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往き還り繋ぐ 青木千帆子(著/文) - 生活書院
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往き還り繋ぐ (イキカエリツナグ) 障害者運動 於&発 福島の50年 (ショウガイシャウンドウオケルハツフクシマノゴジュウネン)

社会一般
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発行:生活書院
A5判
424ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-86500-104-4   COPY
ISBN 13
9784865001044   COPY
ISBN 10h
4-86500-104-2   COPY
ISBN 10
4865001042   COPY
出版者記号
86500   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年9月10日
書店発売日
登録日
2019年8月28日
最終更新日
2019年8月29日
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紹介

「しどろもどろ」な歴史をつむぐ!

白石清春、橋本広芳、鈴木絹江、安積遊歩、桑名敦子、殿村久子、遠藤美貴子、高橋玉江、渡部貞美……運動の中心を担ったひとやそこに繋がるひとびとへのインタビューをもとに、その草創期から停滞期、発展期、そして2011年3月11日を経ての現在まで、東北・福島で展開されてきた/いる障害者運動、その50年の全貌に迫る。

目次

はじめに・いきさつ 立岩真也

第1章 「福島県青い芝の会」の生成と展開――それは『さようならCP』からはじまった 土屋 葉
1 はじめに
2 「青い芝の会」の運動展開
3 「福島県青い芝の会」の運動展開
 『さようならCP』の衝撃(1972) 設立(1974) 白石のいらだち 事務所開設(1975) 軌道に乗る(1976~) 他地域とのつ

ながり
4 停滞期(1977~)
 白石は秋田へ、橋本は郡山へ 橋本――郡山市での活動(1976~1980) うつみねの会発足
5 「発展的解消」(1981)
6 まとめ

第2章 福島コミュニティの形成――コミュニティ・キャピタル論から福島の障害者運動形成期を読み解く 田中恵美子
1 はじめに
 本章に登場する人々との出会い 本章の課題 登場人物 本章で使用する資料について
2 コミュニティ・キャピタル論とは
 コミュニティ・キャピタル論が取り上げるコミュニティ コミュニティの中で起こっていること ネットワーク戦略の4つのタイプ

 本章における取り上げ方
3 福島コミュニティの生成
 養護学校設立前 養護学校在学中
4 福島コミュニティの発展
 「刷り込み」の拡張――青い芝の会 同一尺度の信頼と準紐帯の確立 価値の逆転――排除の残像
5 福島コミュニティの確立
 さらなる「刷り込み」の拡張――自立生活運動との出会い 強化された同一尺度の信頼と準紐帯
6 福島コミュニティはどのように形成されたのか
 刷り込み⇔同一尺度の信頼⇔準紐帯の形成 4つのタイプで読み解く 残された課題

第3章 運動が繋いだ生――『かがやく女たち』に登場した女性たちの語りから 瀬山紀子
ドキュメンタリー『かがやく女たち』
障害女性が経験する複合差別
遠藤(阿部)美貴子さん
 プロローグ 養護学校時代 青い芝運動との出会い 自立への思い 出会い 家出から自立へ
高橋玉江さん
 プロローグ 施設での生活 郡山養護学校に入学 家族のこと 卒業後の進路 自立生活へ パートナーとの出会い 子どものこと

 母のこと (追記)
渡部貞美さん
 プロローグ 障害者運動との出会い 郡山での自立生活 結婚、出産、そして離婚

第4章 支援/介助はどのように問題化されてきたか――福島県青い芝の会の呼びかけから 土屋 葉
1 障害者自立生活運動における介助の位置づけ
 介助をめぐる理念的対立 介助概念の転換
2 福島県青い芝の会の運動と「健全者」との関係
3 支援/介助の「定義化」
 支援/介助を呼びかける形式 「糾弾型」――介助を通した「意識変革」を求める 「共感要請型」――共感的理解の延長上に介助

を求める 「糾弾型」と「共感要請型」の並存
4 「息の長い闘い」のなかで

あいえるの会における介助関係の模索 白石清春

第5章 獲るために動き、対話する――白石清春の戦略 土屋 葉
1 秋田での日々、そして相模原へ
 秋田での「パッとしない日々」 横塚晃一の死、そして栄子との結婚 「くえびこ」設立 米国CILの考え方との出会い 「シャ

ローム」建設 東京青い芝の会から離れる
2 Uターン後――再び運動を
 有限会社の立ち上げ 「運動」への移行――「グループ・らせん」設立
3 CIL設立とその後の展開
 「運動」としてのCIL設立 行政との連携 補助金制度設立をめぐって 活動停滞 「あいえるの会」設立
4 福島県の運動はなぜ発展を遂げたのか

第6章 分かれた道を引き返し進む 立岩真也
1 そして引き返した
 要約 ここでも青い芝 青い芝における騒動/その周辺 脳性マヒ者等全身性障害者問題研究会・『自立生活への道』 年金改革側

の事情、障害者側の要望 異論・懸念はあったこと それはつまり何だったのか 費用負担の主張に付いて行けず引き返す もっと大

規模なケア付き住宅をの主張に付いて行けず引き返す その時期に起こったこと
2 つきあい方について
 つきあう場面を分けること 介助者(をはみ出す介助者)のこと ドラマチック/でないこと 運動と経営において 理解を得るこ

