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セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点 セシリア・ワトソン(著/文) - 左右社
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セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点 (セミコロン カクモヒカエメデアマリニモヤッカイナクトウテン)

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発行:左右社
4-6変
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-86528-383-9   COPY
ISBN 13
9784865283839   COPY
ISBN 10h
4-86528-383-8   COPY
ISBN 10
4865283838   COPY
出版者記号
86528   COPY
Cコード
C0080  
0:一般 0:単行本 80:語学総記
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2023年8月3日
最終更新日
2023年10月10日
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書評掲載情報

2023-10-29 読売新聞  朝刊
評者: 辛島デイヴィッド(早稲田大学教授・作家・翻訳家)
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紹介

英文法の世界でいくたびも論争を巻き起こしてきた記号「セミコロン」。
・英文法家たちの仁義なき論争
・セミコロンのせいで酒も飲めない? ボストン中が大騒動に。
・終身刑か死刑か、句読点が生死を分かつ。
・句読点の使い方を指摘され、校正者にブチ切れるマーク・トウェイン
・難解すきてまったく売れなかった『白鯨』における大量のセミコロン etc.

小さなトラブルメーカーが巻き起こす波乱万丈の文化史

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英→日翻訳者として、日本語にセミコロンがないことを何度も呪ってきたが、この本を読むと、なくてよかったと思えてくる。そんなものがあったせいで、英語はどれだけ混乱したことか! が、その混乱をめぐる物語は無類に面白い。
柴田元幸

セミコロンひとつでお酒は売れなくなるわ、ひとは死ぬわ、さらにこんな面白い本が書けてしまうとは、どういうことだ!
鴻巣友季子
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目次

はじめに 言葉のルールをめぐる愛憎
1章 音楽を奏でるように:セミコロンの誕生
2章 科学的規則を目指して:英文法戦争
3章  ファッションアイテムからトラブルメーカーへ
4章  ゆるい条文と自制心:句読点ひとつでボストン中が大混乱
5章  解釈に伴う偏見と慈悲
6章  ルールを岩に刻み込む 現代の試み
7章  セミコロンの達人たち
8章  切なる訴え、単なる気取り:セミコロンを使うのはひけらかし?
おわりに  ルール違反?

前書きなど

「セミコロンはあまりにも不快」だ。ポール・ロビンソンは『ニュー・リパブリック』誌のエッセイでそう打ち明けている。「自分で使おうものなら、人の道に悖る行為のようにすら感じる」 スタンフォード大で人文学の教授を務める彼は、黒丸がコンマの上でバランスを取るその記号を目にするだけで全身に「憤り」を覚えるんだとか。ロビンソンは反セミコロンの急先鋒といった感じの人物だが、近代のセミコロン批判家はもちろん彼以外にもゴロゴロいる。ジョージ・オーウェルからドナルド・バーセルミまで、様々な小説家がセミコロンのことを醜悪だとか無意味だとか、あるいはその両方だという見解を延々とのたまってきた。カート・ヴォネガットは一切使わないことを推奨し、「まったくもって何の意味も持たない」記号だと批判。「何か意味があるとすれば、せいぜい大卒アピールになる程度である」と文筆家たちを戒める。さらにセミコロンのことを「この世で最恐の句読点」と称するイラスト入りのガイドは、ネット上でなんと80万に迫るシェア数を記録している。しかしセミコロンが生まれた15世紀、それを考案したイタリアの人文主義者たちとしては、文意の明確化を補助するツールのつもりであって、(現代のロビンソン教授が評するような)「明確でない考えを取り繕う」のにもっぱら利用される「これ見よがし」の記号というわけではなかった。19世紀の末に目を移すと、当時セミコロンはまさに流行りの記号で、使用される頻度はお仲間のコロンに大差をつけていた。かつては称賛されたセミコロンだが、今や実に多くの人が、実に不愉快で、実に扱いにくいと感じるようになっている。どういう経緯でこんなことになってしまったんだろう。(以下、つづく)

版元から一言

柴田元幸氏・鴻巣友季子氏推薦!
英文法の世界でいくたびも論争を巻き起こしてきた記号「セミコロン」。
小さなトラブルメーカーが巻き起こす波乱万丈の文化史。

著者プロフィール

セシリア・ワトソン  (セシリア ワトソン)  (著/文

現在、バード大学の訪問研究員。セントジョンズ・カレッジでリベラルアーツ学士、シカゴ大学にて哲学修士、科学概念・科学史博士。以前はアメリカ人文系学会協議会(ACLS)の特別研究員としてイェール大学人文学科・哲学科に所属したほか、マックス・プランク科学史研究所の研究員や、ベルリンの芸術センター「世界文化の家」(Haus der Kulturen der Welt)で科学コンサルタントの経験もある。

萩澤 大輝  (ハギサワ ダイキ)  (翻訳

1992年生まれ。神戸市外国語大学大学院博士課程を単位取得満期退学し、現在は近畿大学経営学部特任講師。専門は認知言語学、語形成。業績に『ジーニアス英和辞典 第6版』(大修館書店)の校閲・執筆協力などがある。

倉林 秀男  (クラバヤシ ヒデオ)  (翻訳

1976年生まれ。杏林大学外国語学部教授。博士(英語学)。専門は英語学、文体論。日本文体論学会代表理事(2018 年~2020 年)、会長(2020 年~)、日本ヘミングウェイ協会運営委員。著書に『ヘミングウェイで学ぶ英文法』『ヘミングウェイで学ぶ英文法 2』『オスカー・ワイルドで学ぶ英文法』(アスク)『英文解釈のテオリア』(Z会)、『バッチリ身につく 英語の学び方』(ちくまプリマ―新書)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。