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日本語オペラの誕生 大西由紀(著/文) - 森話社
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日本語オペラの誕生 (ニホンゴオペラノタンジョウ) 鷗外・逍遙から浅草オペラまで (オウガイショウヨウカラアサクサオペラマデ)

芸術
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発行:森話社
A5判
544ページ
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-86405-131-6   COPY
ISBN 13
9784864051316   COPY
ISBN 10h
4-86405-131-3   COPY
ISBN 10
4864051313   COPY
出版者記号
86405   COPY
Cコード
C1074  
1:教養 0:単行本 74:演劇・映画
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年7月11日
最終更新日
2018年7月11日
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紹介

オペラ移入の夢と現実
ヴァーグナーへの憧れに突き動かされて、日本でオペラの試演が始まったのは20世紀初頭のこと。歌舞伎や能を見慣れた当時の日本人は、オペラをどのように理解/誤解し、自分たちの表現を見つけていったのか。オペラへの野心が感じられる鷗外・逍遙の戯曲から、帝劇歌劇部を経て、お伽歌劇や浅草オペラに至るまで――。試行錯誤の中から誕生した和洋折衷の「日本語オペラ」の実態を、台本の精読をとおして明らかにする。

目次

はじめに──問題の設定
[第一部 物語る声は誰のものか──東西の戯曲形式の狭間で]
 第一章 オペラが目指されなかった時代──演劇改良論から新劇運動まで
  第一節 オペラ劇場への憧れと、オペラ待望論の欠如──演劇改良論
  第二節 独白表現と「チョボ」の呪縛──『ハムレット』をめぐって
 第二章 二つの浦島劇──森鷗外『玉篋両浦嶼』と坪内逍遙『新曲浦島』
  第一節 ヴァーグナー・ブームとオペラ待望論
  第二節 「白を主とする劇」──『玉篋両浦嶼』
  第三節 「振事」を基礎とする「新国劇」──坪内逍遙『新曲浦島』
 第三章 オペラと歌舞伎と「叙事唱歌」の距離──北村季晴『露営の夢』
  第一節 音楽劇『露営の夢』の成立まで
  第二節 歌舞伎座における上演の実態
  第三節 歌唱者の振り分け──義太夫節の歌舞伎化との対照において

[第二部 音楽劇は何を物語るべきか、何を物語れるのか]
 第四章 日本人による初期の歌劇上演
  第一節 東京音楽学校『オルフォイス』
  第二節 楽苑会の創作および翻訳歌劇上演
  第三節 前期文藝協会の上演した逍遙の音楽劇作品
  第四節 山田耕作『誓の星』
 第五章 帝国劇場の試行錯誤
  第一節 帝国劇場の誕生──新時代の理想と伝統の継承
  第二節 第二節 女優と歌手、バレエとオペラ──帝国劇場歌劇部の発足と『胡蝶の舞』
  第三節 日本的題材の採用の是非──『熊野』
  第四節 劇評界の示した二つの方向──『釈迦』
  第五節 「常磐津のオペラ」という反動──『江口の君』
  第六節 その他の歌劇関連の演目
 第六章 帝劇歌劇部の達成したもの
  第一節 ローシー指揮下の洋楽音楽劇の展開
  第二節 小林愛雄の翻訳喜歌劇台本──『ボッカチオ』を例に
  第三節 帝劇洋劇部の解散以降

[第三部 歌とセリフは、それぞれ何を物語るのか]
 第七章 実験の場としての「お伽歌劇」
  第一節 歌とセリフのすみ分け──北村季晴『ドンブラコ』
  第二節 音楽の挿入を目的とする劇──本居長世『うかれ達磨』
  第三節 『ドンブラコ』『うかれ達磨』から見えてくるもの
 第八章 レコードになったお伽歌劇
  第一節 佐々紅華の仕事
  第二節 語り物の系譜に連なる音楽劇──『ウントコ爺さん』
  第三節 日本的な節回しの呪縛──『ウサ〳〵兎』
  第四節 浅草での仕事ぶりを予感させる作品──『目なし達磨』
  第五節 口語散文の自在な歌唱──『茶目子の一日』
  第六節 「文句集」における歌とセリフの位置付け──「むすびに」に代えて
 第九章 浅草オペラ──観客の支持した新しい音楽劇
  第一節 浅草オペラとはどのようなものであったか──先行研究をもとに
  第二節 帝劇時代の翻訳台本からの逸脱──再び『ボッカチオ』を例に
  第三節 替え歌オペラ──伊庭孝『女軍出征』、佐々紅華『カフェーの夜』
  第四節 「本格」オペラ上演への憧れ──小松耕輔訳『ファウスト』『椿姫』

 むすびに
 参考文献一覧
 略年譜
 あとがき
 主要外国作品原題・邦題対照表
 主要索引

著者プロフィール

大西由紀  (オオニシユキ)  (著/文

大西由紀(おおにし ゆき)
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は比較文学・翻訳論。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教。

主な共著書に、『キーワードで読む オペラ/音楽劇 研究ハンドブック』(アルテスパブリッシング、平成29年)、『浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代』(森話社、平成29年)、『貴志康一と音楽の近代──ベルリン・フィルを指揮した日本人』(青弓社、平成23年)。

上記内容は本書刊行時のものです。