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市民がまちを育む―現場に学ぶ「住まいまちづくり」 一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団(著/文 | 編集) - 建築資料研究社
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市民がまちを育む―現場に学ぶ「住まいまちづくり」 (シミンガマチヲハグクムゲンバニマナブスマイマチヅクリ)

社会科学
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B5判
縦257mm 横182mm 厚さ20mm
296ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-86358-824-0   COPY
ISBN 13
9784863588240   COPY
ISBN 10h
4-86358-824-0   COPY
ISBN 10
4863588240   COPY
出版者記号
86358   COPY
Cコード
C3036  
3:専門 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月30日
書店発売日
登録日
2022年7月21日
最終更新日
2022年9月17日
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紹介

一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団(以下「財団」)は、 1992年の設立以来、市民の自発的なまちづくり活動に対し、「住まいとコミュニ ティ活動助成事業」として一貫して支援してきた。2022(令和 4)年で創設 30年を迎えるが、その間の助成件数は延べ 440件に上る 。
居場所・拠点づくり、居住支援、多世代交流、福祉のまちづくり、観光まちづくり、公民連携、コミュニティビジネス、移住・定住促進、などの活動が対象となった。
本書は、2017年度より財団が助成を充実させてきた「住まい活動分野」を主な対象にし、そこから市民主体の地域づくりのノウハウを析出し、これからの住まいまちづくり活動の理論化と方向性を探る。
第1部では、 5名の識者がそれぞれ専門の視点から、「住まいまちづくり」活動の具体例を検証しながら理論化を試みる。
第2部では、 15の特徴的な活動事例を選び、それぞれの現場の中心人物から活動を報告してもらい 、それに対し第 1部執筆者らが評価コメントを付す。

