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部屋をめぐる旅 他二篇 グザヴィエ・ド・メーストル(著/文) - 幻戯書房
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部屋をめぐる旅 他二篇 (ヘヤヲメグルタビ ホカニヘン)

文芸
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発行:幻戯書房
四六変型判
296ページ
定価 2,900円+税
ISBN
978-4-86488-231-6   COPY
ISBN 13
9784864882316   COPY
ISBN 10h
4-86488-231-2   COPY
ISBN 10
4864882312   COPY
出版者記号
86488   COPY
Cコード
C0397  
0:一般 3:全集・双書 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年9月30日
書店発売日
登録日
2021年8月11日
最終更新日
2021年9月4日
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紹介

フランス革命の只中、18世紀末のトリノで、世界周游の向こうを張って42日間の室内旅行を敢行、蟄居文学の嚆矢となったグザヴィエ・ド・メーストル「部屋をめぐる旅」――その続編「部屋をめぐる夜の遠征」、および「アオスタ市の癩病者」の小説3篇と、批評家サント゠ブーヴによる小伝を収録。

われわれは、ここに再版する興味深い発見や冒険を行なった人物よりも前に存在した旅行家たちの価値を、貶めるつもりはない。マゼラン、ドレーク、アンソン、クックといった方々は、疑いなく立派な人物である。ただ、もしわれわれの思い違いが過ぎるのでなければ、あえてこう言わねばならない、『部屋をめぐる旅』には先立つ全ての旅をはるかに上回る特別な価値があるのだ、と。
――ジョゼフ・ド・メーストル

デカルトは、ナッサウ公マウリッツに仕えていたとき、同じ方法で、ただし比類ない真剣さで、軍隊生活の空白を埋めていた。〔……〕グザヴィエ・ド・メーストルもまた、不安も煩悶もなかったようで、『部屋をめぐる旅』を書きはじめた。独創的な主題であり、何でもないことについて何でも語ることができた。
――アナトール・フランス

サヴォワ人の筆すさびがわれわれに残した不滅の小著……
――ホルヘ・ルイス・ボルヘス

彼はそのとき住み慣れて知り切っていると信じた自分の部屋の周游旅行を志すことに依ってこの憂さを消そうと計画したのであった。これは確かによい思いつきだ。憂愁と退屈には旅行は何よりもの慰安である。それに仔細な観察に眼と心とを慣らすということは人の精神に無駄なことではない。で彼は自分の部屋を旅行し、観察し、数々の未知を発見し、これに就てのエキゾチクと云ってよいほどの驚きを記録している。彼の部屋は殆ど一つの世界である。
――きだみのる

クサヴィエ・ド・メストルは二つの冒険譚を書いた。小説もあるが、それはまあいい。何よりも風変わりな冒険物をいうべきだろう。フランス人が文章においてとりわけたっとぶ「クラルテ」と「レジェルテ」、つまり明晰さと軽妙さとをほどよくそなえ、フランス語散文の好見本にちがいない。
だが、この名前が文学辞典にみつかるかどうか、大いにあやしい。
――池内紀

著者プロフィール

グザヴィエ・ド・メーストル  (グザヴィエドメーストル)  (著/文

グザヴィエ・ド・メーストル(Xavier de Maistre 1763–1852)
サルデーニャ王国シャンベリ生まれのフランス語圏作家。反動思想家ジョゼフ・ド・メーストルの弟。本職は軍人のため寡作ではあるが、フランス革命下に自らの部屋を旅したという奇妙な旅行記『部屋をめぐる旅』によって名を残すほか、ジュネーヴの作家ロドルフ・テプフェールとの親交により、フランス国外のフランス語圏文学への着目を促したことも、文学史的に特筆される。後半生は主にロシアで暮らし、サンクトペテルブルクで亡くなった。

加藤一輝  (カトウカズキ)  (翻訳

加藤一輝
1990年、東京都生まれ。東京大学大学院・人文社会系研究科(仏文)博士課程在学中。リヨン高等師範学校に游学ののちパリ大学(旧パリ第七大学)修士課程修了、その間に三度の部屋をめぐる旅を行なう。翻訳サークルCato Triptyqueからの訳書に、シャンフルーリ『猫』『諷刺画秘宝館』(共訳)、若月馥次郎『桜と絹の国』。

上記内容は本書刊行時のものです。