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料理と人生
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年7月30日
- 書店発売日
- 2023年8月4日
- 登録日
- 2023年7月7日
- 最終更新日
- 2023年8月17日
書評掲載情報
2023-10-07 | 朝日新聞 朝刊 |
2023-09-23 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 平山洋子(エッセイスト) |
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紹介
女中たちから料理を教わる台所が隠れ家だった娘時代、
4人の子育てに追われる日々、ギニア、ガーナ、セネガルで出会ったアフリカの味、
作家として名を成し、世界中を飛び回る日々に知った東京のヤキトリ、マグレブのタジン鍋。
料理なんて召使いのすること──。
そんな母の言葉への反発が、文学への情熱と同じくらい熱い、料理への愛を気づかせてくれた──。
2018年ノーベル文学賞に替わるニュー・アカデミー賞を受賞した世界的黒人女性作家の最後の自伝的回想録。
目次
プロローグ
1 修行の時代
2 マフェのいろいろなバリエーション
3 とにかく何かを始めねば
4 エスノ・キュイジーヌ
5 スクレ・サレの勝利
6 ダルはダル
7 アメリカを手に入れたい
8 東京の味
9 クーバ・リブレ
10 乳と蜜の国
11 ノー・ウーマン、ノー・クライ
12 神よ、アフリカに祝福を
13 人喰いか否か、それが問題だ
14 ヴァンパイアたちの宴
15 寝袋背負って放浪しよう
16 ソウルフード
17 さらばスカーフ、さらばマドラス
18 夢の旅、旅の夢
19 ウェサン島への航海
20 結びに代えて
訳者あとがき
前書きなど
確かにこの二種類の情熱[文学への情熱と料理への情熱]は並列できるものではないかもしれない。料理はヒトの動物的起源にさかのぼるもので、どんな周到な策略でもその真実は隠蔽できない。食べるものを作ることは、タブローを描くために色を集めるとか、韻律を探求することで成立するような、言わば高尚な活動ではないのだ。だがすぐさま気づいたのは、互いに違って見えたとしても、これらふたつの情熱は根本的には切り離せないということだった。かすかながら両者は共通するものを持っている。それに料理が育んだわたしの性向は、両親、特に母親が好む規範的な少女のイメージ通りになるものかという思いへとつながっていた。「エリーゼのために」ぶち壊しの演奏を聞かせておいて、お友達にお世辞を言わせる代わりに、わたしはキッチンに入る方を選んだ。わたしが文学の世界に入るにあたり抱いていたのも、同じく人を怒らせたいという欲望なのだ。(本書より)
上記内容は本書刊行時のものです。