目次

はじめに  大月敏雄



第1部 住まいまちづくり活動の理論と実践



1章 市民主体の住まいまちづくり活動と住宅政策  大月敏雄

(1) 住生活基本計画に見る住宅をめぐる社会課題

(2) 5つの住生活上の課題領域

(3) 戦後日本の住宅政策の変遷と5つの課題領域

(4) H&C財団・住まい助成活動の位置付け

(5) まとめ



2章 市民まちづくりのマネジメント  松本昭

1.市民まちづくりの主体と多主体連携

(1) 市民まちづくりの主体

(2) 市民まちづくりと多主体連携

2.まちづくりと合意形成

(1) 「合意形成型まちづくり活動」と「賛同・共感型まちづくり活動」

(2) 合意形成と行動特性

(3) コミュニティを高める合意形成への工夫

(4) 法政大学地域経営論での演習課題から

(5) 地域的合意形成へのプロセスワーク

3.市民まちづくり活動と資金

(1) 初期投資と事業規模から観たNPO

(2) 資金調達の手段と特性

(3) 新しい資金調達

(4) 上手な資金調達とは

(5) 賛同・共感で資金を集める「クラウドファンディング」

(6) ふるさと納税を活用した資金調達

(7) NPO法人の決算から学ぶ



3章 住み継がれる住宅地を支えるための法制度、意識変革、そして支援  板垣勝彦

(1) 住まい、まちづくりに関する法の役割

(2) 今後の法制度の向かうべき道

(3) 個別事例から考えたこと

(4) おわりに―人びとの間を「取り持ち」「つなぐ」モデレーターの重要性



4章 未来のふるさとをつくる~台東区谷中の試み

   住文化を住み継ぐ、個人発・地域連携まちづくりの30年  椎原晶子

はじめに 谷中まちづくりから読み込む、個人発まちづくりのコツ

(1) 価値をみつける:「いいとこさがし」町の文化を掘り起こす

(2) 波紋を広げる:「谷中学校」の個人発のまちづくり

(3) 建物再生の連鎖から:点から面へのまちづくり

(4) プレイヤーを増やす:まちと建物再生をめぐる多様な連携

さいごに 未来のふるさとをつくる:持続あるコミュニティとまちへ



5章 空き家再生を通した地域コミュニティの創造

   NPO尾道空き家再生プロジェクトの15年  渡邉義孝

(1) 観光地おのみちの変遷と課題

(2) ガウディハウスとの出会い~空き家再生のはじまり

(3) 空き家バンクによる移住促進

(4) セトギワ建築の解体を阻止する

(5) 空き家再生で変わるまち~コミュニティのかたち

(6) これからの空き家再生への視座



第2部 住まいまちづくり活動に学ぶ

活動1  鏝絵の蔵の修復を端緒とした摂田屋のまちづくり

     機那サフラン酒本舗を保存する市民の会/平沢政明、大内朗子

活動2  金澤町家の魅力の発信と継承・活用の取り組み

     NPO法人金澤町家研究会/川上光彦、渡邉義孝

活動3  旧庄屋屋敷の保存活動が Park-PFI に結実

     NPO法人旧鈴木家跡地活用保存会/村木正彌・池田敏章 、 松本昭

活動4  建築協定から見守り型地区計画へ建築協定から見守り型地区計画へ

     美しが丘アセス委員会遊歩道ワーキンググループ/藤井本子、椎原晶子

活動5  緩やかなコミュニティで紡ぐ住宅地マネジメントの活動

     NPO法人玉川学園地区まちづくりの会/木村真理子、椎原晶子

活動6  エレベーターのないマンション暮らしを支える互助活動

     NPO法人鶴甲サポートセンター/桑田結、松本昭

活動7  1案に絞らない郊外分譲マンションの再生活動

     東村山富士見町住宅管理組合/大森茂、大月敏雄

活動8  公社賃貸住宅の空室活用による団地コミュニティ支援

     大阪府住宅供給公社/三田中陽三、板垣勝彦

活動9  空き部屋モデルルームでひろげる団地の魅力再発見

     NPO法人グリーンオフィスさやま/山本誠、大月敏雄

活動10  ママの気持ちに寄り添った子育て支援活動

     一般社団法Omusubi(現 Ripple)/佐藤祐美、大月敏雄

活動11  高齢単身区分所有者の資産管理を支援する活動

     NPO都市住宅とまちづく研究会/杉山昇、久田見卓

活動12  公社の空き住戸を活用した障がい者による地域交流活動

     NPO法人チュラキューブ/中川悠、大月敏雄

活動13  外国人居住者が過半を占める大規模賃貸住宅の共存・共生への取り組み

     芝園かけはしプロジェクト/圓山王国、大月敏雄

活動14  住宅困窮者への豊かな住環境の確保を支援する活動

     NPO法人南市岡地域活動協議会/松井信一、大月敏雄

活動15  ホームレスや路上生活者の住まいの確保に向けたセーフティネット活動

     NPO法人ほっとプラス/平田真基、板垣勝彦



寄稿・インタビュー/市民まちづくりのこれまでとこれから

髙見澤邦郎 「我がまちで……」を振り返ってみると

佐藤滋   まちづくりのこれまでの歩みとこれから

西村幸夫  情報社会による多様な連携が地域を拓く

小林郁雄  市民まちづくりの現在地

小澤紀美子 地域は屋根のない学校

山岡義典  小さな営みが幾重にも蓄積されたコミュニティ

鎌田宜夫  専門家の知識と生活者の知恵

萩原なつ子 ジェンダーの視点でまちをみる

澤登信子  私の市民活動のこれまでとこれから



活動助成一覧/用語一覧

著者プロフィール

一般財団法人ハウジングアンドコミュニティ財団  (イッパンザイダンホウジンハウジングアンドコミュニティザイダン)  (著/文 | 編集

1992年、長谷工コーポレーションが母体となり財団として設立、 2011年に一般財団法人に移行。 「世代を超えた良質な住環境の形成および良好な相隣関係、近隣関係を醸成し得る地域社会の構築に寄与すること」を目的とし、そのために 「住まいとコミュニティづくりに関する調査研究、情報提供」 や「 住まいとコミュニティづくりをおこなうものを支援 」 することとしており、早くも設立翌年より「住まいと コミュニティづくり活動助成 」 事業を開始し、 2021年までに助成件数は延べ 440件を数えるに至る。現理事長は大栗育夫 。

大月敏雄  (オオツキトシオ)  (著/文 | 編集

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授、同高齢社会総合研究機構副機構長。ハウジングアンドコミュニティ財団理事。博士(工学)、一級建築士。
『町を住みこなす』(2017、岩波書店)、『住宅地のマネジメント』(2018、建築資料研究社)など、著書多数。2019年、日本建築学会賞(論文)受賞。

板垣勝彦  (イタガキカツヒコ)  (著/文

横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。日本財政法学会理事。博士(法学)。専門は行政法、地方自治法、都市・住宅法。
著書に『住宅市場と行政法』(2017、第一法規、都市住宅学会著作賞)、『地方自治法の現代的課題』(2019、第一法規、自治体学会研究論文賞、都市住宅学会著作賞)など。

椎原晶子  (シイハラアキコ)  (著/文

國學院大學観光まちづくり学部教授、NPO法人たいとう歴史都市研究会理事長、ハウジングアンドコミュニティ財団理事。地域プランナー、技術士(都市及び地方計画)。
著書に『路地からのまちづくり』(2006年、学芸出版社)など。「上野桜木あたり」で2015年グッドデザイン賞受賞。

松本昭  (マツモトアキラ)  (著/文

ハウジングアンドコミュニティ財団専務理事、(一社)チームまちづくり専務理事。逗子市、八潮市、大磯町、古河市等でまちづくり審議会会長等を歴任。技術士(都市及び地方計画)、一級建築士。
著書に『人口減少時代の都市計画』(2011年、学芸出版社)など。携わった事業で、まちづくり功労者国土交通大臣表彰、都市住宅学会会長賞受賞。

渡邉義孝  (ワタナベヨシタカ)  (著/文

尾道市立大学非常勤講師。尾道空き家再生プロジェクト理事として空き家バンク、文化調査を担当。一級建築士。
著書に『台湾日式建築紀行』(2018、台湾時報出版)、『深刻化する空き家問題』(2018、日弁連)など。

上記内容は本書刊行時のものです。