と/我を張ること 付記:理念と書き手のこと 付記:運営・運動・非本人  

 人 集まり/の間 2人について複数について

第7章 東日本大震災以後の福島の障害者運動――JDF被災地障がい者支援センターふくしまの活動を中心に 青木千帆子
1 はじめに
2 2011年3月11日東日本大震災
 NPO法人あいえるの会と香久池の福祉避難所/JDF被災地障がい者支援センターふくしまの活動――始動期
3 施設単位の避難――福島県福祉事業協会の事例
 2011年3月11日~4月11日 2011年4月11日~ 地域の避難所への避難 JDF被災地障がい者支援センターふくしまの活動――展開

期 JDF被災地障がい者支援センターふくしまの活動――停滞期
4 障害者の避難をめぐる議論の動向
 制度の変遷 東日本大震災を経験した当事者による議論
5 白石が切り開いてきた「地域」
6 おわりに

原発事故と優生思想 白石清春

第8章 遠くから 立岩真也
再録にあたり
 いっとき行なったこと書いたもの 近くで/遠くで 隙間/仕組み
2012/05/30→再掲 後ろに付いて拾っていくこと+すこし――震災と障害者病者関連・中間報告
 要約 はじめに 伝達と集積、そして電源他 人・組織およびその来歴 住むこと・移ること

もう一度、記すことについて 立岩真也
 今しばらく留めること 人について書くこと+そのまま残すこと

人物索引
文献表

著者プロフィール

青木千帆子  (アオキ チホコ)  (著/文

青木千帆子(あおき・ちほこ)           
1976年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)。現在、東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野特任研究員。
論文に、「電子書籍ビューアーのアクセシビリティ機能」(『情報管理』59(5):315-321、2016年)、「「学校でウンコをしたくなるたびに考えること」――合理的配慮を求める争いとつまずき」(『解放社会学研究』28:9-26、2015年)、「視覚障害者向け音声読み上げ機能の評価――電子書籍の普及を見据えて」(『情報通信学会誌』30(2):85-98、2012年)、「障害者の就労場面から見える労働観」(『解放社会学研究』25:9-25、2011年)など。

瀬山紀子  (セヤマ ノリコ)  (著/文

瀬山紀子(せやま・のりこ)
1974年生まれ。お茶の水女子大学人間文化研究科比較社会文化学専攻博士後期課程単位取得退学。東京大学大学院経済学研究科特任研究員を経て、2013年より淑徳大学非常勤講師(ジェンダー福祉論)、2009年より埼玉県男女共同参画推進センター事業コーディネータ。2014年、障害のある女性に対する複合差別をテーマにする論文で、国際女性の地位協会・赤松良子ユース賞を受賞。
共編著に、『障害者介助の現場から考える生活と労働――ささやかな「介助者学」のこころみ』(杉田俊介、渡邉琢、瀬山紀子編著、明石書店、2013年)、共著に、『障害者権利条約の実施――批准後の日本の課題』(長瀬修、川島聡編、信山社、2018年)、論文に、「障害のある女性たちとの関わりから」現代思想 45(8):166-170など。

立岩真也  (タテイワ シンヤ)  (著/文

立岩真也(たていわ・しんや)
1960年、佐渡島生まれ。専攻は社会学。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。千葉大学、信州大学医療技術短期大学部を経て現在立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。
著書に、『私的所有論』(勁草書房、1997年、第2版生活書院、2013年)、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』(青土社、2000年)、『自由の平等――簡単で別な姿の世界』(岩波書店、2004年)、『ALS――不動の身体と息する機械』(医学書院、2004年)、『希望について』(青土社、2006年)『良い死』(筑摩書房、2008年)、『唯の生』(筑摩書房、2009年)、『人間の条件――そんなものない』(イースト・プレス、2010年、第2版新曜社、2018年)、『造反有理――精神医療現代史へ』(青土社、2013年)、『自閉症連続体の時代』(みすず書房、2014年)、『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(青土社、2015年)など。

田中恵美子  (タナカ エミコ)  (著/文

田中恵美子(たなか・えみこ)
1968年、東京都生まれ。専攻は障害学・社会福祉学。日本女子大学大学院人間社会研究科博士課程後期満期退学。博士(社会福祉学)。東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科を経て現在東京家政大学人文学部教育福祉学科准教授。
著書に、『障害者の「自立生活」と生活の資源――多様で個別なその世界』(生活書院、2009年)、共著に、『人工呼吸器をつけます
か?――ALS・告知・選択』(メディカ出版、2004年)、『社会福祉への招待』(放送大学教育振興会、2016年)、『障害者権利条
約の実施――批准後の日本の課題』(信山社、2018年)など。

土屋 葉  (ツチヤ ヨウ)  (著/文 | 作曲

土屋 葉(つちや・よう)
1973年生まれ。専攻は家族社会学。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。博士(社会科学)。現在、愛知大学文学部教授。
著書に、『障害者家族を生きる』(勁草書房、2002年)、共著に、『被災経験の聴きとりから考える――東日本大震災後の日常生活と公的支援』(生活書院、2018年)、論文に、「家族と親密な関係――「フツーの家族は普通なのか」」(奥村隆編『はじまりの社会学――問いつづけるためのレッスン』(ミネルヴァ書房:37-55、2018年)など。障害学研究会中部部会の一員として編んだものに、『愛知の障害者運動――実践者たちが語る』(現代書館、2015年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。