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明治の大獄 長野浩典(著) - 弦書房
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明治の大獄 (メイジノタイゴク) 尊王攘夷派の反政府運動と弾圧 (ソンノウジョウイハ ノ ハンセイフウンドウ ト ダンアツ)

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発行:弦書房
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 200g
260ページ
並製
定価 2,100円+税
ISBN
978-4-86329-295-6   COPY
ISBN 13
9784863292956   COPY
ISBN 10h
4-86329-295-3   COPY
ISBN 10
4863292953   COPY
出版者記号
86329   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年9月30日
書店発売日
登録日
2024年8月21日
最終更新日
2024年9月26日
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紹介

安政の大獄(1858年、井伊直弼による尊王攘夷派の弾圧事件)という、歴史上よく知られた事件に対して、明治3年から4年にかけて、明治新政府による尊王攘夷派への全国規模での弾圧事件はほとんど知られていない。本書ではこれを「明治の大獄」と呼称し、反政府運動を扇動した長州、熊本、久留米、薩摩各藩の人脈と事件のつながりを初めて体系的に読み解く。
明治4年の〈廃藩置県〉を断行し、近代国民国家づくりを急いだ長州薩摩中心の権力者たちと反政府側の志士草莽たちの思惑のズレを克明に描いた労作。

目次

第一章 鶴崎有終館と高田源兵
豊後国内の熊本藩領と鶴崎町/鶴崎御茶屋とその機能/鶴崎御茶屋の船手/成美館の設立と英式操練/有終館設立の建議/高田源兵「鶴崎兵隊引廻」を命ず/有終館の設立/有終館の編成と禁衛奉仕/有終館の分営と教練/「鶴崎有終館の軍令」/豊予海峡砲台敷設計/有終館の経済活動/「有終館ノ持論」/厳しい入館規制/有終館と大楽騒動/有終館の廃止 

第二章 豊後七藩会議と攘夷派の動向
豊後七藩会議とは/四国会議とその廃止/豊後七藩会議の発起人/豊後七藩会議開催の遊説/直江精一郎と中村六蔵/高田源兵の構想/豊後七藩会議の禁止/「日田会議」と七藩統合構想/四国会議廃止と脱隊騒動 

第三章 密偵沢田衛守殺害事件
共犯者村尾敬助の供述/沢田衛守とは何者か/「有終館の内情」とは/高田源兵の「手帳」/中村が別府に向かう/中村が有終館に帰還/殺害を逡巡する中村/沢田衛守の佩刀/「反政府活動家」矢田宏/山本與一(村尾敬助)とは/中村六蔵が語った「事情」/沢田衛守殺害事件の裁判と判決 

第四章 山口藩脱隊騒動と大楽騒動
奇兵隊と大楽源太郎/当時の新聞報道/山口藩脱隊騒動とは/脱隊騒動と鹿児島藩の動向/大楽源太郎と毛利空桑/奇兵隊士の有終館来訪/大楽源太郎から毛利空桑への書簡/重ねて毛利空桑に窮状を訴える/古荘嘉門が三田尻へ/久留米での謀議と挫折/大楽源太郎の逃亡/有終館と脱徒潜匿/大楽が憤死を決意/大楽と姫島/大楽が鶴崎を去る

第五章 大楽騒動と九州諸藩 
(一)大楽騒動とその取締り
大楽騒動の波紋/九州諸藩の動向/別府日向屋事件/脱徒による「軍資金調達」/大島勘場襲撃/取締りの強化
(二)大楽騒動(「日田騒擾」)と日田県一揆
頻発する農民騒擾/慶応四年の日田県農民騒擾/明治
三年の「日田県一揆」/一揆勢と「肥後御尊隊」/脱徒による「日田騒擾」/日田県一揆の意義 
(三)岡藩―攘夷派の一掃
勤王家小河一敏と岡藩/岡藩と大楽騒動/取締り強化と大楽の久留米潜入/攘夷派の捕縛と一掃
(四)杵築藩―「久留米藩同様の落度」
譜代の小藩杵築藩と山口藩/「大楽党」小串為八郎/「天朝之御処置」の誓詞/杵築藩に対する処置 
(五)久留米藩―「久留米藩難事件」
久留米藩と大楽騒動/両筑三藩(福岡・久留米・柳河藩)と山口藩/「久留米藩難事件」とは何か/古松簡二の久留米帰還/「疑団」氷解/「化け物」直江精一郎/直江精一郎の証言/大楽源太郎誘殺 
(六)柳河藩―「廣田彦麿の党」
柳河藩と九州諸藩/巡察使による柳河藩の制圧/関係者の処分/大楽殺害は失敗 

第六章 高田源兵と熊本藩
運命の出会い/高田源兵の経歴/「人斬り彦斎」から高田源兵へ/高田源兵の「人物像」/源兵の尊王攘夷思想/源兵の「持論」/脱隊騒動と「持論」の齟齬/熊本藩の三学統/実学党政権の成立/鶴崎からみた学統対立と藩政改革/米田虎雄(実学党)と廣澤真臣/実学党(米田)の陰謀/帰藩後の高田源兵/高田源兵と西郷隆盛/謹慎から捕縛・投獄へ/源兵への審問と東京護送/高田源兵処刑と「明治の大獄」 

第七章 廣澤真臣暗殺事件と中村六蔵
リアルな暗殺の現場/岩倉の西下と御親兵/廣澤真臣暗殺と政局/米田虎雄への嫌疑/廣澤参議暗殺の嫌
疑者たち/熊本藩邸での「謀議」/藩邸での凄惨な拷問/山田真道の批判/中村六蔵にも嫌疑/東京神田鍋町事件/中村六蔵と改名/中村六蔵の捕縛/中村六蔵の偽証と処断/迷宮の廣澤暗殺事件 

第八章 九州攘夷派と「明治の大獄」
明治政府の危機的状況/雲井事件・二卿事件・初岡事件/『山口藩隊卒始末』の構成と内容/「不良徒処置一件伺」の内容/「国事犯」による一括弾圧/高田源兵と初岡敬治/大楽騒動と九州攘夷派の一掃/西海道鎮台設置と廃藩置県/安政の大獄と「明治の大獄」 

関連年表 
あとがき 
おもな史料・おもな参考文献 

版元から一言

維新後の、日本の混乱、反政府運動とそのゆくえを記した資料を丹念に読み解き、体系的にまとめた労作です。

著者プロフィール

長野浩典  (ナガノ ヒロノリ)  (

1960(昭和35)年、熊本県南阿蘇村生まれ。1986(昭和61)年、熊本大学大学院文学研究
科史学専攻修了(日本近現代史)。歴史研究家・作家。
主要著書 
『街道の日本史 五十二 国東・日田と豊前道』(吉川弘文館) 
『熊本大学日本史研究室からの洞察』(熊本出版文化会館)
『緒方町誌』『長陽村史』『竹田市誌』(以上共著)
『大分県先哲叢書 堀悌吉(普及版)』(大分県立先哲史料館)『ある村の幕末・明治―「長野内匠日記」でたどる75年』『生類供養と日本人』『放浪・廻遊民と日本の近代』『西南戦争民衆の記―大義と破壊』『川の中の美しい島・輪中―熊本藩豊後鶴崎藩
からみた世界』『感染症と日本人』『花山院隊「偽官軍」事件―戊辰戦争下の封印された真相』『新聞からみた1918―大正期再考』(以上弦書房)

上記内容は本書刊行時のものです。