中国現代美術の道
- ISBN
- 978-4-86528-278-8
- Cコード
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C0070
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一般 単行本 芸術総記
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年7月30日
- 書店発売日
- 2020年7月31日
- 登録日
- 2020年7月29日
- 最終更新日
- 2020年8月3日
紹介
近現代中国美術の歴史とは、西洋に刺激され、翻弄されながらも、
独自の発展を遂げてゆく、紆余曲折に満ちた歩みだった──。
宣教師たちによって細々ともたらされてきた西洋画と、
独自の発展深化を遂げてきた中国画の成熟。
そして、通俗美術の分野から次第に広がってゆく西洋絵画の技術、
徐々に広く、深くなってゆく西洋とのヒト・モノのコミュニケーション。
こうした世情を背景に、アヘン戦争からはじまった西洋近代との衝撃的な出会いは、
中国画の伝統を否定すべきか否か、来るべき近代の中国画はいかにあるべきか、
激しい論争とさまざまな活動を一挙に引き起こしてゆく。
中西の融合を唱えた嶺南画派、フランスにモダニズムを学んだ林風眠や劉海粟ら、
中国画の伝統の保護と更新を主張した黄賓虹と潘天壽──。
さらに、日中戦争から中華人民共和国建国へと展開する民族的危機を経て、
文化大革命、改革開放、グローバリゼーションの今日に至るまで、
中国の美術は、国家や人民にとっていかにあるべきか、という問いにも晒されてきた。
リアリズムとロマン主義の融合した革命絵画の勃興と、地方への写生運動、
その後の中国のアートの発火点となった「85美術新潮」──。
「中国にとって近代とは何か?」
国民的画家潘天壽を父に持ち、中央美術院院長などを歴任し、
みずからも現代中国水墨画を代表する作家である潘公凱が、
この大きな問いのもと堂々と描き出す大作。
目次
中国の現代美術とは何か? (序文に代えて)
序論 〈自覚〉と〈四大主義〉 近代的反省に基づく芸術史
第一部 一八四〇─一九一九
第一章 中国近代美術の生存環境
第二章 〈西洋画の東漸〉と近代都市における通俗美術の興起
第三章 近代中国絵画の自律的発展
第四章 問題の検討
第二部 一九一九─一九四九
第一章 中国近代美術の始まり
第二章 中国画の近代転換における自覚的選択
第三章 近代美術教育制度の移植と生成
第四章 西洋画東漸中の自覚的移植
第五章 〈大衆主義〉美術
第六章 問題の検討
第三部 一九四九─一九七六
第一章 「最も新しく最も美しい図画」を描く
第二章 伝統主線の断裂と中国画の改造
第三章 「油絵民族化」とロシア・ソ連美術の導入
第四章 美術大衆化の全面的展開
第五章 「文革美術」〈大衆主義〉美術の過激化した表現
第六章 問題の検討
第四部 一九七六─二〇〇〇
第一章 改革解放と思想の解放
第二章 「八五美術新潮」と活気ある多元的状況
第三章 現代的コンテクストの下での世紀末の潜伏
第四章 問題の探求
結び
後記/主要参考文献