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0%に向かって ソ・イジェ(著/文) - 左右社
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0%に向かって (ゼロパーセントニムカッテ)
原書: 0%를 향하여

文芸
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発行:左右社
四六変形判
縦188mm 横118mm 厚さ26mm
重さ 160g
384ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-86528-439-3   COPY
ISBN 13
9784865284393   COPY
ISBN 10h
4-86528-439-7   COPY
ISBN 10
4865284397   COPY
出版者記号
86528   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年11月11日
書店発売日
登録日
2024年10月5日
最終更新日
2024年11月1日
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紹介

独立映画、モータウン・サウンド、HIPHOP……
メインストリームから外れたソウルの「B面」

市場における観客占有率が「0%に向かって」減少の一途をたどっている独立映画をテーマとした表題作ほか、映画のシーンナンバーをつけられた章が散らばる「セルロイドフィルムのための禅」、公務員試験予備校のあつまる鷺梁津(ノリャンジン)を舞台に、勉強はそっちのけで恋と音楽にのめり込む〈俺〉の物語「SoundCloud」など。

若者たちの苦い日々がオフビートに展開する7篇。
〈李箱文学賞〉優秀賞、〈若い作家賞〉受賞作家による注目のデビュー作!

ーーーーー

ライムスター宇多丸さん、大田ステファニー歓人さん(『みどりいせき』)推薦!

▼ライムスター宇多丸さん

主流文化からこぼれ落ちたものをこそ「逡巡がグルーヴする」文体で掬い取る、鋭くも優しい視点。これは凄い人が出てきたかもしれない……!

▼大田ステファニー歓人さん

映画的非連続性(モンタージュ) 音楽的重層性(サンプリング) 断片記憶の不確実性(マルチタスク)が現代人のフロウ(文体)

目次

迷信
セルロイドフィルムのための禅
仮のスケッチ線
SounCloud
グループサウンズ全集から削除された曲
(その) 場所で
0%に向かって
ーーー
作家のことば
訳者解説

前書きなど

スティービー・ワンダーの『Talking Book』(1972)をとことん聴きまくった。スティービー・ワンダーだったら、俺レベルでも昔から知ってた。けど俺は有名な曲をいくつか知ってただけで、こうやってアルバム一枚を通して聴いたのははじめてだった。CDプレーヤーで音楽を聴いたのもはじめて。なんつーか、こうやって聴くのも新鮮だなと思った。あれだ、軍隊に入って、トイレの床は歯みがき粉でキレイになるって知ったときくらい新鮮な衝撃。ミントの歯磨き粉。クールな心地。スティービー・ワンダーは俺より何十年も前に生まれてたけど、その音楽はいつだって新しい感じがした。俺は耳からイヤホンを外して考えた。過去は心地よく、現在はつまらない、未来は新しい、って表現は間違ってんのかも。過去は新しく、現在はつまらない、未来は心地いい、この表現の方が正しいのかも、そう考えた。軍隊に来てから考えごとばっかしてるよな、俺、とまた考えた。まもなく俺は驚くべき事実を発見した。どっちにしたって現実はつまらねえ。ワオ、俺って天才かも。  (「SounCloud」)


エリック・ロメールを見てベジタリアンになったってことだけで丸分かりだよ。あんたさ、『緑の光線』好きでしょ? エリック・ロメールのせいでベジタリアンになったんじゃないっすよと言ったものの、ユミ先輩は信じてくれなかった。急に吐き気がして顔がほてってくるのを感じたけど、運よく涙までは流さずにすんだ。俺のことをよく知りもしないくせに、腹が減って足がダルくて寒いってだけで俺の食習慣に言いがかりをつける先輩のせいで、俺はなんだか悔しくなった。先輩は俺がベジタリアンやってる理由知らないじゃないすか、よく知りもしないくせに。やっとのことでそう言うと、なに、ホン・サンスかっつーの。面白くないからやめな、そういうの、というセリフが返ってきた。  (「セルロイドフィルムのための禅」)

版元から一言

韓国で大注目の若手作家、短編集でついに日本デビュー!!

これは凄い人が出てきたかもしれない……!
ーーライムスター宇多丸さん

*Xの告知も話題!
https://x.com/sayusha/status/1842136914222276945

*11月のK-BOOKフェス、フェアに出展予定!

*著者来日イベント&サイン会決定!

著者プロフィール

ソ・イジェ  (ソイジェ)  (著/文

서이제/1991年、韓国・清州(チョンジュ)生まれ。ソウル芸術大学映画学科卒。在学中に小説を書きはじめ、2018年に中編「セルロイドフィルムのための禅」が『文学と社会』新人文学賞を受賞し、デビュー。2021年に「0%に向かって」で若い作家賞、本書で今日の作家賞を受賞。続く2022年には「頭蓋骨の内と外」で2年連続となる若い作家賞、「壁と線を越えるフロウ」で李箱文学賞優秀賞、『0%に向かって』でキム・マンジュン文学賞新人賞を受賞と、デビュー数年にして数々の名だたる文学賞を受賞している。

原田いず  (ハラダイズ)  (翻訳

1985年、兵庫県神戸市生まれ。韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院翻訳アトリエで学ぶ。2020年、新韓流文化コンテンツ翻訳コンクール(現翻訳新人賞)映画部門大賞受賞。韓国文学ZINE『udtt book club』のメンバーとして、未邦訳作品の紹介を行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。