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ぺらぺらの彫刻
- 初版年月日
- 2021年11月30日
- 書店発売日
- 2021年11月20日
- 登録日
- 2021年10月6日
- 最終更新日
- 2024年2月21日
紹介
かつてない「読む彫刻」ついに誕生!
彫刻を観ない人に捧げる
彫刻オタクによる愛の歌
「構造を被覆する表面によって成立する彫刻の系譜を確認する」という共同研究に、彫刻家、美術史家、学芸員9名が集結。お堅い命題に頭を抱えて議論百出。ついに満場一致で「ぺらぺらの彫刻」として追究開始。道成寺の鐘の内側は、内なのか外なのか? 禅問答に悩むごとく、ある者は触覚から、ある者は空洞から、ある者はピカピカから、ある者は時代の空気から…横山裕一に章扉を描かせ、溢れる彫刻愛は「読む彫刻」を生み出した!
著者:石崎尚、伊藤誠、鞍掛純一、田中修二、戸田裕介、袴田京太朗、藤井匡、松本隆、森啓輔
カバー・帯・表紙・扉/原画:横山裕一
ブックデザイン:馬面俊之
目次
まえがき 戸田裕介
第1章 人体像の表面の向こうになにをみるか 田中修二
1|《聖チェチリア》の表面から
2|朝倉文夫作《みどりのかげ》にさわる
3|朝倉響子の彫刻とリカちゃん人形
4|再び、表面をめぐって
第2章 量塊を見つめなおす 戸田裕介
1|透明人間を彫刻でつくることはできるか?
2|モリヌークス問題から
3|立体と量/塊と量塊
4|彫刻家の言葉から―単一的視点
5|彫刻家の言葉から―多視点性をめぐって
6|多視点性から多感覚へ
第3章 すべての彫刻には空洞がある 袴田京太朗
1|被覆の彫刻
2|ブロンズ彫刻内部の「恥の空洞」
3|ミニマル・アートにおける内部の空洞
4|空洞がある/ない
5|「恥の空洞」を消滅させた「彫刻」
6|コンセプチュアル・スカルプチャー
7|フェリックス・ゴンザレス=トレスの「空洞」
第4章 彫刻作品の表層について 鞍掛純一
1|空家を素材にする
2|脱皮する家
3|コロッケハウス
4|内なる表層
第5章 ピカピカの彫刻―戦後日本の鏡面彫刻 石崎 尚
1|ぺらぺらの彫刻とピカピカの彫刻
2|鏡面加工の登場
3|鏡面彫刻の広がり
4|野外彫刻展における鏡面彫刻
5|その後の鏡面彫刻
6|鏡面彫刻のポテンシャル
第6章 一九八〇年代と表面―召喚される「表面の存在論」 森 啓輔
1|はじめに―表面の誘惑
2|界面に吹く「風」
3|交錯する「厚み」
4|「かめ」の中
5|「空気の道」のありか
6|おわりに―表面から/表面への「跳躍」
第7章 庄司達の布―建築と身体の間に 藤井 匡
1|庄司による布の特徴
2|建築との関わり
3|空間の創出と形態の創出
4|身体との関わり
5|建築、衣服、彫刻
第8章 彫刻のためのエクササイズ=谷岡ヤスジを誤読する 伊藤 誠
1|谷岡ヤスジ
2|トリックスター
3|脳の中の小人
4|表現の時空
第9章 金色と鏡―古代ギリシア彫刻からブランクーシへ 松本 隆
序
1|古代の鏡
2|金色の素材
3|古代ギリシアのブロンズ彫刻の表面
4|中世の金色―聖フォアと定朝
5|ルカ・デッラ・ロッビアのガラスの被覆
6|ブランクーシの金色
結
終章 「ぺらぺらの彫刻」とは何だったのか 藤井 匡
1|「被覆としての彫刻」からはじまった
2|「ぺらぺらの彫刻」へのアプローチ
3|「ぺらぺらの彫刻」から導かれる可能性
あとがき 戸田裕介
上記内容は本書刊行時のものです。