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在庫あり
取引情報
取引取次:
地方小 ト・日・他 書店
子どもの文化 書店(直)
直接取引:あり(自社)
山羊と水葬
発行:書肆侃侃房
四六判
216ページ
並製
定価
1,600円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年10月20日
- 書店発売日
- 2021年10月28日
- 登録日
- 2021年9月22日
- 最終更新日
- 2021年10月25日
書評掲載情報
2022-02-26 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2021-12-18 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 中村和恵(明治大学教授) |
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紹介
この豊かに実のなる大樹の根っこはどうなっているんだろうと掘ってみたら、北海道の雪原や、ジャズや、アフリカの大地や、詩や、動物たちがざっくざっく出てきた。
くぼたさんの知とフェアネスと言語感覚は、こんなにたくさんの養分の上に育っていたのだ!――岸本佐知子〈翻訳家〉
吹雪もやんで、きらきらと雪原に光が反射して、目が痛いほど晴れわたる朝、山羊小屋から緊張した気配が伝わってきた。山羊が鼠捕りの毒だんごを食べたのだ。積雪は一メートルをゆうに超し、土まで掘るのはとても無理。凍った山羊の体を馬橇にのせて、吹雪のなかを石狩川の鉄橋へ。男たちが声を合わせて筵ごと持ちあげ、緑色の欄干の向こうへ落とす。水葬だ。水しぶきが見えたかどうか。白く煙る雪のなかに「それ」は消えていった。少女の記憶はそこでふっつり途切れる。 「山羊と水葬」より
上記内容は本書刊行時のものです。