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山の花環 小宇宙の光
発行:幻戯書房
四六変型判
604ページ
定価
6,500円+税
- 初版年月日
- 2020年10月30日
- 書店発売日
- 2020年10月26日
- 登録日
- 2020年9月15日
- 最終更新日
- 2020年10月15日
紹介
低き丘でも高みに立たば、
下の者より見ゆるは道理、
われもみなより多く見ゆべし――
幸せにして、また不幸なり。
イスラム教改宗者の討伐という歴史的事件を材に、民衆の「哀しき人間の運命」を綴った、セルビア「第二の聖書」と目される一大詩篇『山の花環』。宇宙創造、人間の堕落と魂の救済を詠う『小宇宙の光』。セルビア文学の金字塔となった、ニェゴシュを代表する二大叙事詩。
……ニェゴシュの文学は、吟遊詩人の伝える伝承の「コソボ史観」に尽きるものではない。ニェゴシュの詩人としての偉大さは、そうした民族叙事詩の世界を乗り越えて、「哀しき人間(ひと)の運命(さだめ)」を追求したことにある。『小宇宙の光』では、その主題が形而上的なレベルで扱われているが、そこに現実世界で主教、君主、そして人間として苦悩するニェゴシュの魂を読むことができる。『山の花環』の登場人物たちはかなり理念化されているが、ダニロ主教の悩みや恐れは、ニェゴシュの心の深奥を映し出している。──「訳者解題」より
上記内容は本書刊行時のものです。