学者とジャズ・ピアニストの対話
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2014年5月
- 書店発売日
- 2014年5月25日
- 登録日
- 2014年4月19日
- 最終更新日
- 2022年12月27日
重版情報
7刷 | 出来予定日: 2019-07-25 |
4刷 | 出来予定日: 2015-07-24 |
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紹介
日本を代表する音楽学者・音楽評論家の岡田暁生がついにジャズ界に殴り込み!?
「録音や人間関係にまつわるエピソード」ではなく、あくまでも音楽そのものに即して、モダン・ジャズの巨人たちの「すごさ」を分析する。
指南役は岡田の師でもあるジャズ・ピアニストのフィリップ・ストレンジ。
キース・ジャレットについての論文で博士号を得、シェーンベルクやストラヴィンスキーなど20世紀音楽全般に通ずる「知性派ジャズ・ピアニスト」は、“あの”名演の魅力をどう解明するのか──。
アート・テイタム、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、オーネット・コールマン、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズ──
6人のジャズ・ジャイアントが何を考えてプレイしていたのかが、いま明らかになる!
目次
読者のみなさんへ──[フィリップ・ストレンジ]
はじめに──[岡田暁生]
1 アート・テイタム “ザ・モダン・ミュージシャン”
2 チャーリー・パーカー モダン・ジャズの“父”
3 マイルズ・デイヴィス モティーフ的思考
4 オーネット・コールマン 自由
5 ジョン・コルトレーン 自由とプロセスとしての音楽
6 ビル・エヴァンズ スコット・ラファロとの異次元のアンサンブル
終章 ジャズにはいつもopen spaceがある
あとがき──[岡田暁生]
前書きなど
読者のみなさんへ
ジャズは彩り豊かな長い歴史をもっています。エンタテイナーたち、コメディアンたち、とてつもない美女たち、カッコイイ男たち、麻薬患者、金持ちのパトロン、奴隷だった人々、ダンサー、ヨーロッパのセレブ、ボクサー、牧師、背後にマフィアがいる連中、レコード会社の重役、独学のミュージシャン、音楽院を卒業した人たちなどなど……。
多くのジャズ・ミュージシャンは物語のような人生を送ってきました。口コミの楽しいエピソード、とりわけ事実とも作り話ともつかないご乱行の物語のオーラが、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンズといった伝説のミュージシャンたちを彩ってきました。多くの伝記が彼らのキャリアについての一般的な説明に加えて、その個人生活の興味深く生き生きしたポートレイトを提供してくれます。
しかしながら、アーティストの真価とは最終的には彼らの芸術のクオリティにもとづくものです。ジャズはいわば、プレ・コンポジションとリアルタイムでなされるコンポジションとが混ざり合ったような音楽です。ジャズの「実質」とは、リズム、メロディ、ハーモニー、形式、そして音色にほかなりません。
ジャズの歴史の明快な把握は、音楽そのものについての実践的な深い理解、とりわけ偉大な先人たちの手によって、時代とともに音楽がどのように変化し発展してきたかについてのそれにもとづかねばならないのです。真の理解こそが混乱を取り除き、この驚嘆すべき芸術形式への真摯にして持続的な愛への道をひらいてくれると、私は考えています。
この本の中で私と岡田暁生氏は、偉大な芸術家たちを例にとりながら、音楽そのものの発展にもとづいたモダン・ジャズ史を描き出そうと試みました。
2014年4月3日 フィリップ・ストレンジ、DMA
上記内容は本書刊行時のものです。