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スクリーンに息づく愛しき人びと
社会のみかたを映画に教えられて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2022年4月16日
- 登録日
- 2022年3月16日
- 最終更新日
- 2022年4月5日
書評掲載情報
2022-08-31 |
POSSE(ポッセ)
vol.51 評者: 板倉昇平 |
2022-06-06 |
週刊東洋経済
6月11日号 評者: 梅沢正邦 |
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紹介
【労働研究の泰斗による珠玉の映画評論集】
2010年代以降の80本以上の劇場公開作品を、戦争と分断、日本の権力者の戦争責任、原発、「赤狩り」と戦後アメリカ映画の軌跡、「山田洋次が見失ったもの」、『万引き家族』の衝撃、老親介護、子どもの受難、労働運動の衰退と再生などをテーマに論じる。労働研究の泰斗による珠玉の映画評論集であり、2010~20年代の現代社会論!
目次
序にかえて
第1話 階級連帯の内と外 『パレードへようこそ』『ブラス!』『リトル・ダンサー』
第2話 日本・一九四五年八月 『この国の空』『日本のいちばん長い日』
第3話 引き裂かれた妻と夫の再会 『妻への家路』『かくも長き不在』『心の旅路』
第4話 狂っているのはどちらか 『天空の蜂』『生きものの記録』
第5話 『明日へ』の『外泊』 韓国の非正規女性労働者
第6話 山田洋次が見失ったもの 『母と暮せば』への軌跡
第7話 限られた生の証をいとおしむ 『わたしを離さないで』
第8話 『64─ロクヨン』の厚みと熱量
第9話 〈労働〉のリアルをみる憂鬱 『ティエリー・トグルドーの憂鬱』『ナビゲーター』
第10話 かけがえのない出会いに賭ける 『怒り』『悪人』
第11話 トランプ時代の『トランボ』観賞
第12話 日本の女性の半生・淡彩と油彩 『この世界の片隅に』『にっぽん昆虫記』
第13話 サフラジェット賛歌 『未来を花束にして』
第14話 アンジェイ・ワイダの遺したもの 『残像』『カティンの森』
第15話 「頑張れ!」の届く地点はどこに 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『川の底からこんにちは』
第16話 二〇一七年の映画ノートから 『夜明けの祈り』と『黄色い星の子供たち』 『わたしは、ダニエル・ブレイク』と『リフ・ラフ』
第17話 報道の自由とベトナム戦争 『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』『ハーツ・アンド・マインズ』
第18話 仮構の家族の絆と危うさ 私の『万引き家族』鑑賞
第19話 八〇年代の韓国・民衆抵抗の息吹 『タクシー運転手 約束は海を越えて』『1987、ある闘いの真実』
第20話 企業告発における「外部」と「内部」 『七つの会議』『空飛ぶタイヤ』
第21話 ふたつの「希望」 『僕たちは希望という名の列車に乗った』『希望の灯り』
第22話 『長いお別れ』の不思議な明るさ
第23話 格差社会を抉る二つの秀作 『ジョーカー』『家族を想うとき』
第24話 『Fukushima 50』の光と陰
第25話 兵士の帰還 『ディア・ハンター』『我等の生涯の最良の年』『ハート・ロッカー』
第26話 『真昼の暗黒』をめぐって
第27話 子どもたちの受難 『存在のない子供たち』『異端の鳥』
第28話 ホワイトカラーの従属と自立 『アパートの鍵貸します』『私が棄てた女』
あとがき
本書で語られる映画 タイトル・監督・そのほか
前書きなど
たしかに映画というものは「社会勉強」のため、歴史や社会についての「知識涵養」のために観るものではない。私がスクリーンからうけとるのはなによりも、そこに活写される人びとの苦しみや歓びへの共感であり、満ちてくる人間そのものへの愛着である。――「序にかえて」より
【推薦】
暗黒の闇。スクリーンに放たれた光たちは、とある労働研究者の思想を培った。彼の映画への愛執は、60年余を経て結晶した。本書は「社会のみかた」だけではなく「映画のみかた」も教えてくれる。
―― 土屋トカチ 映画監督、『アリ地獄天国』『フツーの仕事がしたい』
労働研究の泰斗が語る映画愛と論争的な批評。時に熱く、時に辛辣に。映画は私たちに社会問題への確かな視座を与えてくれる。泣き笑いのその向こうに見えるものは?!
―― 谷合佳代子 エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)館長
上記内容は本書刊行時のものです。