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家族のおわり、心のはじまり
ユング派心理療法の現場から
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月30日
- 書店発売日
- 2023年3月30日
- 登録日
- 2023年3月28日
- 最終更新日
- 2023年4月10日
紹介
いま、都市に暮らす私たちの心にとって「家族」とはそもそも何だろうか。
虐待や暴力、学校や職場に通えなくなること、さまざまな身体症状や精神症状。
自分自身の能力や発達への疑問や不安、行き詰まり。
そんな心理臨床の現場で出会うさまざまな課題に、
家族は必ず大きな役割を果たしている。
そもそもいま、この現代の都市生活のなかで、家族とは何なのだろう。
面接室を離れ、故郷や自然、そして自分自身の家族の風景をたずねながら、
臨床心理学者たちが現代社会の心性を探る。
現代ユング派を代表する碩学W・ギーゲリッヒ氏の心理学の精髄を伝える論文「神を信じない時代における神々へのもてなし フィレモン・ファウスト・ユング」、
ならびに本書オリジナル原稿、執筆者たちとの質疑応答「家族を巡って W・ギーゲリッヒとの対話」を掲載。
目次
はじめに 北山純
第1章 家族の傷、「私」の痛み 兼城賢志
第2章 戦後八十年の家族、現代の家族 大録慈
第3章 家族という幻想の終焉、心理学の可能態 猪股剛
第4章 母と私の「忘れた歌」 植田静
第5章 火との対話 火がもたらすもの、もう一つのかたち 村田和久
第6章 神を信じない時代における神々へのもてなし フィレモン・ファウスト・ユング ヴォルフガング・ギーゲリッヒ
第7章 家族を巡って W・ギーゲリッヒとの対話
おわりに 猪股剛
コラム
広島から(西山葉子)
ふるさとと祈り(西山葉子)
白バラ抵抗運動とショル兄妹(北山純)
月山本宮柴燈祭(相樂加奈)
知憩軒(相樂加奈)
東京の家族(宮澤淳滋)
前書きなど
私の記憶のなかには、家族の生成と、家族の崩壊の両方が刻まれている。それは時代の社会状況や経済状況の影響を受けながら進んでいったもののように思うが、その一方でそもそも家族とは、生成と崩壊のあいだにあるようにも感じられる。おそらく私は、世に典型的な生成と喪失を感じているだけで、家族や社会や共同というものは、そのようにいつも生成と崩壊のあいだにあり、いまという現実の取り組みのなかにだけ存在しているのだろう。
(猪股剛「おわりに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。