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民俗学 ヴァナキュラー編 加藤 幸治(著/文) - 武蔵野美術大学出版局
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書店員向け情報 HELP

民俗学 ヴァナキュラー編 人と出会い、問いを立てる

社会科学
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A5判
256ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-86463-128-0   COPY
ISBN 13
9784864631280   COPY
ISBN 10h
4-86463-128-X   COPY
ISBN 10
486463128X   COPY
出版者記号
86463   COPY
Cコード
C3039  
3:専門 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月30日
書店発売日
登録日
2021年10月6日
最終更新日
2021年11月17日
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紹介

日々の暮らしの「あたりまえ」を問い直し
独特の造形・行為を見出す行為から
新しい民俗学がはじまる!

ヴァナキュラーとは「人々の生活から育まれた」固有な文化である。現代を生きるわたしたちは、いくつもの小さなコミュニティを同時に生きている。学校や職場、地域社会や家族、ネットの世界にも、人の営みはあらゆるレベルでヴァナキュラーを生み出し続け、そこには素朴な問いが潜んでいる。みずから問いを見出し、それと付き合い続けるのが、本当の意味でのフィールドワークであり、ここに民俗学をまなぶ意義がある。

目次

はじめに 
ヴァナキュラーとフィールドワーク/民俗学をまなぶ意義/
あるく みる きく + つくり つたえる


経験主義―今こそフィールドワークへ
「ヴァナキュラー」へのまなざし
民俗学の輪郭/現代生活のヴァナキュラー/美術史とヴァナキュラー/日常の風景から

「文化」の概念の大転換
古典的な文化観/文化観の転換/文化を理解することの不可能さ/
文化における人間中心主義を超えて/文化が資源化する時代/
「文化を生きる」とは/重層的な文化観

「生活」こそが最前線
民俗学は近代という時代の産物/「野」の学問の二つの意味/
〝あたりまえ〟を問い直すことの不可能性/〝あたりまえ〟との付き合い方/
文化の客体化の二つの方法/再帰性とは/問いにつながる課題設定・問題発見/
民俗誌と記述の不可能性

「フィールドワーク」の技法
民俗学のフィールドワーク/調査の現場で大切にしたいこと/
「お守り言葉」を超えて/アーティストのフィールドワーク/
エスノグラフィの思考/ローカルな知の魅力/ナラティヴ(語り)の位相/
語りにおける共感と沈黙/語りのオーナーシップ


フィールドで問いをどう立てるか
女王バチの目線―遊び仕事と誇りと自慢
アインシュタインの蜂/都市とミツバチ/ヨーロッパで発達した養蜂学/
ハチの狩猟とご馳走/山野に遊ぶ/ハチの巣別れ:分封/里山とミツバチ:採蜜/
養蜂箱のゴーラ/独自な共生の思考/「養蜂道」の伝統/
ミツバチ飼いとしての評価
研究のことば【遊び仕事】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(1)

山まかせの思想―暗黙知と自然への理解
遊ぶ人/山の人たち/民俗学にとっての山村/山村性と民俗技術/
備長炭が育んだ森/世界一硬い炭/二次林での狩猟/木の実の採集/
川での漁撈/山の幸を与える山の神/「山まかせ」の思考
研究のことば【暗黙知】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(2)

日常性への信頼―生活のリズムとはたらくこと
議論の中心としての周縁/あるフィールドワークのはじまり/
一軒の生活を成り立たせる道具類/傾斜地に生活空間を造り出す/
オモヤ(主屋)・ニワ(庭)/カド(門)・ハタケ(畑)・ヤマ(山)/
身についた体の使い方と道具/不便な山奥に住み続ける理由
研究のことば【仕事と稼ぎ】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(3)

良い仕事の定義―身体技法とものづくり
道具を見つつ、人を見る/地機との出会い/木綿以前のこと/
古い形式の道具が得た新たな役割/天秤腰機のフィールドワーク/
太布の用途と素材の特徴/コウゾの物性と機仕事/
機の身体技法/労働をめぐる固有な価値観
研究のことば【身体技法】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(4)

漁撈技術と知識―技術の変化と家庭の味
はたらく男の力飯/一攫千金、ハイリスク・ハイリターン/
震源地に最も近く、世界三大漁場に最も近い/半島の南側:表浜の漁業/
半島の北側:裏浜の漁業/「技術は常に北の南部から」/
漁業は経済と直結している/漁民は定住する
研究のことば【フォークターム】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(5)

復興のなかの創造―災害の歴史と技術継承
三陸らしい港町/復興期の日常と生活/スレート屋根葺き講習会/
震災後の民俗調査の再開/現代の硯の製作技術:アラボリ/
現代の硯の製作技術:ジサライ・シアゲ・ケショウ/
江戸時代から明治三陸津波、昭和三陸津波/
昭和三陸津波からチリ地震津波、東日本大震災/
復興のたびに生まれ変わってきた工芸品
研究のことば【正統的周辺参加】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(6)

記憶を担う造形―捕鯨文化と人生の誇り
三陸海岸最南端の牡鹿半島・鮎川/家族・隣人の歴史/見えてきた三陸の捕鯨文化/
「くじらトレジャー」に込められた人生の物語/クジラの町の誇りと部位標本/
玄関や居間に飾るペンギンの剥製/それぞれの「文化財」/鯨歯工芸と印鑑/
「メモリーオブジェクト」としてのくじらトレジャー/クジラミュージアムの伝統/
震災一〇年で甦った新たなクジラミュージアム
研究のことば【ヴァナキュラーアート】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(7)

必要は発明の母―職人技術の基礎と応用
杜の都:仙台名物を支える道具/カスタムメイドという戦略/
カスタムメイドの業務用・プロ用の金網製品/街宣車から野外ロック・フェスティバルまで/
規格化された道具を使いこなす/謎の紀州鍛冶/旅する鍛冶屋/
〝紀州鍛冶〟の器用な順応/職人の心意気
研究のことば【カスタマイズ】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(8)

非日常に生きる―祝祭空間のなかの日常
縁日市のワクワク感/祝祭性の魔力/市を取り仕切る市神さま/市神の迎え方/
市をめぐる「笠井のダルマ市」/市をめぐる「福岡県南部・熊本県各地の初市」/
市をめぐる「奈良県各地の初エビス」/縁日市のなかの日常と非日常
研究のことば【自由と平和】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(9)

わが道を生きる―擬制の家族と「一匹狼」
親・兄弟の契り/浮き沈みの激しい家系/「一匹狼」を生きる/
関係性のなかで自分の道を切り拓く
研究のことば【イノベーション】/ヴァナキュラーを見出すトレーニング(10)


あとがき
参考文献

著者プロフィール

加藤 幸治  (カトウ コウジ)  (著/文

1973年、静岡県浜松市生まれ。武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授。和歌山県立紀伊風土記の丘学芸員(民俗担当)、東北学院大学文学部歴史学科教授(同大学博物館学芸員兼任)を経て、2019年より現職。博士(文学)。専門は民俗学、博物館学。
近著に『津波とクジラとペンギンと―東日本大震災年、牡鹿半島・鮎川の地域文化』(社会評論社、2021年)、『渋沢敬三とアチック・ミューゼアム―知の共鳴が創り上げた人文学の理想郷』(勉誠出版、2020年)、『文化遺産シェア時代―価値を深掘る“ずらし”の視角』(社会評論社、2018年)、『復興キュレーション―語りのオーナーシップで作り伝える“くじらまち”』(社会評論社、2017年)ほかがある。

上記内容は本書刊行時のものです。